イギリスの音楽産業について考えるブログ
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2009/01/31 20:23
これはミュージシャンのため?(後編)
Why artists should retain ownership of their recordings - The Guardian (29/01/2009)

昨日の続きです。昨日の記事はこちら

ガーディアンのこの記事は、2日後に控えたthe Featured Artists' Coalitionの第1回会議にあわせたコラムですが、著作権の仕組みについてざっくり分かりやすく説明してあるので、昨日の続きとして紹介します。タイトルの通り、「何故ミュージシャンは楽曲の所有権を得なければならないのか?」がテーマになっています。

音楽の著作権には主に2種類あります。1つめは音楽出版権(music publishing)、もう1つは原盤権(sound recordings)です。前者は作詞・作曲者が持つ権利で、この権利の管理は、主に委託された音楽出版社が行います。後者は録音された音源の権利で、所属するレコード会社が管理します。ミュージシャンが(主に)メジャーレーベルと契約する場合、この原盤権はレコード会社に委譲されるため、ミュージシャンは原盤権を所有していないことになります。つまり、ミュージシャンは音楽出版権による収入(印税)のみを得ることになり、原盤権の収入は全てレーベルにいくことになります。

記事によると、この管理方法の問題は、ミュージシャンがレーベルと契約終了した後に持ち上がるという。つまり、契約終了後、録音された音源がどうなるかは全てレコード会社にかかっているのです。この状態は、俗に「音楽が“固定された状態(lock-up)”」であると表現されるそうです。

この方法に対し、ブレイクが期待されているThe Boxer Rebellion(でも実はすごい古いバンド・・・サマソニも来てたはず)のマネージャーは、「それでも、新人バンドにはメジャーと契約する利点が大いにある」としています。これは、先日、プラシーボがメジャーを離れ、マネージメント&プロモーションを行っているPIASと契約(2つの著作権は両方バンドの管理下となっているらしい)したことを受けた発言です。つまり、新人がいきなりPIASみたいなところと契約するとビジネスとして成功するか難しい。メジャーの強力なネットワークを使った方が成功するのでは?というのがこのマネージャーの意見です。

そこでFACの登場。彼らが主張しているのは、著作権はミュージシャンが所有しつつ、レーベルが一定期間その管理を行うべきであるということ。アメリカでは、30年後に著作権がミュージシャンに戻ってくるそうですが、イギリスにはそれがない。そのため、著作権が延長されたとしても、ミュージシャンは音楽出版権から入るわずかな収入しか得られない。原盤はレーベルによって"lock-up"されているからです。それだけでなく、レーベルが音源のリリースに失敗した場合、ファンはその曲を違法DLする以外選択肢がなくなります。だからこそ、FACは「"use it or lose it" clause("使うか失うか"に関する条項)」を盛り込んだというのです。記事の最後は、「月曜日のミーティングには、プラシーボだって参加するかもしれないよ!」というコメントで締められています。

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メジャーレーベルとの契約については、なんだかとてもややこしいのです。仮にものすごい破格で契約したとしても、その契約金からプロモーションなどの経費が落ちるため、そのミュージシャンが商業的に失敗した時は、最終的には借金になってミュージシャンは返済に追われるとか。インディーは"50/50 deal"がまだ多いのかな・・・その辺はまだ弱いので勉強する必要がありますね。

バンドが自分達の権利をコントロールできるようになった場合、全てが良い方向に働くかといえば、そうではないと思います。そうなった場合、「僕らは音楽つくることだけに集中したいんだ!」なんて言ってられなくなります。でも、個人的には、ミュージシャンがより責任を持って活動をするという姿勢には賛同しますし、そうあるべきだと思います。

以上。著作権についてのまとめでした。大学院では、再来週から3週連続(!)で著作権のレクチャーを受けます。楽しみです。
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2009/01/31 05:28
これはミュージシャンのため?(前編)
ヨーロッパでは、著作権を95年に延長しようという動きがあり、これに様々な団体が反対しています。日本でも、確か延長しようとする団体に対して批評家などが反対するという活動があったように記憶しています。
去年の話になってしまうのですが、院の講師のブログ経由(URL)でこのビデオの存在を知りました。反対派のThe Open Rights Groupのものです。とても分かりやすいのですが、全部英語なので、ビデオの流れそのままに日本語訳してざっとまとめておきました。興味のある方は解説を読みつつビデオをご覧下さい。




How copyright extension in sound recordings actually works - THe Open Rights Group
(録音物の著作権延長の真実)

【ビデオの解説】
●背景(Background)
- 著作権とは、アーティストやクリエーターの創作活動を促すために、一定期間の独占的権利である。
- 著作権には、アーティストには作品の保護、一般市民には、著作権が切れた後、創作物によりアクセスしやすくなるという利点がある。
- 録音物の著作権延長に関する2つの研究は、延長により 1) 作品の価格上昇 2) 市場の競争阻止 3) 恩恵を受けるのは多くのバックカタログを所有するものである というマイナス点を強調。延長すべきでないと結論づけた。
- 欧州委員会は、この結論を無視し、著作権延長はパフォーマーのために必要であると主張。この主張は、英レコード協会の研究結果のみを参照したもので、その上、この研究内容は批判を受けていたものであった。

●誰が利益を得るの?(Who really benefits?)
- 著作権延長により新たに得られる利益のうち、90%はレコード会社へ、9%は対象アーティストの上位20%へ、1%がその他80%のアーティストへ、それぞれ配分される。
- これを金額に置き換えると、大半のアーティストが、延長された最初の10年で、最低で年間50セント(≒70円)の利益、よくても26.79ユーロしか得られない。
- セッションミュージシャンなどは、さらに取り分が減ることになる。
- つまり、生存中にミュージシャンが得られる利益はほんのわずかである。
- しかし、この延長により、レコード会社はミュージシャンの4倍の利益を得ることが出来る。メジャーレーベルは、最初の10年で1レーベルにつき163万ユーロ、45年の延長期間全体では758万ユーロの利益を得ることになる。
- 著作権延長により消費者が支払わなければならない"上乗せ金"は、イギリスのみで240~480万ポンドと推測される。

●The Open Rights Groupの提案
- 著作権契約の規制
- アーティストのための社会福祉や保険制度の整備
- 生存中のアーティストが得られる報酬の権利についての調査
- 集金団体やライセンス関税の規制

●その他
- 著作権延長は、著作者不明著作物(Orphan Works Problem)を増やす可能性がある。
- デジタルオーディオを含めた法改正・・・のところが聞き取れません。ごめんなさい。

●結論
- 多くの先進的研究団体が著作権延長に反対しており、著作権延長活動は、欧州議会を意図的に間違えた方向に誘導させていると言わざるを得ない。


Open Rights Group、欧州委員会の著作隣接権保護期間延長提案に反論 - P2Pとかその辺のお話@はてな (12/9/2008)
ビデオの内容と同じことが、上記の記事に詳しく載っているので参照ください。

昨日紹介したガーディアンの記事の件は、また明日。
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2009/01/30 07:00
FAC: 第1回ミーティングは2月2日
FAC artist launch - Music Week (28/01/2009)
FAC TO MEET NEXT WEEK - CMU Daily (28/01/2009)

このブログでも度々取り上げているFeatured Artists' Coalitionですが、最初のミーティングが来週月曜日に決まったようです。このミーティングには、おそらく実行委員の5名(Dave Rowntree, Ed O’Brien, Jazzie B, Kate Nash, Master Shortie)は参加するかと思いますが、さらにPink Floyd, Coldplay, The Feelingのメンバーも参加予定のようです。記事のよれば、FACは、この先数ヶ月以内に、目標達成のためのアイディアをふくらませたい意向とのこと。FACの活動を全面サポートしているMusic Managers ForumのWebster氏もおっしゃっていますが、FACの活動によって、仮に法律や何かが変わるようなことがあれば、イギリスで活動する全てのミュージシャンが影響を受けることになります。そして、自動的に、音楽業界に関わる全ての人が影響を受けることにもなります。ポピュラー音楽学の視点で考えると、FACの活動は、「音楽業界は、レコード会社が動かすのではなく、ミュージシャンが動かすべき」とする“通念”を“事実”するためのイデオロギー的な挑戦と捉えることが出来、注目に値するのではないかと思います。

CMUに書いてあって「そういえば・・・!」と思ったのですが、イギリスにはMusician's Union(ミュージシャン同盟)というのがあって、このボディで関連団体と交渉することも可能だったはずです。それを、あえてFACという新しい団体を設立した背景は、色々あるかと思いますが、私が思いつく限りでは、ライブ演奏をしないミュージシャン(DJなど)はMUに加入できない(先生がよくおっしゃっていることなのですが、ソースが見つからない・・・)、ミュージシャン主体であることを強調する等でしょうか。Webster氏曰く「今まで、声を上げてこなかったし、関係団体と話そうともしてこなかった」ミュージシャン達が、“自ら動く”というところに、この団体の意義があるのだと思います。

最後に、ガーディアンの以下の記事も貼っておきます。FACの来週のミーティングに合わせて書かれたコラムですが、内容はアーティストのレコードに関わる権利の話になっています。この件については、ずっと放置したままのネタが1つあるので、それと合わせて明日にでも記事紹介をするつもりです。

Why artists should retain ownership of their recordings - The Guardian (29/01/2009)

ともかく、来週月曜のミーティング、そしてFACの今後の活動に期待します。
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2009/01/29 21:33
UKとScottishの違い(Climate Change Bill)
一昨日の話になりますが、大学のPeople&Planetのメンバーと一緒に、地球温暖化キャンペーングループ「Stop Climate Chaos Coalition」のワークショップに参加しました。ワークショップのテーマは、「いかにしてMPs(地方議員)にアピールするか」というものだったのですが、この点についての話は特に役立つこともなかったので省略します。ただ、面白いなと思ったのは、スコットランド政府が成立に向けて動いているClimate Change Billの話。

おさらいすると、スコットランド政府は、イングランド(≒イギリス政府。便宜上イングランドとします)とは別のClimate Change Billの成立に向けて動いています。イングランドでは昨年11月に法案成立しましたが、スコットランドでは、昨年12月に法案が提出され、今年秋に成立予定となっています。つまり、スコットランドではまだまだ必死のロビー活動が続いているのです。

スコットランドは、the United Kingdomの一員ですが、スコットランド独自の政府を持ち、医療や教育の分野などではイングランドと別のシステムが採用されています。一昨日のワークショップで、「スコットランドのような小国が、世界基準のClimate Change Billを成立させることができれば、他の小国の活動を促す絶好のアピールになる」という話が出たのも、この点に由来します。

このブログでも、何度かScottish Climate Change Billの重要性や、イングランドのClimate Change Bill(=UK Climate Change Bill)よりも質が高いと言われている点について書いたことがあるのですが、実際どこがどう違うのか、ハッキリと認識できていませんでした。そこで、UK Climate Change Billに関するイギリス政府発行の資料(URL)とFoE発行のメディア資料(URL)と、Scottish Climate Change Billの政府資料(URL)をパパパッと読み比べてみました。すると、なぜ「Scottish Climate Change Billの方が"野心的"」と言われるのかが少し見えてきました。

まず、イングランドで散々議論された国際輸送を削減対象とするかしないかについて、スコットランドのものは、法案提出の段階ですでに対象の1つと見なされています。
また、目標値の設定の仕方にも違いが。両者とも、2050年の排出削減量目標値は1990年レベルと比較して「at least 80%(最低80%)」の削減となっています。これは、法律施行後定期的に行われる見直しの段階で、必要があればこの目標値をあげることができることを意味しています。もちろん、下げることは出来ません。"at least"という言葉が重要で、この言葉を入れるためにNGOsはかなり奮闘したようです。ただし、短期目標で見ていくと、スコットランドのClimate Change Bilには、既に「最低年間3%で、毎年見直し」という内容が盛り込まれていますが、イングランドでは、現在のところハッキリとした年間目標数値がなく(設定予定にはなっている模様)、削減目標は5年単位で設定されています(解釈が間違えていなければ・・・)。
ちなみに、イングランドは元々60%と設定されていたのがNGOsの努力で80%に引き上げられたのに対し、スコットランドは元から80%。この点も、メディア等の評価に影響を与えているようです。
以上の点が、Scottish Climate Change Billを"野心的"とさせていると言えるのではないかと思います。

Scottish Climate Change Billの問題点は、中期目標値が現在のところ設定されていない点にあるそうです(UK Climate Change Billでは、2020年までに「最低26%削減」となっています)。この中期目標が決まらないとどうなるかというと、例えば、年間3%という目標に対して2.8%しか達成できなかったとします。そうすると、この年0.2%が毎年積み上がっていきます。しかし、「2050年までに80%」という目標は下げられないので、年が進むにつれて、達成できなかった分を取り戻すため、年間目標を3.5%、4%・・・と上げていかざるを得なくなります。これでは、すべて後回しにしている現在の状況と全く変わりません。一昨日のワークショップでも、「これを防ぐためにも、2020年の目標を定める必要がある」という点はかなり強調されていました。

と、いうことでした。
イングランドとスコットランドのClimate Change Billの違いはちゃんと調べなきゃと思って放置していたので、良いきっかけになりました。
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2009/01/28 10:06
Big in Japan?
新学期が始まったばかりだというのに、昨日はいきなりプレゼンでした。本当はやりたいテーマが色々あったのですが、結局妥協してまた日本の音楽シーンについて話すことに。ここは日本の音楽シーンに貢献するつもりで気合いを入れ直して取り組みました。

プレゼンの内容は、海外(特にUK)ミュージシャンが日本人独占状態の日本の音楽マーケットに入っていく難しさについて、統計データや新聞記事などのレポを用いて見ていくというもの。資料の少なさに途方に暮れましたが、先日紹介した、Late of the Pireの来日公演を扱ったガーディアンの記事(URL)のおかげでかなり命拾いしました。

最初に豆知識。日本はレコードセールスで世界第2位という巨大音楽マーケットを抱えています。しかし、2007年のセールスにおける洋楽の割合は23%。ヨーロッパでは、国にもよりますが、国外ミュージシャンのセールスに全体のセールスに占める割合が、記憶を辿ると確か4割くらいなので、日本の邦楽人気はかなり高いと言えます。ライブ本数に関しても、外タレが600弱で変動がないのに対し、邦楽は1万本を超え、成長を続けています。

邦楽ミュージシャンの独占だけではありません。業界編成でも、Live NationやClear Channel、Ticketmasterといった英米やヨーロッパ各国のライブミュージックマーケットで力を発揮している企業が、日本にはほとんど進出していません(Clear Channelは日本にもあるけど、今のところ広告業のみ)。つまり、マイナーチェンジはあると思いますが、基本、日本独自のライブミュージック業界の仕組みがそのまま残っていると言えます。その日本のライブミュージック・シーンが、海外とはかなり異なることは、皆さんもご存じのところも多いと思います(そして私を含め、知らないこともたくさんあるはず)。

今回私が注目したのは、以前も取り上げたことのあるYano氏の森進一と彼の後援会に関する論文。この論文では、ファンがそのミュージシャンに「親密感(intimacy)」を抱くことで、ファンはよりミュージシャンに惹きつけられるとしています。だから、後援会はファンの集いや親睦旅行を企画するのだ、と。そう考えると、言葉の壁や来日回数の少ない海外ミュージシャンにとって、Meet&Greetやサイン会、握手会等のプロモーションは、日本でのファンベースを広げる(そして利益を得る)ためには必須と言えるのかもしれません(「M&Gが必須」という話をしたらクラスメイトからかなり驚かれたのですが、海外でも結構ありますよね?)。この点を踏まえると、本当は外タレも色んな都市でライブをした方がいい、という理論になりますが、実際は東名阪がほとんど。個人的にここ数年、「地方公演は高リスク。それならば東京公演を増やした方が動員も見込めるし安全」といった雰囲気のツアーが増えているように感じます。即日ソールドアウトになるような小さいハコを取っておいて、後からさらに小さいハコで追加をやれば、レア度も上がってチケットも完売しやすいだろうし、そうゆうことが出来るのは東京だけだし。・・・この辺のことは全然知らないので、あくまでも推測ですが。

プレゼンの中ではいろいろな"違い"を上げたのですが、個人的には、音楽文化の違いもそうだけど、それを含めた"文化の差違"が意外と大きいように感じました。先述のLOTPの記事を読んで以来、この点が少しひっかかっています。異文化コミュニケーションの基本に則って考えると、日本に来る前に、アーティストに「日本人気質はこうだから、取材に来る人達はこんな感じ・・・」とか「スケジュールはびっちり決まってる(イギリスではびっちり決まってないようです)」とか事前に話しておけば、少しは文化の違いによるストレスも軽減されるように思われるのだけど、そううまくいくとは思えない。ミュージシャンがこの"違い"を楽しんでくれれば良いけど、例えば通訳がつくだけでもストレスかもしれないし、この辺もやはり推測でしか話が出来ません。

プレゼンの内容から遥か遠くに話が逸れましたが、今回のプレゼンは、課題としては最悪だったけど、あれこれ思いを巡らせるには1番好きなテーマでした。これで、前後期通じてプレゼン課題は全て終了。後は読んで、調べて、書くのみ!
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2009/01/26 09:11
今週の英音楽ニュース(25/01/2009)
今日は時間もあまりないから手短に・・・と思ったら長くなってしまいました。

ILLEGAL DOWNLOADS DON'T EQUATE TO LOST SALES, SAYS US JUDGE - CMU Daily (22/1/2009)
違法DLに関する面白いニュースがアメリカから到着です。2004~5年にかけて、アメリカで「Elite Torrents message board」というP2P関連サイトを運営していたDaniel Dove氏。彼は、米レコード協会と映画制作会社Lionsgate Entertainmentから著作権侵害で訴えられ、既に18ヶ月の禁固刑と$20,000の罰金を受けていたそうです。さらに同2団体は、Dove氏に対して損害賠償も求めていました。しかし、この訴えに対し、米裁判官のJudge James P Jones氏が「違法DLされた分が、必ずしも利益損失分とイコールになるわけではない」というコメントを発表しました。つまり、違法DLした人が、DL分全てをお金を出して買うか?買わないよね?ということです。この理論はとってもまともだと思います。それを(おそらく意図的に)無視して、「違法DLされた分=損失分」とイコールで計算していたレコード協会は、自分達の行動を恥じるべきだと思います(強く言いすぎか・・・)。以前この点を扱った記事を投稿していますので(URL)、興味のある方は参照ください。

GROOVE ARMADAが新作のシェアを開始 - iloud (22/1/2009)
Groove Armada reveals sharing plans for Bacardi digital EP - Music Ally (21/1/2009)
せっかく日本語のソースを見つけたというのに、説明がちょっと甘いので、英語ソースも付け足しておきました。Music Allyもお気に入りという、愉快なプロモーション戦略に関する記事です。
Groove Armadaが3月にデジタル・リリース予定のEPを、一足先にBacardi B Liveというウェブサイトで無料配信を始めました。ただし、ボタンをぽちっと押して3曲DLできる訳ではなく、俗にいうネズミ講方式になっています。説明します。メールアドレス等を登録すれば、最初の1曲は誰でも無料でDLできます。しかし、2曲目をDLできるのは、この1曲目をメールかFacebookを介して友達20人とシェアした人のみ。3曲目をDLするには、さらに200人とシェアする必要があります。ちなみに、この"200人"というのは、「友達の友達(の友達の友達の・・・)」まで含むそうです。キャンペーンは40日間のみ。ちなみに、Music Allyは23日現在80人とシェアしており、UKランク第2位、世界ランク第3位とのこと(証拠画像付きの記事はこちら)。「僕ら、結構良い感じにシェア出来てるよ」なんて記事を投稿してしまうMusic Allyが好きです。
で、肝心のこのプロモーションに関してですが、面白いと思うけど、日本ではほとんど話題になっていないのではないかと・・・。UKでもそんなに話題になっているようには思えません。Groove Armadaレベルのバンドでは、ちょっと変わったことをやってもあまり取り上げてもらえないのか、それとも、単にあまり興味を引かないプロモーションだからなのか・・・。私個人の意見を言わせていただくと、正直あまり興味がありません・・・。

Warner Delete Fan Videos - muselive.com (22/1/2009)
ワーナーとyoutubeの関係は少し気になっていたのですが、ついにきた、といった感じです。
昨年末、ワーナーはyoutubeとのビジネスを終了すると発表。youtube内のワーナーチャンネルも閉鎖することになった(まだ残っているのかな・・・?)のですが、そのワーナーが、予告通り、ファンの作成したビデオを著作権侵害として削除し始めたようです。紹介したmuselive.comは、Museファンサイトの最大手なのですが、Muse以外にも、ワーナーに所属しているミュージシャンの様々なビデオ、それも、PVやテレビ番組を編集なしでアップする、いわゆる「丸上げ」映像だけでなく、ファンが編集したものやBGMとして該当ミュージシャンの曲を使ったりしたものも削除の対象となっている模様。
ただし、ワーナーのこういった削除の流れは、youtubeを持っているGoogleからの要望を受けてのもののようです。GoogleがMidem2009で語ったところによると、他のメジャー3社にも同様の要請をしているようなので(こちらの記事を参照)、最悪の場合、youtubeの様々な二次創作物が削除の嵐になるかもしれません。となると、youtube離れも進むかもしれません。Museのオフィシャルサイトの掲示板でも、「youtubeがダメならこっち!画質も良いよ!」と、早速veohというサイトが紹介してありました。これが感動するほど画質良い(数は少ないけど)のですが、こうゆう事態になると、私もveohみたいなサイトを探して、youtubeから乗り移ろうかと思ってしまいます。この件に関しては今後に注目です。
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2009/01/24 06:16
FAC: アーティストとともに始動
Blur drummer leads stars' 'union' - BBC News (20/1/2009)
FAC News Letter1 - FAC News Letter(発行日はおそらく1月20日?)

アーティストと関係企業との公平な利権関係を求める団体「The Featured Artists' Coalition (FAC)」についてはこのブログでも何度か取り上げています(10/5, 10/7, 10/20)が、ついに本格的に動き出したようです。
ニュースレターによれば、FACには現在700名以上のアーティストが参加しているそうですが、彼らを代表する運営委員として、アーティスト5名(Dave Rowntree(Blur), Ed O'Brien(Radiohead), Jazzie B(Soul ll Soul), Kate Nash, Master Shortie)が委員会に参加。これも以前お伝えした通り、Rowntree氏をはじめとした運営委員は、昨年10月に文化庁のAndy Burnham氏と面会済み。来月には、ロンドンにて初めての公式会議を開催予定とのことです。

FACのスポークスマンBrian Message氏によれば、「アーティストも、ビジネスや時代の変化のルールのために、そして自分達のキャリアのために責任を持って、ステップアップするためには、自分達の活動にどんなことが関わってくるのかを知る必要があるんだ」とのこと。昨日のLOTPの記事で「僕らは音楽だけ書いてりゃいいんだ!」という彼らのコメントを取り上げましたが、Message氏のこの発言には、「『曲だけ書いてれば~』という姿勢から一歩進んで欲しい」という思いがあるのではないかと感じました。同じくFACに参加しているJazz Summer氏が、以前「どの音楽業界の会議に行っても、アーティストの代表が参加してないんだ」と訴えていましたが、その思いが、「アーティスト主導のFAC」という流れに導いたのではないかと思います。正直、アーティスト自身がコミッティメンバーとして参加していることには驚きました。特に、“未来の政治家”ことブラーのDaveの参加については全く知りませんでした。本当に、してやられた気分です。でも、これは個人的な推測ですが、“社会派”ではなく、本当に政治活動をしていて、しかもミュージシャンとしても成功をおさめているDaveがFACに参加しているという事実は、他のミュージシャン実行委員にとってはかなり心強いのではないでしょうか。ともかく、FACの動向からますます目が離せなさそうです。

ちなみに、2つ目のニュースレターのリンクは、検索したらたまたまひっかかりました。私はアーティストでもマネージャーでもないのでFACには参加できないし、つまり当然このニュースレターももらっていないのですが、運が良いですね。URLいじれば次のニュースレターも読めそうです。
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2009/01/23 04:16
来日したアーティストは・・・(LOTP編)
Turning Japanese: The dark side of touring - The Guardian (21/1/2009)
海外アーティストが日本でライブ活動を行うことがいかに難しいかを語った記事です。この記事によれば、日本でライブを行うためには、さまざまな壁を乗り越えなければならないとのこと。特にインディーズのバンドには高い壁である、と。例えば次の通り:

- 日本でのツアーは出費がかさむ(ノルマが高い)
- ブッキング・マネージャーと日本語でやり取りできないとブッキングしてもらえない可能性が圧倒的に高い。
- ライブの雰囲気の違い(曲と曲の間の静けさ等)
- 1日の流れを事前に打ち合わせて、それ通りに進めたいとする日本サイドの意向が、バンドサイドの意向と合わない(バンドにもっとクリエイティブでいられる自由を与えるべき、という考えがあるようです)


でも、いくらメジャーレーベルと契約したバンドでも、そう簡単に日本でのツアーを楽しめるわけではないとのこと。例えば、記事にあるLate of the pierの来日体験。出待ちするファンの対応に追われ、携帯番号をネットでリークされ(これはもうかわいそうとしか言いようがない・・・)、おいしくもない自動販売機のジュースを飲む。東の端までわざわざやってきたのに、日本の風景を堪能する時間もなく、バックステージから次のバックステージへ。渋谷のレストランでは、不機嫌極まりなく、言葉も少なく、そしてため息。目の前に出されたお刺身も手をつけず「なんでこんなことやってるんだ・・・」とぽつり。「曲を書くのがミュージシャンだと思うんだ。でも、今僕らがやってることはエンターテイメント。4年前に作った曲を演奏して、レコード会社を喜ばせるだけさ。こんなことにはもう飽き飽きだよ」(このコメント自体は日本とはあまり関係ないけど)。うーん。ただでさえツアーは疲れるでしょうが、それが慣れない日本でのことだったら、なおさらかもしれません。

でも、記事の最後はこんな感じ。日本で素敵な思い出ができたようで安心しました。

"A girl came up to me after the show and told me she was unhappy with her life and was going to commit suicide, but that listening to our band filled her with a new confidence to live. It's the strangest thing that's ever happened to me, and also the most moving."
(ライブの後、ある女の子がやってきた。彼女は自分の人生は面白くないと思っていて、自殺するつもりだったらしい。でも、僕たちの曲を聞いて、新たに生きる自信みたいなもので気持ちがいっぱいになったと、僕に教えてくれた。僕にとって、こんな話を聞かされることは今までの人生で1番おかしなことだった。でも、同時にもっとも心を動かされた出来事でもあったんだ。)


来週のプレゼン用で、イギリスのミュージシャンを日本でプロモーションする難しさみたいなものをやろうと思っているのですが(文献が全然ないけど・・・)、物理的なもの(お金等)だけでなく、こういったアーティストへの気遣いというか、いかにアーティストに日本でのライブを楽しんでもらうかというのもかなり重要なのではないかと、この記事を読んで改めて感じました。「心のケア」という表現だと言いすぎだけど、"日本の音楽マーケット"という、巨大で、しかしながら邦楽が圧倒的なシェアを占めている世界で成功を収めるには、いろんな側面からプロモーション活動を見ていく必要があるということでしょう。よく考えたら、日本で成功しているUKバンドって、日本に対して友好的なバンドが多い気がする・・・。

私はLOTPのファンではないのですが、「日本にまた戻って来たい!」と思ってくれてると良いですね。そして同じように思ってくれるイギリスのバンドが少しでも増えると良いなと思います。
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2009/01/21 08:32
Midem2009 続報
Midem2009の続報いきます。

MIDEM Gets Message On Radiohead Experiment - Billboard.biz (19/1/2009)
THE MESSAGE IS - NEW BUSINESS MODELS APPLY TO NEW BANDS TOO - CMU Daily (20/1/2009)
以前このブログでも紹介したとおり(URL)、Midemの一環であるイギリス音楽マネージメントフォーラムで、Cortyard ManagementのBrian Message氏がスピーチを行いました。Radioheadが自身のウェブサイトで独占的に発売した「In Rainbows」の平均ダウンロード価格など、新しい統計値の発表が期待されていましたが、結局新しいデータの発表はなく、テーマ通り、ファンとバンドの信頼関係がビジネスに与える影響についての話が中心だったようです。
Message氏は、画期的と称されている「pay-what-you-want」ビジネスモデルは"artist empowerment(アーティストへの権利付与)"の一例と捉えているそうで、「バンドは自分達で何かコントロールしたり、もっとファンと直接繋がりたいと思っていたんだ」とのこと。マネージャーのエッジ氏も以前、「"pay-what-you-want"はプロモーションの一環」と完全に断言していましたが(URL;この記事がとにかく面白いのでオススメ)、この販売方法は、「In Rainbows」のプロモーションになっただけでなく、続くツアーにも大きな影響を与えたようです。事実、Message氏曰く、昨年のワールド・ツアーでは動員も格段に増え、ライブ活動は、今やRadioheadの重要な収入源になっているとのこと。たとえ無料で音楽をプレゼントしようとも、そのプロモーションがきちんと利益となって還元されているという点で、今回のRadioheadの試みは、音楽ビジネスの成功例と言えそうです。

これに関連して、「このビジネスモデルはビッグ・ネームだから成り立つこと」という批判もある中で、Message氏は「これは新人にも使えるビジネスモデル」と主張。曰く、「何の投資もないところから、大きな投資を生み出す。リスクという点ではヒーヒー言うことになるけどね」とのこと。また、Cortyard Managementは、同社自身の出資やベンチャー企業からの資本を、新人ミュージシャンの活動資金にしているそう。CMUによれば、このビジネス方法は、それら企業と収入を分け合う代わりに、原盤権や著作権等の権利を手放すことなくビジネス出来る方法であるとのこと。Message氏も「悲劇的な経済の中、音楽ビジネス参入の機会を待っているベンチャー企業はたくさんいる」とコメントしています。そんなくだりを読んでいて、昨日のレクチャーでChemikalのスチュワート(←会うのは2度目だったけど、いつでも優しいお兄さん)が話してくれたことをふと思い出したのですが、旧式のビジネスモデルは、アーティストの大小問わず、ついに通用しない部分の方が多くなってきたのではないかと感じます。スチュワートは「雑誌に広告打ったりプロモーションにお金を費やしたり、そうゆうメジャーがやるようなことはもはや利益に繋がらない」と断言し、Message氏は「アーティストに対しては、レコーディングやビデオの制作費は安く抑えて、自身の想像力を信じるよう背中を押してあげるべき」と主張する。そしてMessage氏のこのコメントが、今回のキーだったと思います:

"Radiohead, for want of a better word, is a trusted brand," said Message. "Once you drive that trust, you have a big opportunity."
(「他に良い言葉が見つからないのだけど、Radioheadは信頼されたブランドなんだ。」そうMessage氏は言った。「ひとたびこの信頼を動かすことができたなら、それは大きな契機だ。」)


こんな話を読んでいると、マネージャーにはクリエイティブなビジネスマン的側面が必要なのだということを切々と感じます。ビジネスも立派な創造ですね。

EAVIS GETS GREEN AWARD AT MIDEM - CMU Daily (20/1/2009)
こちらも以前紹介した通り(URL)、グラストンバリーのオーガナイザーMichael Eavis氏がこのMidemにてGreen World Awardを受賞しました。以前紹介した際、「堆肥化するペグなんて、観客のゴミに対する責任放棄を助長するだけ」みたいなことを書いたのですが、後で調べたら、観客が地面に食い込んだままで放置していくペグのせいで、家畜が怪我をしたりするなどの被害が増えたそうで、それを防ぐ対策作だったようです。責任放棄の助長になっている点は変わらないけど、この対策しかなかったんだろうなぁと、ちょっと反省。
さて、気になったのはエコな話ではなく、このくだり:

[...] Eavis refused to reveal who the headliners for this year's festival are, explaining that doing so might affect the band's ticket sales for their other gigs, saying "They get proper money from their commercial concerts and festivals, they play for us for very little money, so it's only fair that they should earn their money first. So I can't spoil their ticket sales by announcing it".
(Eavis氏は今年のヘッドライナーを明言することを避けた。同氏の説明によれば、ヘッドライナーの発表により、そのバンドの他のライブチケットの売り上げに影響するためだとしている。「彼らはコンサートやフェスから適切な収入を得ているんだ。でも、我々のフェスには本当にわずかなギャラでも出演してくれている。まず先に、彼らが普段の活動で収入を得るべきなんだ。だから、僕はヘッドライナーの発表で、彼らのチケットの売り上げを下げるようなことは出来ない。」)


私も、散々「フェス・マスター」と揶揄された身なのであまり言えることはないのですが、イギリスでも、大きなライブ、殊更フェスの人気は過熱する一方、小規模のライブには足を運ばない客が増えているそうです。今年は不況やコンサート代が高騰していることもあって、その傾向も若干落ち着くのでは?なんて話が授業でもちらっとあったのですが、果たしてどうなるか。

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長くなってしまったので、今日は以前紹介した2つの記事の続報のみ。他の気になるトピについてはまた後日。
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2009/01/21 08:31
日本人の立場
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The Guardianより。オバマ米大統領就任式。

インターン先から帰宅して、真っ先にThe Guardianのwebpageを開いて、飛び込んできたのがこの写真。100万人を超える群衆。真ん中の塔の位置まで人、人、人!

アメリカ以外の多くの国の人々(私を含め)が、8年間も続いたブッシュ政権の一刻も早い終焉を願い、オバマ新政権の誕生を今か今かと心待ちにしていたと思いますが、アフリカ系アメリカ人をはじめとした黒人の方の想いの深さには到底及ばないものなのだと実感しています。

何でこんなことを書こうと思ったのかというと、私のフラットメイトの1人がアフリカ人だからです(※うちのフラットに住むのは、ジンバブエ人とアイリッシュの黒人&白人カップル、そして私(日本人)の3人)。ジンバブエ人の彼は、元々、政治や経済への関心・興味が高いのですが、殊更、この米大統領選に関しての興味は高く、選挙期間中も盛んにブッシュ批判とオバマ支持を繰り返し唱えていました。次期大統領決定選挙の際も、開票速報をずーっとTVで見ていたし、今日も、イギリス時間で2時から始まった就任式の生中継を見るために、午後休をとる程の熱心ぶり。彼は高校から今までずっとスコットランドに住んでいるし、仲の良い友達はほぼ全員白人だし、そうゆう意味では、アフリカ系アメリカ人とも、アフリカ在住のアフリカ人ともまた少し違うでしょう。でも、そんな彼でも、この盛り上がりなのです。さっき、彼女の方と少し話したのですが、曰く「例え彼はアフリカ系アメリカ人とは違うとしても、白人に長年国を占領されてきたという思いがあるだろうし、そう考えれば、オバマ氏の大統領就任には特別な思いがあると思う」とのこと。そんな彼の姿を見ていると、彼にとって、オバマ氏が大統領になるということは、“ブッシュの悪政の終焉と希望に満ちた新政権の誕生”以上の様々な意味があるのだということを実感せざるを得ないのです。

・・・と、そんなことを考えていると必ず思い出すのが、西洋の世界におけるアジア人の不在。日本にいた時から考えていたことではあるのだけど、イギリスに来てからとても気になるようになりました。イギリスは多民族国家の1つですが、政治家になる移民系イギリス人は少数ない上に、アジア系は確かゼロかイチだったような記憶があります。英米ポピュラー音楽業界を考えても、“ミュージシャン”という世界にアジア人に入る隙はなし(そう考えると、タカさん(Feeder)とかThe Go! Teamの2人(しかも女性)とか、本当にすごいと思う)。ここはイギリスなので、わざわざアジア人が活躍する必要はないのかもしれませんが、イギリス全土で生活するアジア系イギリス人(特にインド系)を無視するわけにはいかないはずです(特に政治)。でも、インド系はともかく、極東アジア系や中東系移民は、黒人とは違って新しい移民なので、余計に話題になることがないというか・・・。アジア系も棲み分けが進んでいるから、白人の人達も「中国人はよく見かけるけど、中華レストラン以外はよく知らない」といった感じなのだろうと思いますが、そんな状況は少し悲しい。

そして私は、移民ではなく、期間限定でイギリスに住んでいるただの日本人留学生。経済的にも思想的にも他の極東アジア人とは少し違うし、日本系イギリス人がたくさんいるわけでもないので、100%日本人としてイギリスに住む人の立場ってなんなんだろうなぁと考えてしまいます。まぁ、中国人に間違えられて中国人扱いされておしまい、といったところでしょうか。それもなんだか悲しいですね。
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2009/01/19 03:21
今週の英音楽ニュース(18/1/2009)
今週はこのニュースしかないでしょう。

IFPI claims 95% of music downloads are still illegal - Music Ally (16/1/2009)

国際レコード協会発表の「IFPI Digital Music Report 2009」(有料のため私は持っていません)によれば、2008年、合法な手段でDLされた音楽ファイルは全体のわずか5%、14億曲で、残り95%、400億曲以上は違法DLだったそうです。この数値は、世界16カ国から集められた統計が元になっているそうですが、特に違法DL率の高いフランスとスペインは別になっているそう。また、デジタルDLによる売上は年25%のペースで増えており、2008年度の総売上は37億ドル(Music Allyでは、この伸び率は貧相であると評してます)。デジタル配信の売上が全体の売上に占めるシェア率は2007年から5%上昇して20%となった模様。

日本ですが、デジタルDLの90%を占める携帯からのDLが前年比26%増の1億4000万。日本のデジタル配信は、音楽マーケットの19%を占めているそうです。一方イギリスは、シングルが1億1000万曲で42%の伸び。対してアルバムは1030万ユニットで65%の伸び。デジタル配信のマーケットシェアは16%とのことです。ちなみに、スペインは99.9%が違法DLという結果になっているそうです。これが本当だったらすごい・・・。

その他、主な数値はMusic Allyのこちらの記事にまとまっているので参照ください。

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今日から始まったMidemNet、昨日の分は全く手をつけていないのですが、今日の分はちらっと読みました。プロバイダーとデジタル音源をどうするかという話が白熱していたようですね。個人的に気になったのはこのセッション:

MidemNet 2009 Liveblog: Serving artists, serving fans - Music Ally (18/1/2009)
ミュージシャンとファンとの関係に関するセッション。「"アーティストとファン"は最も大切な関係であるということが大前提である」というアイディアの確認と、Kanye Westのマネージャーが、Kanye本人によるブログがいかに様々な利益を生み出しているかという話が中心だったようです。とても長いのですが、興味のある方はどうぞ。
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2009/01/18 02:24
MidemNet 2009
ついに明日から、音楽業界最大級のコンフェレンスMidemNet, Midem 2009がフランスのカンヌで始まります。

このブログでも2つほど関連記事を紹介していますが(こちらこちら)、どうも2つだけでは到底済まない、内容盛りだくさんのコンフェレンスのようです。Music Allyのブログが生レポートをしているのですが、コンフェレンス自体は明日からだと言うのに、すでに10を超える投稿が!いろんなニュースが飛び込んできそうな予感がします。ちなみに、コンフェレンスのプログラムはこちらからDLできます。
個人的に気になるのは以下(見にくくてすいません)。

1月19日(月)
11.30-12.30 MANAGER
Artists, managers & digital - So, where is the money?
12.30-13.00 MANAGER
Conversation with Brian Message, Co-manager of Faithless, Kate Nash &
Radiohead, Featured Artist Coalition
16.15-17.15
Green Masterclass: How green can grow your business
- Best case studies -In association with Julie’s Bicycle-
17.30-18.15
Green World Award (Speaker: Michael Eavis)

1月20(火)
14.30-15.30 PUBLISHING
IAEL Publishing Workshop - Digital exploitation:
The impact of recent legal developments in music publishing
-In association with IAEL, the International Association of Entertainment Lawyers-
14.30-16.30 PUBLISHING
Matchmaking – Publishers meet digital & mobile services

ちなみに、日本のソニー・ミュージック・パブリッシングの宇都宮氏(漢字あってるのかな・・・)も講演を行うようです(URL)。それから、Groove Armadaのメンバーも参加するこんなセッションもあります。さらに、月曜には「Japan night」と称されたショーケースが予定されているそうなのですが、誰が出るのかさっぱり分かりません。このショーケース・シリーズは5つしかないのですが、そのうち3つがアジア勢(日本、台湾、韓国)。アジア勢は所詮そのレベルとでも言われてるかのような気分です。そして残り2つは北アイルランドとDeluxeTVプレゼンツの'Che'の放送。北アイルランドもなんだか扱いがかわいそう。あんなに小さい北アイルランドには、AshやSnow Patrol、The Undertones、Van Morrisonなどを輩出した豊かな音楽シーンがあるというのに。

Music Allyの膨大な情報量にすでに参っていますが、追いかけられるところだけは追いかけようと思います。どんな情報が入ってくるのか楽しみです。
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2009/01/16 05:52
Is new runway a solution?
Heathrow third runway gets go-ahead - The Guardian (15/1/2009)
Government gives green light to third runway - Greenpeace Tracy's Blog (15/1/2009)

イギリスの主要メディアがトップ、もしくはそれに準ずる扱いで報道しているこのニュース。
本日付で、ヒースローに第3の滑走路と第6のターミナルを建設する計画に対して、政府から許可が下りたそうです。2020年のオープンを目指してこれから動いていくことになります。

計画には3つの条件が付随しています。

• The third runway will operate at half its capacity when it opens in 2020, raising the total number of flights from 480,000 to 600,000, rather than the 702,000 intended
(第3の滑走路は2020年にオープン時には、そのキャパシティの半分である480,000~600,000フライトの運行を予定している)
• Aircraft using the new runway will have to meet strict greenhouse gas emissions standards
(新しい滑走路で使われる機体は厳しい温暖化ガス基準を満たすものでなければならない)
• Total carbon emissions from UK aviation must fall below 2005 levels by 2050
(2050年までに、イギリス国内の交通機関より排出されるCO2の合計は、2005年の排出レベルより低くなければならない)


特に最後の1つが全く理解できません。2005年レベルって、わずか3年前。ここを減らさずにどうやってthe Climate Change Billの「2050年までに1990年レベルで80%削減」という目標を達成できるのでしょうか?

さらに、温暖化対策として、ロンドンからヒースローを経由して各主要都市に繋がる高速鉄道を建設し、短距離での飛行機利用を減らしたい意向だそう。環境保護団体グリーンピースの言葉を借りれば「高速鉄道は、ヒースロー拡張の代わりに建設される時に限って、炭素排出量を減らす効果を持つ」。

このヒースロー拡張計画、本来は計画自体が破棄されるべきものです。グリーンピースのブログがドンぴしゃでこの点について触れています:

But the irony of stating that the UK would have the strictest regulations on aviation emissions and at the same time allowing the construction of a third runway was lost on what sounded like cows let loose in the Houses of Parliament - I'm assuming those were actually MPs.(イギリス政府は、交通機関からのCO2排出に対して厳しい基準を持っていると述べる一方、ヒースロー空港の第3の滑走路建設を許可した。この皮肉は、牛たち-おそらく、彼らは国会議員だと僕は思うのだけど-を議会に解放してやってるなんて言っても通じない話だ。


つまり、「全ての政治活動はthe Climate Change Billに見合うものでなければならない」と決めたはずのイギリス政府が、ヒースロー空港を拡大するなんて話は全く理に適っていないのです。

イギリスでは、遅くても2011年までに定例選挙が行われるそうですが、この計画の具体的な申請書の期限は、この選挙の後になっているそうで、The Guardianは「次の選挙で共産党が華々しく勝利し、新しい政策とともに、この計画進行を阻止してくれるだろう」とすらコメントしています。「喜んでるのは経済界だけ、後は全部反対」というのが各報道機関の基本姿勢のように思えます。

ということで、この意味の分からない計画がボツになってくれることを心から願います。
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2009/01/15 08:13
A Greener Festival Awardの受賞者たち
今週から後期スタート。同時にインターンもスタート。別に毎日職場に行っている訳ではない(基本は8時間×週2)のだけど、職場以外での作業(リーディングなど)があるため、頭の中はかなり忙しい。ブログの更新が早速怪しい(特に、音楽とは関係ない環境問題系)ので、ここは少し方向を変えて、修論に関わるあれこれで行っていることを、ブログでちょこっとずつまとめていこうと思います。

今回のインターンの趣旨について簡単に説明すると、このインターンは授業の一環。1月~3月までの3ヶ月間、職場内外で計300時間を目安に作業を進めます。インターンと言っても、いわゆる大学生がやる"仕事体験"ではなく、何かしらのプロジェクトに参加するのがこのインターン。私は、受け入れ先のプロモーターが運営している夏フェス(通称T)の環境対策に関して、リサーチと提案を行います。具体的に動くのは来週からなのですが、おそらく、学術本や音楽以外のキャンペーンの成功例などを参照しつつ、ミーティングを重ねて、実現に向けて動いていく・・・ということになると思います。

で、今調べているのが、A Greener Festival Award 2008で選ばれたフェスのエコ対策。A Greener Awardsについてはこのブログでは度々触れているのですが(こちらを参照)改めて説明すると、要は、エコなフェスを表彰するっていうだけです。このアワードの選出方法がまた手抜きで、このプロジェクトに関わっているイギリス唯一の私立大学Bucks New Universityの学部生が、事前にフェス側から提出された自己申告制のアンケート(確かチェック項目が54個)内容が本当に合っているかチェックするだけ。もちろん、各フェスの主催者からは他の情報も色々提出されているとは思いますが、この手抜き具合は酷い。でも、ないよりはあるだけまし。このアワードは、まずUKとInternationalで受賞者が分けられ、その中から飛躍的にエコ対策が改善されたフェスにはImproving Festival Award、特段にエコ化が進んでいるフェスには「Outstanding Festival Award」が贈られます(ab bank fesなんて、きっと応募すれば簡単にこの賞がとれると思う)。

本当は、このOutstanding受賞したフェスを中心に、イギリス国内に絞って調べたかったのですが、イギリスだけでは全く話にならない気がします。なぜなら:

1. Outstanding Festival Awardをはじめ、受賞しているイギリスのフェスの多くは、Tのキャパ(今年は85,000人/日)と比べてはるかに小さい(5,000人規模から30,000人規模くらいが多い)。
2. イギリスの大型フェスに絞ろうと思うと、オーガナイザーが被っている。特に、Festival Republicのフェス(Glastonbury, Latitude, Reading/ Leeds)が多く、さらに、LatitudeReading/ とLeedsはやってることがほとんど同じ(websiteもそっくり)。


となると、International Awardに輝いたフェスを見ることになります。ヒッピー人口が多そうなオーストラリアのフェスはなんと4つも受賞していて、ネット上の評判も良いのですが、全て規模が小さいというのが難。となると、8万人を集めるヒッピーの祭典でOutstanding Festival Awardを受賞しているアメリカのBonnarooに目がいきます。しかし、これも以前紹介したアメリカのブログGreenBaseによれば、同じアメリカで去年から始まったRothbury Festivalの方が断然評価が高い(4万人規模ですが)。GreenBaseではBonnarooとRothburyの比較までやっているのですが(こちら)、素晴らしく感動的な内容になっています。この記事の中で、彼はRothburyの成功を「マーケティングの成功」と評しているのですが、読んでいるとなるほど、と思います。まぁ、たとえマーケティングをうまくやっても、お酒飲んでべろべろになったスコティッシュは全部忘れるんだと思いますが。スコティッシュの場合はこれが大問題。酔っ払ったら車の窓ガラスも普通に割りますので、この人たちは。

で、これらのフェスがどんなことをやっているのかについて書こうと思ったのですが、そんなスペースがもうないので、気になる方は、各フェスのwebsiteを実際に見てみることをオススメします。
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2009/01/12 06:02
今週の英音楽ニュース(11/1/2009)
いつもの日曜更新のルーティーンに戻すために、今週2度目の英音楽ニュースです。

UK singles sales hit record high in 2008 - The Guardian (8/1/2009)
REASONS TO BE CHEERFUL FROM THE BPI AND ERA - CMU Daily (8/1/2009)
イギリスでリリースされた2008年の年間CD売上に関する記事です。
シングルは、デジタル配信での売上が好調。1億1300万ユニットを記録し、41.5%の伸びを記録。一方CDシングルは460万枚で43.5%の下落です。
一方、アルバムですが、デジタル配信が1000万ユニット、65%の売上増を記録し、アルバムセールスに占めるデジタル配信での売上の割合は7.7%になったそう。一方アルバムCDですが、専門家の予想に反し、1億1500万枚の売上、3.6%の下落と意外と緩やか。その上、2008年最後の四半期は、なんとアルバムセールスは、昨年の同時期の売上と比べて0.9%上昇したそうです。これは、The KillersやTake That、Girls Aloudなど人気バンドのリリースと重なったためではないかと言われているようです。
CMUの記事では、この結果を「good news」と評価。BPIを引っ張るGeoff Taylor氏も「この不況の中で、人々はお財布に優しいながらも楽しみをくれるものを求めている。音楽は、シンプルに、その需要を満たしているというだけなんだ」と前向きなコメント。CMUによれば、DVDやゲームソフトの売上も4%の伸びだったようで(4億8580万ユニット)、倒産等のニュースが続くエンタメ業界とはいえど、全体的にはむしろ健闘しているという見方が広がっているようです。でも、Entertainment Retailer's AssociationのKim Bayley氏のコメントはどうも納得がいきません:

Consumers are sending us a strong message that the best insurance against recession is hit product delivered on a wide range of formats.
(消費者は、「この不況を乗り切る(心の)保険のような役割を果たすのは、様々なフォーマットで届けられるヒット商品である」というメッセージを我々に送っているのだ)(訳に自信なし・・・)


こんだけ楽しみ方(フォーマット)が広がると、あと3年くらいしたらめんどくさいことになるのではないかという気がしてならないのは私だけでしょうか?フォーマットが変わる度に買い換え、買い換え・・・になるのは一生続くと思いますが、「レコードプレイヤーは必要だし、MP3の音源も増えたからCDプレイヤーじゃなくてiPodを買わないといけないし、でもまだカセットも持ってるからカセットデッキは捨てられないし・・・」というのは、なんとなくやりすぎてる気がしてしまいます。その一方で、「このアルバムはレコードの方が良い」「これはCDで聞きたい曲」と楽しく選んでいたりもするんですけどね。

5% of last year's UK hits were made by Swedes (and other interesting pop facts) - The Guardian (3/1/2008)
前回紹介し忘れました。2008年セールスの続き。2008年にイギリスで最も売れた曲の傾向を、年齢、性別、国籍、ジャンル、活動形態で分類し、グラフ化したフラッシュが上記の記事に載っています。見たいカテゴリーをクリックすると、円グラフでその結果が分かります。ただ、「なるほど~」と感心するだけなのですが、面白かったです。グラフがあるだけで難しい英語も何もないので、英語が苦手という方も是非どうぞ。

Little Boots tops music tips list - BBC News (9/1/2009)
BBCが投票によって決める「BBC Sound of 2009」。過去のリストにはKeane、Bloc Party、カイザーチーフス、クラクソンズなども名前を連ね、「選ばれれば成功は約束されたようなもの」と言わんばかりのリストですが、今年の第1位には、Blackpool出身の24歳女性シンガー、Little Bootsが選ばれたようです。ちなみに、彼女が演奏している白いボードみたいなものは、「Tenori-on」という日本の機材(?)だそうです。「新人」と言えど、第2位のWhite Liesの「To Lose My Life」は既にラジオでガンガンかかっているし、3位のFlorence and the Machineも期待のニューカマー特集ではもはや名前を見ないことはない勢いで、既に注目度の高いアーティストが並んでいると言えそう。このリストを見ていると、今年前半も、どうやらシンセでピコピコな感じのアーティストが流行りそうな流れですね。それと、THe Observerにも書いてありましたが、「Popは女の子のモノ!」なんて印象を受ける人もいるかもしれません。個人的には、この5組の中ではやっぱりFlorence and the Machineが好きです。BBCで見られるPVがものすんごく可愛いです。
新人がこうやって勢いよく登場しつつ、イギリスはこれからBrit Awardsなどの発表が行われて、華やいでいくのでしょう。

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今日で冬休みがおしまいです。エッセイ+クリスマス+旅行で生活のリズムが崩れまくりでしたが、今週1週間で大分元に戻りました(体調だけが元に戻るどころか悪化する一方なのですが・・・大丈夫か、自分)。ともかく、後期は肩の力を抜いて勉強出来れば良いなぁと思います。
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2009/01/08 08:35
ミュージシャンとしての生活
'I feel lucky to be alive at all' - The Guardian (6/1/2009)

この記事をカテゴライズして載せる場所がこのブログにはないのですが、是非紹介したい記事だったので載せます。

記事のライターは、2007年のサマソニで来日も果たしたThe Long Blondiesのギター兼メインソングライターのDrian Coxさん。私は名前を知っているくらいの知識しかなかったのですが、後で調べたら、このバンド、実は去年10月に解散しており、その理由は「Coxが脳卒中を起こし、ミュージシャンとして再起するメドが立たなかったため」だったそうです。The Guardianの記事には、バンドが解散したことは書いてあったけど、彼の病気との関連については書いていなかったので、ちょっと衝撃的でした。

そのThe Guardianの記事のあらすじを軽くまとめます。その日、彼はアメリカツアーを終えて、地元シェフィールドのホテルに滞在中、ベットからトイレに向かう途中突然倒れ、意識はあるものの全く動けなかったそう。たまたま、その前日に彼の元を訪れた友人が、スタッフに「彼の体調が良くなさそうだ」と伝えていたのが幸いして、様子を見に来たメイドさんが彼を発見。本人は「手を貸してくれれば起きれるから」と言ったそうですが、そのまま救急車で病院へ。脳卒中と診断されたCoxさんは、集中治療室で2週間、一般病棟で5週間、その後リハビリセンターで2ヶ月過ごし、現在は、評判の悪いNHS(国民保険)では十分なリハビリが受けられないとの理由で、NHSに合わせてプライベートの病院でも理学療法を受けているそうです。ホテルで倒れたとき、彼はまだ27歳。その若さが幸いして、酷い脳卒中に襲われたにも関わらず、言語障害などもなく、言葉や思考に関わる部分に関しては以前のように戻ったそうです。しかし、左半身に麻痺が今も残っており、彼曰く"最悪なことに"、今でもギターが弾けず、また担当医師も、ギターが弾けるまでに回復するのはいつになるのかと言った話はしてもらえていないそう。だからこそ、次のコメントは悲痛にさえ聞こえてきます:

I truly believe that staying positive and not giving up is the key to improvement. I will never give up hope that I will, in time, be able to play guitar again.
(僕は心の底から、常に前向きに、そして諦めずにいることが回復の鍵だと信じてるんだ。僕は絶対に、またギターが弾けるようになるという望みを諦めない。)


記事の最後のパラグラフは、とても印象的。医師からは脳卒中の原因は伝えられていないそうですが、「バンドマンとしての人生は、どんな人の健康をも脅かす悪影響を抱えて生きるということなのだと思う。寝ないで移動、摂取許容量を超えたアルコールの毎日だからね」とコメント。「ごくごくありふれた、退屈な生活を送っているとしても、それはOKなんだ」というアドバイスは、彼のそんな考えから来ているのだと思います。そして記事の最後はこんなコメント:

But, while I wish I hadn't had had a stroke, at least I can say that I was enjoying my life 100% until it happened.
(脳卒中になったその日まで、僕はミュージシャンとしての生活を100%楽しんでいたよ。脳卒中にならなかったら・・・とは思うけどね)


「セックス+ドラッグ+アルコール+タバコ=ロックンロール」みたいな考えが、心の底から、反吐が出るほど嫌いな私は、こうゆう記事を是非、世の自称ロケンローな人達に読んでもらいたいなと思っているわけです。これ以上書くと愚痴のようになるので止めますが、ともかく、「片手で鍵盤を弾きながら曲を作り始めている」というCoxさんの完全復活と、他のミュージシャンが同じような悲しい思いに合わないことを願うばかりです。

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2009/01/08 08:06
今週の英音楽ニュース(7/1/2009)
週の途中ですが、今年ももう1週間過ぎたので、ひとまずまとめておきます。

MacWorld 2009: iTunes Store going DRM-free by end of Q1 - Music Ally (6/1/2009)
Changes Coming to the iTunes Store - Apple press release(6/1/2009)
年始からこんなビッグニュース到着。iTunes Music Storeで販売されている全てのデジタル音源が、3月までにDRM-free、つまりデジタル著作権管理の手から離れることになります。6日の時点で、既に4大メジャー全てと多くのインディーレベルの音源800万曲がDRM-freeになっており、2月には残りの200万曲もDRM-freeになる予定。これに合わせ、音質もMP3から256kbps AACになり、CD音源とほぼ同じレベルのクオリティになったそうです。さらに、価格固定制も変更され、69セント、 99セント、1.29ドルから選べるようになっているようですが、1.29ドルよりは69セントの曲の方が多くなる見込み。一方、アルバム単位では、ほとんど全てが変わらず9.99ドルになる予定だそうです。ちなみに、DRMフォーマットで購入した過去の音源も、曲単位の場合は30セント、アルバム単位の場合は購入価格の3割を支払うことで、DRM-freeのフォーマットに変更できるそう。・・・ということなので、今iTMSを開いてみたのですが、アップグレードの方法が全く分かりません。
ちなみに、GarageBandという、バーチャルでバンドを組んで楽しもう!というアップルのソフトがあるらしいのですが、今年は「Learn to Play」という、楽器の教則ビデオシリーズみたいなサービスが加わるそうで、Sting、John Fogarty、Norah Jones、Sarah McLachlan、Patrick Stump(Fall Out Boy)が先生役を務めるそうです。UKインディ系の先生がいたら是非!とか思ったのですが、いないですね。残念です。

Festivals bowing to fan pressure - BBC News (6/1/2009)
Fans help improve Download Festival - Virtual Festival (6/1/2009)
プロモーションからマネージメントから何から何までお世話してくれる360度ビジネスモデルで知られるLive Nationが、オンラインで集めたファンの声を元に、Download Festivalをはじめ、同社が関係しているフェスを改善するとのこと。その内容は以下の通り:
- ステージ間と会場からキャンプエリアまでの距離の短縮
- トイレの改善
- 去年に引き続き、障害者用キャンプエリアを設置
- フードコートの改善
ちなみに、集まったファンからのフィードバックの中には、環境問題を最優先にする声もあったそうで、特にゴミ問題の改善に取り組むとのこと。他人事のように書いてますが、その「同社が関係しているフェス」の中に、私が関わる予定のフェスが入ってるので、あまり他人事ではありません。インターンは来週から始まります。
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2009/01/06 08:45
ライブハウスは変わる
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Oxford 3.1.2009

先ほどイングランドから戻って参りました。バース(Bath)、オクスフォード(Oxford)、ケンブリッジ(Cambridge)と回って、最後はロンドンからグラスゴーへ。とても楽しかったのですが、街の印象より、息抜きのつもりで持って行った本の内容(かなりヘヴィだった)とか、サーモンの切り身がまるまる入ったトルティーヤを間違えて買って食べた(捨てるわけにいかないし)せいで見た悪夢とか、ホステルで会った韓国人の学生(←音楽学部博士コース)との政治や戦争の話とかの方が印象に残っています。リフレッシュのつもりが、ねっとり濃い5日間になってしまいました。バースの温泉も、施設が改装中で入れなかったし!(涙)

090105.jpg
さて、訪れた都市の中で地元民の小綺麗な白人度が圧倒的に高かったポッシュな街、オクスフォードで少し気になったこと。ミーハーながらに、Radiohead「Creep」のPVが撮影されたZodiacというライブハウスを見に行ったのですが、ZodiacはCarling(お酒の会社)に買収されたらしく、Carlingがイギリスの各都市に持っているCarling Acadmyグループの1つ「Carling Academy Oxford」と名前が変わっていました。私の持っていった2007年刊のガイドブックにはちゃんと「Zodiac」という名前で紹介されていたので、ここ数年で買収されたのではないかと思います。が、そこでハッと思い出したのです。グラスゴーにもCarling Academy Glasgowがあるのでハッキリ覚えていたのですが、このCalrling Academyグループ、つい最近イギリスの大手携帯会社O2に買収されたのです。そんな中、フラっとオクスフォードでもらったフリーペーパーを読んでいたら、1月開催のとあるライブの会場が「O2 Academy Oxford」になっていて、そこで初めて1月1日から名称が変わることに気づきました。で、今帰ってきてネットを繋いだら、昨年末にHPにアクセスした時はちゃんと「Carling Academy Oxford」だったのが、現時点で既に「O2 Academy Oxford」になっています(URL)。ということなので、この写真に収まっているCarling Academy Oxfordの姿も、もはや今は見られないかもしれないということです。
オクスフォードではThe Old Fire Stationというライブハウスも見に行ったのですが、こちらも、事前にネットで見た写真とはかなり異なった外観。現在はLive Nationの傘下にあるようで、赤煉瓦の歴史的な建物の雰囲気には到底似合わない、真新しい現代風デザインの看板とでっかい「Ticketmaster」という看板が掛かっていました。

「昔あったものが今はない」という流れは、どの街でもあることだと思いますが、この2つの変化はとても今風な変わり方の象徴のように思えて、少し残念に感じました。特に後者は、「Live Nationが地域固有の音楽文化を破壊している」という論のサポートになっているような気もしました。Live Nationについてはこれからもう少しやるので、果たして本当に彼らが地域の多様性という点で"悪"なのかどうかは今は判断出来ませんが。

ライブハウスの変化と言えば、都市再開発計画のため今月15日に閉館するロンドンのアストリアも見に行ったのですが、看板の部分がついに工事用ネットで覆われ、見るも無惨な姿になっていました。アストリアは、過去2回のロンドン訪問(2004年と今年9月)でも見に行ったのですが、チケット売り場のあるロビーより先には入ることなく閉館。多くのバンドがプレイしたハコなだけに、ライブを見る機会に恵まれなかったのは残念です。しょんぼり。時は刹那ですね。見れるときに見ておかないと。
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2009/01/01 20:46
あけましておめでとうございます
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日本時間の年越しは、毎年のようにフジロックの開催告知をチェック。今年は24~26日開催!
そしてイギリス時間の年越しは、コロンビア式で、葡萄12粒に12個の願いを込めて、もぐもぐはぐはぐしながら迎えました。12個の願いの前半6つはインターンやリサーチプロジェクト関連、後半6つは修論と無事の卒業。今年は勝負の1年!今からとても楽しみです。

学校関連以外の今年の目標は、7ヶ月いるわりにサッパリな英語力の向上。それから、健康(でスレンダー・・・)な体作り。

今すぐ解決しなきゃいけない問題が山積みの世の中ですが、出来るだけポジティブに、やりがいを持って取り組めるようにしたいです。

2009年が皆さんにとって素敵な1年になりますように。

2009年1月1日 @yano

さて、新年早々、今からイングランドに行ってきます!
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プロフィール

anno69(@yano)

  • Author:anno69(@yano)
  • イギリスの音楽産業、特にデジタル・ミュージックと音楽産業における環境問題対策に関するブログ。スコットランド大学院留学記も。
    管理人は、スコットランドのグラスゴー大学大学院ポピュラー音楽学コースを修了し、帰国。音楽好きの普通の会社員をしています。お問い合わせは cielo0818_ls [at] hotmail.com までお気軽にどうぞ。
    A blog dedicated to topics of the UK music market in particular digital music, copyright and environmentalism in pop music.

    ●Twitter:http://twitter.com/anno69
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