イギリスの音楽産業について考えるブログ
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2009/11/28 18:03
今週の英音楽ニュース(復活編)
今日から母親来英のため、ブログ更新がまたしてもしばらくストップします。ということで、久々に「今週の英音楽ニュース」!!

Three-strikes petition has over 24,000 signatories - CMU Blog (26/11/2009)
先日の、パイラシー対策を盛り込んだDigital Economy Bill発表(拙ブログのこちらを参照)に対する反発の声が上がっているというニュース。イギリス第2位のプロバイダーTalk Talkは、Number10.gov.uk内のオンライン嘆願書ページ(オンライン署名用ウェブサイト)に、「公平な司法の手続きを踏まないままファイル共有者の回線を切断するという提案は破棄されるべき」とする嘆願書をアップ。現在署名を呼びかけています。いつアップされた嘆願書なのかは分かりませんが、CMUによれば、新しい嘆願書にもかかわらず、24,390人分の署名が集まっているとのこと。私がこの記事を書いている現在は、26,441ですから、ものすごい勢いで増えていることになります。該当の嘆願書はこちら。CMU曰く、(一般的に)嘆願書で何かが変わることはほとんどないとのことですが、この声は無視して欲しくないと思います。

Virgin Media To Trial U.K. File Sharing Analysis - Billboard.biz (27/11/2009)
Virgin Mediaといえば、UniversalのカタログがDLし放題の定額制サービスと、ネットの監視+3ストライク・ポリシーの導入を発表していた、イギリスのインターネットプロバイダー(拙ブログのこちらを参照)。このニュースでは、Virginが、本格的にファイル共有を割り出すためのトライアルを開始すると伝えています。イギリスのテクノロジー系企業Deticaと手を組み、ファイル共有のトラフィック・アクセスのレベルを調べるもので、匿名IPSトラフィックまで調べることが出来るそう。スタート日時は未定ですが、どれほどの期間トライアルを行うかは、ここ数週間で決まる予定だそうです。このトライアルの結果が気になるところです。続報を待ちます。

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先月、コースディレクターの先生のオフィスに行った時にこっそり隠し撮り。なんか、ポスターがいきなり増えてたので。多分、全部Chemikal物。ちなみに、この右側には、ポピュラー音楽学関係の本(社会学、カルチャラル・スタディーズ、法律etc etc...)が100冊くらい置いてある。本当に先生は本が好き。そうでなければプロフェッサーにはなれない、と。でも、根はデルガドス大好きな音楽おじさんです。来週の水曜日、卒業式で再会予定。卒業式の話は、母が帰国した後にでも。
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2009/11/24 07:58
Digital Economy Bill発表
「Digital Britain」の名で知られていた、イギリスのデジタル関連計画が、この度「Digital Economy Bill」として法律化に向けて動き出しました(政府発表のドキュメントはこちらからどうぞ)。この問題、10月くらいから活発な議論が行われていたのですが、ブログ更新を怠っていたせいで、膨大な情報量になっていました・・・(汗)。以下、ちょっと読みにくいのですが、参考記事と合わせて簡潔に説明したいと思います。

Lord Mandelson sets date for blocking filesharers' internet connections - The Guardian (28/10/2009)
10月末、マンデルソン卿ビジネス・イノベーション大臣は、2011年4月までの12ヶ月間インターネットの監視を行い、パイラシー行為の70%減少が達成できなかった場合、同年夏より、インターネット回線遮断を最終手段としたパイラシー対策の導入する方針であることを発表しました。プロセスの詳細については、ガーディアン作成のこちらのチャート(PDFで開きます)を参照下さい。

英国、脅威のアンチパイラシー計画がリークされる - P2Pとかその辺のお話(22/11/2009)
Mandelson seeks to amend copyright law in new crackdown on filesharing - The Guardian (19/11/2009)
その後、デジタル関連法案導入に向け、着々と準備を進めていた英政府。しかし、先週20日の「Digital Economy Bill」発表前に内容が一部リークされ、「著作権侵害を防ぐ、もしくは減らすという目的のもと」国務大臣に著作権法(the Copyright Designs and Patents Act 1988)を修正する権限を与える旨が盛り込まれていることが明らかになりました。この項目に関しては、「国務大臣にそこまでの権限を与えて良いものなのか?」など、多くの批判を集めています。

Digital divide over filesharing plans - The Guardian (20/11/2009)
Treasury secretary defends government's online piracy plans - The Guardian (20/11/2009)
Government sets out digital stall - Music Week (20/11/2009)
・・・と、色々ありつつ、先週20日、英国女王より法案の発表がありました。ベースになっているのは、フランスのスリー・ストライク法と思われます。先述の通り国務大臣に強力な権限を与えるかどうかは、今後の大きな争点になるでしょう。

Digital Economy Bill: Unanswered Questions And A Bundle Of Challenges - PaidContent:UK (20/11/2009)
国務大臣へ権限はさておき、法案全体の分析として、1番良くまとまってると思ったのが上記の記事。冒頭のこのパラグラフがとても的確。引用します:

Overall, there appears to be too much focus on policing the net rather than promoting digital enterprise and access. Ultimately, piracy measures alone will not solve the underlying issue of revenue models for content owners.
(つまり、この法案は、デジタル事業やアクセスを推進するのではなく、ネットの監視にあまりに焦点を当てすぎているのではないか。最終的に、パイラシー対策単体では、コンテンツ所有者に収益をもたらすモデル確立という問題の解決にはならないだろう。)


さらに記事は、この法案は様々な疑問を未回答のまま残していると指摘します:

1.「違法ファイル共有行為の70%減少」はどのようにして計るのか?
2.所有権でなくアクセスに焦点を当てることは、Ofcomが、何故違法行為が減少したのかを特定するのを困難にしているのではないか?
3.回線遮断という対策を法律化するのは困難ではないか?


Digital economy bill: A punishing future - The Guardian (23/11/2009)
同じように、同法案を批判的に切り取っているのが、上記のガーディアンの記事。記事は、音楽や映画といった既存の「クリエイティブ産業」と呼ばれる分野にフォーカスしすぎであると指摘。そのフレームワークの外にいる、ホントの意味での“デジタル”関連産業の活性化やウェブの可能性を閉ざしていると主張しています。

ちなみに、4パラグラフ目に紹介したMusic Weekの記事には、著作者不明作品の合法的使用や、集合的ライセンスに関する条項も盛り込まれているとあります。この辺に関しても注視する必要がありそうです。

最後に、最近のデジタル産業に関する様々な議論/問題を扱った、とても分かりやすい日本語ソースがあったので貼っておきます。この記事を読むと、今ヨーロッパでどんな議論が繰り広げられていて、どんなムーブメントが新たに生まれているのかがざっくり分かると思います。

違法ダウンロード 著作権×ネットの自由、欧州で論争 - asahi.com (20/11/2009)
P2P, Piracy, Digital トラックバック(0) | コメント(0) | Page top↑
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2009/11/16 02:50
デジタル・ミュージックの環境負荷はどれくらい?
Julie’s Bicycle calls for research into digital emissions - Music Week (6/11/2009)
Are music downloads greener than CDs? - The Guardian Blog (25/11/2009)

Julie's Bicycleがデジタル音楽の生産/消費とそれによる温室効果ガス排出量の関係についてのリサーチを求めているというニュースを取り上げます。

JBが発表した「The Carbon Impacts of Recorded Music in a Time of Transition」(こちらからDLできます)によれば、現在までに同件に関するリサーチはいくつか発表されているものの、不確かな点が多く、特にリスナーのデジタル・ミュージックの使用に関するデータが不足しているとのこと。また、これら現存するリサーチは、デジタルとフィジカルの排出量や環境負荷の大きさを比較するという手法がとられていますが、この手法が適切かどうかに関しても疑問が投げかけられています。そこで、より包括的なリサーチを行うために、JBがリサーチの募集(と言えばいいのでしょうか・・・)をかけた、というのが事の流れです。Music Weekの記事より、具体的に必要なリサーチの内容箇所を引用すると:

1. Delineate an appropriate GHG emission for digital music including the use and disposal phases of digital music.
(デジタル・ミュージックの使用と破棄を含む、デジタル・ミュージックによる適切な温室効果ガス排出量の詳細な説明)
2. Explore the GHG emissions impacts of different digital music delivery models such as digital download and streaming.
(異なるデジタル・ミュージックのデリバリー・モデル(例/ダウンロード、ストリーミング)で排出される温室効果ガスのインパクトについての探求)
3. Understand consumer behaviour around digital music in the broadest sense.
(最も広義的な意味での、デジタル・ミュージックに関する消費者行動の理解)
4. Understand the relationships and partnerships necessary to ensure the digital music supply chain is lower carbon.
(デジタル・ミュージックの供給チェーンが低炭素であることを確かにするために必要な、関係やパートナーシップの理解)


ただ、The Guardianの記事にあるように、デジタル・ミュージックの生産から破棄までの過程で発生する温室効果ガス排出量を計算するというのは非常に難しい。むしろ、計れるものではないと個人的には思います。例えば、PCで音楽を聞きながらネットをしている場合、PCをオーディオとして使用していると言えるのか?この場合の排出量は考慮するのか?といった問題が当然出てくる。記事にあるように、ネットのスピードが遅くてDLに時間がかかったり、DLする曲を選ぶのに何時間もかけたりすれば、それだけエネルギー消費量も増える。

そしてなにより、仮に上記内容のリサーチが行われ、JBがレポートを発表した場合、音楽業界にどれほどの影響を与えることが出来るかと言われたら、正直ゼロに近いだろうな、と。例えばストリーミングとダウンロードの比較にしても、リサーチの結果がどうであれ、レコード業界は、商業的に成功している方に動くでしょう。そう考えると、もちろん、リサーチをする必要性というのは理解できるのだけど、何か違ったアプローチを考えていく必要があるようには感じます。また、レコード業界と比べ、ライブ業界の方が、性質上、環境負荷を減らすという点では行動に移しやすいと思うので、ライブ業界のにもう少しアプローチしていくのも良いのではないか、と。

リサーチの難しさや業界に与える影響力の大きさの問題に関しては、JBもよく理解しているとは思います。が、やはりこうして彼らの活動を外から見ていると、のれんに腕押し感があることは否めない。修論用のリサーチ中に、所謂業界人と言われる人達から結構シニカルな意見をいくつか聞きましたが、そう言われても仕方ないかな・・・と。結局、The Guardianの締めの言葉でと被りますが、行動に移してくれるバンドの力が必要なのだと思います(そして、それをサポートするスタッフも)。保守的なメジャー・レーベルが力を持つレコード業界を動かすには、彼らを突き動かすだけの世論やファンの声が必要。となると、やはりバンドの一声が必要。それも、出来るだけ多くのバンドの声が。

下記の記事はおまけ。ヨーロッパのフェス関連団体YouropeのGreen 'n' Clean Awardのウィナーが発表になったというニュース。A Greener Festivalと同じくらいの影響力のあるアワードですね。イギリスからは、なんとT in the Parkのみが受賞。他のフェスはいずこへ(多分参加してないのかな)?しかもTって・・・とは思いつつ、TITPはこのアワードの常連なので驚きませんが。

2009 Green ‘n’ Clean award winners announced - A Greener Festival Blog (2/11/2009)

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11月も半分を過ぎて、卒業式まであと半月になりました。来週末に母親が渡英して、一緒に卒業式に来てくれます。大好きなグラスゴーの街や、お世話になった人達を紹介できると思うと、今から楽しみ。しかし、母親の興味は完全にロンドン観光。「グラスゴーなんて見るとこないでしょ?」くらいのノリです・・・ぐすん。

写真は、今月頭に行ったRegent's Parkにて。今年も終わるんだなぁとしみじみしてしまう落ち葉の山。1年半の大学院生生活も、もうすぐおしまいです。
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2009/11/12 16:54
(更新遅れてるので)近況報告
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Muse@SECC, Glasgow, 9 Nov 09: 通称Helsinkiセッションで、バクパイプ登場!感動!

jarvis-fan.jpg
Jarvis Cocker's Exhibition at Village Underground, 11 Nov 09: お客さんもみんなおしゃれでドキドキ。

今週月~火曜と、1泊2日でグラスゴーに戻ってきました。やっぱりロンドンより寒かった。でも、あの寒さは大丈夫なのね。友達や先生に会ったり、Museのライブ行ったり(最高でした~!Muse好きで良かった!)、久々にグラスゴー・アクセントの洗礼を受けたり、楽しかったです。後、やっぱりグラスゴーで入ったカフェでは「for sitting in?(こちらでお召し上がりですか?)」でした。sitting inはスコットランドだけかぁ・・・うーん。

昨日水曜日はバタバタの日程を縫って、ジャービス・コッカーのExhibitionへ。道に迷って20分も見れなかったけど、アーティ+エクスペリメンタルな感じで凄く面白かったし居心地良かったです。会場に行く途中にブラーのデイブとすれ違ったり(エリア的に多分政治関連のお仕事中?)、帰り際にタバコ休憩中のジャービス様に遭遇したり、夜行ったライブでも色々あって、もうロンドンでこれ以上良いことは経験できないかも・・・と思うほどのことが短時間でパパパーっと起こった、変な日でした。ちなみにジャービス様、「日本にはいつも行きたいと思ってるけど、何故かは分からないけど、行くところまでにはいたらないんだよね」と、現在のところ来日予定無しらしい(涙)。是非日本から熱烈ラブコールお願いします(切)。

ちょっとバタバタしててまた更新が止まってしまっているので、ひとまず近況報告まで。ちなみに、Twitterは通常稼働中です。
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2009/11/07 22:11
EU、修正版テレコム・パッケージを承認
EUROPEAN PARLIAMENT DROPS THREE-STRIKE BLOCK - CMU Daily (26/10/2009)
EU backs internet access restrictions for pirates - Music Ally (6/11/2009)
File-Sharers Protected Under Proposed EU Legislation - TorrentFreak (5/11/2009)
EU電気通信改革,ネット接続遮断を巡る修正条項で合意 - ITpro(6/11/2009)

拙ブログでも以前取り上げ(URL)、以来3ストライク・ポリシーの導入の動きを牽制するものとして紹介してきた、EUのテレコム・パッケージ。「インターネットへのアクセスの自由と基本権は脅かされるものではないと定め、司法の公正な判断なしにインターネットアクセスを遮断すべきでないという文言を盛り込んだこのパッケージは、今年5月に賛成多数で採決された」・・・とその時書いたのですが、今回の報道を読むと、少し違ったみたいです。TorrentFreakとITproの話を合わせると、5月にテレコム・パッケージは承認されたが、インターネットユーザーの権利に関する項目に関しては、ユーザーの十分保護されていないことを理由に、欧州理事会に差し戻されたようです。そして、再度見直しが行われ、この度修正版が満場一致で承認されたとのこと。

修正版では、インターネットへのアクセスという基本的人権と自由を尊重すべきとした上で、一般ユーザーのアクセス遮断は、民主主義社会において適切、適当かつ必要と判断された場合のみ許されるものし、司法の適切なプロセスと十分な手続きに関するセーフガードなしに、遮断という手段はとれないようになっています。

で、この修正版をどう読むか、で意見が分かれています。CMUとMusic Ally(≒音楽産業ジャーナリズムの視点)は、それまで盛り込まれていた、3ストライク・ポリシーを否定する文言が修正されたことで、"適切な司法の判断によるネット遮断"を最終手段とした3ストライク・ポリシーの導入の動きが進む可能性を示唆しています。イギリス政府が導入検討しているのも、まさにこのタイプの3ストライク・ポリシーです。一方TorrentFreakはインターネット・ユーザーの権利が保護されたことに重きを置き、ITproは、今回の修正版が、行政機関を通じて遮断の判断が下されるフランス版3ストライク・ポリシーをも否定するものだとしています。この点について、CMUは、「フランスの3ストライク・ポリシーがどれほどの問題なく成功をおさめることができるかによるかもしれない」とコメントしていますが、その通りで、フランスの3ストライク・ポリシーがどう判断されるかというのは1つの焦点かと思います。この点に関しては、heatwaveさんの「P2Pとかその辺の話」に大変詳しく書かれていますので、一読されることをオススメします。

欧州連合、電気通信改革パッケージ案にて仏スリーストライク法を否定? - P2Pとかその辺の話 (7/11/2009)

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今月は少しバタバタして更新が遅れそうです(今回のテレコムに関するニュースも、10月末の時点で更新するはずが、気付けば11月・・・)。ニュース関連はTwitterで随時ブツブツしてますので(どうでもいい独り言の方が多いけど)、よければそちらも是非。
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2009/11/02 00:21
rockin' on コレポン通信 from Londonへの意見書
書こうかどうか迷ったのですが、日本においても関心ある人が少なくない問題だと思うので、少しだけ。

今日発売の音楽雑誌rockin'onに、イギリス政府によるパイラシー対策法案に関する音楽業界の混乱についての記事が掲載されています。ロキノンのロンドン駐在員児島氏が、自身の「コレポン通信」のコーナーにて、英音楽業界の切迫した現状とFAC vs リリーをはじめとした騒動を1ページに渡って紹介しています。私も、日本から記事を送ってもらって読ませて頂きましたが、気になったことがあるので書かせて頂きます。

記事は、まず、英音楽業界の悲惨な状況が述べられています。これに関しては皆さんもご存じの内容になっているので割愛(でも、数え方の違いだと思うことにしてますが、ロンドンのレーベル数が今は10~15なんてことはあり得ない。弱小グラスゴーだけでも知ってる限り10近くある)。後半は、英政府のパイラシー対策法案と、リリー・アレンを端にしたミュージシャンとFACの動きについて説明されています。これは、児島氏がro69内のブログで紹介しているのとほぼ同様の内容です(9/179/2810/30)。そして最後は、政府案に賛同、つまり、リリーの意見に賛同との姿勢を示しつつ、モラルの低下を議論する機会を与えたという意味でも、リリーの発言には意義があったと賞賛しています。

リリーが声を上げたことで、モラル崩壊はもちろん、パイラシー問題に関してもより多くの人が考える機会になったというのはとても良いことだし、とても意義あることだという点は誰もが認めるところだと思います。しかし、同記事は、"パイラシー問題の本質を分かっていない"と各メディアから批判されたリリーの説明と非常に似たり寄ったりの内容になっています。つまり、同記事は、FACやISPsをはじめとした3ストライク・ポリシー反対派の主張を間違えて読み取っている。まず、FACは、リリーの発言を受けて「実は我々もパイラシーには反対」だなんて言っていない。発足当初より、FACはパイラシー問題は解決されるべきものという姿勢を示しています。また、従来のビジネスモデルをベースに議論を繰り広げる3ストライク推進派に対し、3ストライク・ポリシー反対派は、デジタル時代における新しい音楽ビジネス・モデルの模索を念頭に置いています。この根本的な違いも頭に入れないと、3ストライク・ポリシー反対派が主張することが音楽業界潰しに見えるのは当たり前のことで、ここでまた誤解を生むことになります。拙ブログでは、似たような議論を何度も行っていますが、1番よくまとめてあるのは以下の記事になります:

FAC vs リリー・アレン他アーティスト・続報(追記アリ) - Green Sound from Glasgow (22/9/2009)

他にも色々小言を挟みたいことはあるのですが、まず上記2点を指摘しておきたかったのは、誤認された情報、もしくはそれを生むような記事が日本で1番影響力のある音楽雑誌に掲載されているということに、個人的に危機感を感じているからです。パイラシーはもちろん、デジタル・コンテンツの問題はとても複雑で、私も1年以上追いかけていますが、それでも理解できない部分の方が多い。言葉遣い1つとっても、例えばトラッカーサイトを「違法サイト」と称するかそうしないかという部分にも気を遣わなければならない。とにかく理解するのが非常に難しい複雑な問題です。日本にいればなおさら理解しづらい問題だと思います。実際、FACのメンバーは、この問題に関する理解がなかなか浸透していないが故に、やはり本質が理解できていない人達から変な質問を受けたり批判を受けたりしています。あげく「FACは金持ちアーティストの団体」とか意味の分からぬことを言い出す人もいるわけで(そうゆう面はあるが、同時に名前も知られていないような若手もメンバーになれるし、最初のMTにはそういった人達も結構参加していたようです)、そうゆういらぬ誤解が解消されて、早く本質的な議論が進めばなぁと思う次第です。

この問題に関しては、拙ブログの以下の記事も参照下さい。
FAC (+クリエイター): 英政府の方針転換に反対の姿勢(追記あり)(11/9/2009)
ミュージシャン、次々声を上げる (追記有り)(16/9/2009)
FAC vs リリー他 まとめ (追記有り)(24/9/2009)
The Air Statement(26/9/2009)

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プロフィール

anno69(@yano)

  • Author:anno69(@yano)
  • イギリスの音楽産業、特にデジタル・ミュージックと音楽産業における環境問題対策に関するブログ。スコットランド大学院留学記も。
    管理人は、スコットランドのグラスゴー大学大学院ポピュラー音楽学コースを修了し、帰国。音楽好きの普通の会社員をしています。お問い合わせは cielo0818_ls [at] hotmail.com までお気軽にどうぞ。
    A blog dedicated to topics of the UK music market in particular digital music, copyright and environmentalism in pop music.

    ●Twitter:http://twitter.com/anno69
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