イギリスの音楽産業について考えるブログ
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2009/10/31 05:04
FAC: a2f2a.com+α
英ミュージシャンによる圧力団体Featured Artists' Coalition(FAC)絡みで2つほど。

a2f2a site aiming to spark debate on filesharing and digital music - Music Ally (26/10/2009)

デジタル・ミュージックとパイラシーといったデジタル時代の問題について、アーティスト-ファンを繋ぎ、ディベートを深める目的で、a2f2a.comというブログが始まったというニュース。p2pnet.netのJon Newton氏とアーティスト(拙ブログではほとんどの場合"ミュージシャン"という表現を使いますが、便宜上今回のみアーティスト)でありFACメンバーであるBilly Braggにより共同設立されたブログ。同ブログの目的については、p2pnet.netのこの記事を参照ください(余談ですが、FACのボードメンバーは積極的に活動しているようですね)。この暗号みたいな「a2f2a.com」という名前ですが、「artist-to-fan-to-artist dot com」から来ており、同ブログ曰く、「アーティストとファンがダイレクトに意見を交わす初めてのウェブサイト」を表すもののようです。知名度はまだ低いかと思いますが、記事によっては60を超えるコメントがつくなど、早速議論が進んでいる模様です。ちなみに、FACメンバーは同ブログより正式に参加の招待を受けており、Billy Braggも、FACのメーリングリストにて、同ブログ上のディベートへの参加を呼びかけています。

結構専門的な話も多いので、集まる意見が本当にパイラシー問題等に興味のあるファンのものに偏りそうですが、それを考慮しても、“ファンの意見を聞く場所”としてブログをボンと設けてしまう方が、
「ライブ会場で会ったファンに聞いた」「友達の1人の意見で」みたいな意見交換よりもずっと効率的且つ生産的な議論が出来るのは間違いないでしょう。少なくとも、Bragg氏(および、FAC主要メンバー)が、ファンの声に耳を傾ける姿勢を見せた点については評価できます。

Mandelson to maroon file-sharing pirates - Channel 4 News(28/10/2009)
もう1つは、イギリスのテレビチャンネル・Channel 4の報道番組内で放送されたニュース記事。改めて続報を記事にする予定ですが、英ビジネス・イノベーション・技能省(BIS) のマンデルソン大臣が、インターネット遮断を最終手段とするパイラシー対策を法律化する動きに関するニュースで、FACメンバーでありRadioheadギタリストのEd O'Brien氏と、著作権盗難防止連盟(Federation Against Copyright Theft-FACT)のEddy Leviten氏が、スタジオ内で討論を交わしています(エドはFACイベントが行われたPRS前から中継にて参加)。FAC側も政府同様パイラシー対策が必要との姿勢なので、こういった時間の限られた中では、FACと政府の姿勢の違いを明確にするのは難しいなと、ビデオを見ていて改めて感じた次第。それにしても、「PRS For Music」(日本のJasrac的な印税徴収団体)のロゴが輝く背後でエドが中継で参戦するというのは、なんだか違和感が・・・。ともかく、興味のある人はビデオと併せて是非どうぞ。


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2009/09/13 02:53
FAC: 教育プログラム開始
Featured Artists - Survival in the 21st Century - FAC (accessed on 12/09/2009)

FACの活動3本柱のうちの1つ、教育活動が開始されるようです。ちなみに、例によってミュージシャン・オンリー・イベント(この「FACに参加できるミュージシャン」ってどんな定義なんだろう)。メディアも一般人も参加できません。

日時:9月24日(木) 18:30~
費用:会員は無料、非会員は£10
参加メンバー: Ed O’Brien (Radiohead), Nick Mason (Pink Floyd), Mark Kelly(Marillion), Master
場所:PRS, 29-33 Berners Street London W1T 3AB (ロンドンのど真ん中ですな・・・)

【主な議題】
- The range of income streams available to featured artists today - songwriting, performing live, recording, music in films, TV and video games, branding, sponsorship and income from collection societies
(今日における、ミュージシャンにとっての様々な収入源 - 作曲、パフォーマンス、ライブ、レコーディング、映画音楽、テレビやビデオゲーム、ブランディング、スポンサーシップ、印税)
- Discussion about direct-to-fan models such as those used by Radiohead, Marillion & Master Shortie
(RadioheadやMarillion、Master Shortie等が行っている、"direct-to-fan(ファンに直接関係を作る、的な?)"ビジネスモデルについて)
- The goals and ambitions of the FAC and how they relate to your careers
(FACの目標と野望、そしてそれらがあなたのキャリアとどう結びついているか)


・・・と、比較的キャリアが長かったり、大きい事務所についているミュージシャンにとっては特別新しいことではないけど、売り出し中のバンドには面白いかな、と。これ、マネージャーも一緒に参加した方が良いのではないかと思うんだけど、マネージャーも参加できないのかしら・・・?

興味はあっても、一般ピーポーには、彼らがどんな話をするのか知る手段無しっていうのが少し残念。まぁ、ある程度内容は予想出来ますが。このブログを読んでいる在英のバンドマンの皆さん、是非参加して私に感想を教えてください(苦笑)。

以上、情報まで。
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2009/09/11 20:37
FAC (+クリエイター): 英政府の方針転換に反対の姿勢(追記あり)
UK musicians and composers slam government’s anti-piracy consultation - Music Ally (4/9/2009)
YouTube and PRS make peace as musicians protest about plans to punish file sharers - the Guardian (3/9/2009)
Musicians hit out at piracy plans - BBC News (10/9/2009)
Musicians hit out at plans to cut off internet for file sharers - The Times
MusicTank Newsletter - Sep 09 - MusicTank (September 09)

前回、英政府が、一時的なインターネット回線遮断を含めた違法ファイルシェアリング対策の法律化を目指す話について投稿したのですが(URL)、その続編です。

英ビジネス・イノベーション・技能省(BIS) は、上記の件に関して「Consultation on Legislation to Address Illicit P2P File-Sharing」を公開。政府提案に対する関係団体からの意見を現在も募集中なのですが、上記の上2つの記事は、The Featured Artists Coalition, British Academy of Songwriters, Composers and Authors, and the Music Producers Guildという、音楽業界で働くクリエイター達の団体が発表した回答。次の2つの記事は、3団体の中でもFACのメンバーによるコメントにフォーカスを当てたもの。最後の1つは、この政府提案に対し、業界側の団体で唯一クリエイターサイドの見方に回ったthe Music Managers' ForumのJon Webster氏のインタビューです。

Music Allyの記事に回答全文が掲載されています。まず、レコード協会等のパイラシー対策に疑問を呈する人達の多くが取り上げる、この部分を引用します:

"The very fuzzy estimates for the annual benefits of such legislation (£200 million per year) make clear that such estimates are based firmly upon the premise that a P2P downloaded track equals a lost sale."
(このような法制度で得られるとされる年間利益(200万ポンド)はとても不明瞭な見積もりである。これが、「P2Pでダウンロードされた曲はセールスの損失とイコールである」という前提に確固として基づいているということをハッキリさせている。)


つまり、もしP2Pで曲を違法DL出来なかったとき、パイラシー達は同じ曲をお金を出して買うか?買わないかもしれないよね?ということです。

以降、回答文は、この法制度導入への批判を繰り広げます。個人的にも同意できる内容になっています。要約すると:

- ファイルシェアリングによる損失とシェアされなかった場合の利益とのギャップは正確に計られていないが、ファイルシェアラーは同時にCDをより購入する熱心な音楽ファンであるという調査結果は、いくつものリサーチで発表されている(注:対して、BPIのGeoff Taylor氏は「多くの関係者は、違法ファイルシェアリングが、新しい音楽への投資に深刻なダメージを与えていると認識している」と述べている)。
- 法律化によりかかるコストは、それにより得られる利益に見合わない。
- ファイルシェアリングは、多数のファンのサポート(活動)と一致するものである。


そして、クリエイターサイドが度々主張する、この文言が最後に登場します:

"What the consultation’s proposals singularly fail to do is differentiate between the downloading and sharing of music by music fans, on a non-commercial basis, and those who seek financial gain or commercial advantage from such activity."
(この協議提案の際だった失敗をあげれば、音楽ファンが非商業ベースで音楽をダウンロードしたりシェアすることと、そういった活動から金銭的利益や商業的利益を得ようとしている人達を区別することである。)


個人的に、この点については、特にMyspaceのことを考えると腑に落ちない。元々は「無料で使えるプロモーション・ツール」的なノリで、バンドサイドもこぞってMyspaceにバンドのアカウントを開いていたというのに、今は「彼らは我々の音楽で利益を得ている。それならばミュージシャンにも利益があって良いはずだ」という主張になっている。確かにMyspaceはミュージシャン無しで成り立たないビジネスだけど、ミュージシャンは曲を提供することの対価をしっかり受け取っていると思うから、その上で金銭を要求するのは、ミュージシャンにとって都合の良すぎる話かな、と。

余談ですが、BBCの記事で、音楽業界団体のまとめ役であるUK Music(同団体については、拙ブログのこちらを参照)は、政府の方針転換に賛成派。で、このUK Musicには、反対派であるBritish Academy of Songwriters, Composers and AuthorsとMMFが参加している、と。なんだか足並み揃ってないというか、適当というか・・・非常にこんがらがる話だな、と。

最後に。政府発表の「Consultation on Legislation to Address Illicit P2P File-Sharing」の要約文を読んだのですが、政府が法的手段に乗り出す動きをとるきっかけになったのが、the Gowers Review(拙ブログのこちらを参照)のRecommendation 39だというので、Gowers Reviewを読み直しました。そうしたら、ちゃんと5.96に、「インターネットプロバイダーに二次的に法的責任をとらせることにより、技術革新やパブリック・ドメインにおちた作品の入手の可能性を下げる。また、コミュニティ法と共存出来るか疑わしい」といった内容の文言があるんですよね。法律になれば、プロバイダーの責任にならないし・・・っていうのはあるのかな。でも、やっぱり、パイラシー対策のために、こういった形でプロバイダーが犠牲(?)になるのは違う気がするんですよね・・・うーん。

※追記(13/9/2009)
Filesharing crackdown divides UK music industry - the Guardian (12/9/2009)
業界の中でも意見が割れていますよー、という記事です。新人やスタジオミュージシャンなど、知名度も低ければ音楽で得られる収入も少なく、投資者を見つけることが困難な人達に対して、FACが提唱するようなビジネススタイルは当てはまるのかどうかという議論。これには、いろんな意見があって当然でしょう。
記事を読んで改めて思いましたが、FACの活動はとても面白いし興味もあるし、同意できる部分も多々あるけど、ミュージシャンが多数参加しているからといって、FACをヒーロー扱いするようなことがないよう常に気をつけたいものです。
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2009/07/10 17:20
FAC: The Internet Industry Awards 2009受賞
FAC Takes 'Internet Hero' Award - Featured Artists Coalition (10/7/2009)

短信。
FACがthe Internet Service Providers’ Association (インターネット・サービス・プロバイダー協会) 主催のThe Internet Industry Awards 2009のInternet Hero賞を受賞したそうです。受賞理由は「一般市民に、音楽業界はインターネットプロバイダーに責任を押しつけるのではなく、新しいオンライン・コンテンツ・ビジネスの道を探すべきだという認識を広めた」ため。ノミニーには、スリー・ストライク法を基本的人権の侵害とした欧州議会も含まれていますね。

FACチェアマンDave Rowntree(from Blur)の喜びのコメントを訳しておきます。

"what a surprise and honour! Winning this award is fantastic. I hope this shows that artists are willing to talk with ISPs about the challenges of adapting music industry business models to the digital age. We have to work together – the status quo is not good enough."
(驚きと光栄だね!この賞を頂けたのはとても素晴らしいことだよ。この受賞は、アーティストたちが、インターネット・サービス・プロバイダーとの会話をもつことに積極的であることを示しているんだ。デジタル時代に向けた音楽ビジネスモデルを取り入れるというチャレンジについてね。私たちは共に働かなければならない。現状維持だけでは十分ではないんだ。)


ブラーのライブを見ていると本当に存在感が薄い(すいません。でも同じことを新聞のレビューにも書かれていた可愛そうなデイブ)けど、このブログに登場するミュージシャンの中では、多分Radioheadの次に存在感があるのがデイブだと思ったり。これから、ブラーのこの夏最後のlive appearanceがあるフェスに行くのですが、なんだか、卒業式を見に行くような気分。ちょっとうるうる来ますね。

でも、もうバレバレだと思いますが、このフェスこそ、私がインターン生として環境対策に関わってきたフェスで、それ関連で会場で色々確認したいこともあるので(修論後に主催者に小レポートを提出する予定なのです)、感傷に浸ってるワケにはいられません。見たいバンドも多いから時間がないし、バタバタしそうです。

それでは、行ってきます!
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2009/06/18 01:41
FAC: 続Digital Britain
Digital Britain: Cooperation, Not Criminalisation - Featured Artists' Coalition: News

ということで、英ミュージシャンによる著作権に関する団体FACから、昨日発表されたDigital Britain(拙ブログのこちらを参照)に対する正式なコメントが発表されました。主な点は3つ:

(1) 「技術的な対策の導入は"serious, repeat infringer(何度も著作権侵害を繰り返す深刻な者)"のみを対象に行う予定で、その内容は今後検討」とする方針は、我々が求めているものでもある。"serious, repeat infringer"の定義は他の音楽団体と協力して定め、同時に政府とも協力して行きたい。
(2)デジタル・テストベッド(直訳だと"digital test beds"≒デジタル分野の試験台。多分技術革新のこと)の発表を歓迎する。我々は、プロバイダーと権利保持者が協力のみが、継続的革新のための手段であると信じている。
(3)英国知的財産庁発表の対策を支持する。特に、「クリエーターとクリエイティブ産業はバランスを保つ必要がある」という部分は興味深い。


とのことで、他の主要団体と違い、比較的好意的な姿勢をアピールしています。根本的にFACは、非営利であればファイルシェアリングは許されるものであり、そういった行為に参加しているファンを法で裁くべきでないという立場をとっています。そのため、著作権侵害対策にどちらかと言えば慎重とも言える今回のDigital Britainには、FACも共感出来る部分が他団体よりも多いのかもしれません。

以上、昨日のニュースの補足まで。
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プロフィール

anno69(@yano)

  • Author:anno69(@yano)
  • イギリスの音楽産業、特にデジタル・ミュージックと音楽産業における環境問題対策に関するブログ。スコットランド大学院留学記も。
    管理人は、スコットランドのグラスゴー大学大学院ポピュラー音楽学コースを修了し、帰国。音楽好きの普通の会社員をしています。お問い合わせは cielo0818_ls [at] hotmail.com までお気軽にどうぞ。
    A blog dedicated to topics of the UK music market in particular digital music, copyright and environmentalism in pop music.

    ●Twitter:http://twitter.com/anno69
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