イギリスの音楽産業について考えるブログ
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2010/02/27 23:48
BBC 6Music 存続の危機
BBC signals an end to era of expansion - The Times (26/2/2010)
BBC to close two radio stations and halve web output after Tory pressure - The Guardian(26/2/2010)
Times report says 6music might close - CMU Daily (26/2/2010)

イギリス国営放送BBCが運営するデジタル・ラジオチャンネル6Music。比較的新しいチャンネルでしたが、音楽ファンの間では人気は高かったと思います。

その6Musicが閉局するのではないかという噂が沸き上がっがのは今月頭のこと。その時BBCは否定していたはずなのですが、この度、BBCが経費削減のために作成したレポート“Putting Quality First”がリークし、The Timesがすっぱ抜いたその内容が音楽業界に衝撃を与えています。

報道によれば、このレポートで提案されていることは以下の通り:

- BBC 6Music、Asian Network、BBC Switch、BBC Blast!の閉局。
- インターネット・サービスを半分に縮小
- テレビのスポーツ放送権への出費削減
- 海外の番組への経費を削減
- BBCが出版する雑誌を売りに出す
- 600人程度のBBCスタッフおよびフリアランスの仕事カット


さらに、現在BBCから音楽番組はかなり消えつつある状態ですが、レポート内で、BBC Radio2について「音楽番組を減らし、コメディやドキュメンタリーを増やす」と書かれているようで、メインストリームなBBCの放送局から音楽がほぼ消失するのではと懸念されているようです。

BBCは、ここ20年拡大路線を続けてきたそうですが、今後の方針として示されているのは“量ではなく、イギリスのオリジナルのプログラムの質向上”とのこと。そして、それが費用の大幅カットにも繋がると。ちなみに、この“量より質”路線は、次期政権を担うと言われる野党・保守党からの圧力も大きく影響しているようです。

6Musicのみに関して言えば、ほとんどの音楽ファンが閉局反対の姿勢を示しているように感じられます。The Guardianは、「他の全国放送ラジオでは出来ない、特に知識や情熱を持った素晴らしいプレゼンターの起用」「BBCではなければ出来ない番組」などと、6Musicを高く評価し、「6Musicを失うことは、イギリスの放送業界に穴を空けることになる」と、6Musicの重要性を訴えています。

また、CMUは、6Musicはその財源から公共性が高いニーシェ・ラジオ局であり、どの商業ラジオとも対抗しないものであると指摘。BBCという高いアクセス性と適度な費用での運営により、6Musicは次世代アーティストのキャリアを積む場になっていたとして、同じく6Musicの重要性を訴える論調になっています。

もちろん、これから様々な精査が行われて行くことになるとは思いますが、このレポートが提案していることが、イギリスの豊かな音楽文化に与えるダメージは計り知れないものであることは容易に想像できます。現在Facebookのグループ署名サイトがアクティブに動いており、かなり大きなムーブメントになってきています。6Music存続を願う方は是非。
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2010/02/21 16:13
デジタル印税収入の行方
MMF gives green light to new committee - Music Week (16/2/2010)
MMF launch committee to review royalty reporting - CMU News-Blog (18/2/2010)

Muisc Managers' Forum(MMF / 音楽マネージャー・フォーラム)が、この度「audit committee(監査委員会)」を設置。レコード会社や著作権管理団体がアーティストにレポートする印税収入を再検査し、これらレポーティング・システム --特に複雑化するデジタル収入に関するレポート --の業界基準を推進していくとのこと。MMFのCEOであるJohn Webster氏によれば、先週行わたMMFのミーティングにおいて、“(音楽業界での)新しい収入源”に関して、印税レポートを見ただけではどこでそこからの収入が申告されているかが非常に分かりづらいという意見が出たようです。特にデジタル関係に関しては、それぞれのレコード会社が違ったレポーティング・システムを持っているとのこと。しかし、スタンダードをつくることで、業界全体 --アーティスト、マネージャー、そしてレーベル--が利益を得れるのではないかとしています。委員会はマネージャー、会計士、法律家で構成され、今年後半頃から監査を始める予定とのことです。

デジタル音楽による印税配分に関して、「一体デジタル音楽からアーティストに渡るはずの印税はどこにいったんだ?僕は全然もらってない!」という話は皆さんも聞いたことがあるかと思います。私もグラスゴーにいた頃に身近で同様の話を聞いたことがあるので、デジタル収入の流れが不透明であることに不満を募らせている人は多いんだろうなと思います。

そんなことを思っていたところ、CMUの記事にとても面白い記事がリンクしてあったので併せて紹介します。
Not much joy: The tricky issue of major label royalty reporting - CMU News-Blog (4/12/2009)
My Hilarious Warner Bros. Royalty Statement - Too Much Joy Official Website(1/12/2009)

90年代初頭に活躍したアメリカのオルタナ系バンドToo Much Joyのメンバーで、現在アメリカの大手デジタル音楽プレイヤーRhapsodyで働くTim Quirk氏による暴露記事。人気のあった頃に契約していたワーナーのデジタル印税収入レポートと、インディー回帰後の作品から発生するそれを扱っている大手IODAのレポート、さらに、Phapsody勤務とあり、アルバムのプレイ回数などのレポーティング・システムを熟知した上で書かれており、かなり読み応えがあります。

かなり長いので、ざっくり流れをまとめると:

(1)TMJのデジタル音楽がオンラインにアップされて5年も経っているのに、これまで、ワーナーからデジタル音楽からの印税が全く報告されてこなかった。
(2)散々頼み込むこと1年、自分がワーナーの中である程度の地位が固められたのもあり、ようやくワーナー内で法律に関するカンファレンスが開催される運びに。
(3)商務担当者は、「現在のメカニズムにデジタル印税を上手く合わせていくのは非常に複雑な問題。それに、TMJはまだ借金返済が終わっていない。プライオリティはR.E.M.やRHCPのような既に返済が終わったバンドだ」と一言。
(4)しかし、この担当者が頑張ってくれたおかげで、無事TMJのデジタル印税収入がレポートされた。ここに辿り着くまでに13ヶ月かかったが。
(5)そのレポートによれば、ワーナーでリリースした3枚のアルバムからこの5年間で得たデジタル印税収入は62.47ドル。しかも、アルバムを3枚リリースしているのに、何故か2枚分しかレポートがない。iTunesからの収入も一切報告されていない。
(5)一方、インディー回帰後のアルバム4枚からのデジタル印税収入は、同じ5年間で12,000ドル。ワーナー期の方が明らかに人気は高かったはずなのに、デジタル印税収入はIODAからの方が多い。しかも、IODAは、どのサイトからどれくらいの印税収入があったか詳細に説明してくれている。
(6)デジタル音楽を発信する側は、1曲1曲のプレイ状況をしっかり報告している。それを受け、IODAも細かな情報を送ってくれている。しかし、何故ワーナーは似たような情報を提供できないのか?


Quirk氏は、これはワーナーが意地悪働いた結果ではないという:

"The reality is more boring, but also more depressing. Like I said, they don’t actually owe us any money. But that’s what’s so weird about this, to me: they have the ability to tell the truth, and doing so won’t cost them anything."
(現実はもっと退屈で気の滅入るものだ。私が言ったように、彼ら(ワーナー)はもはや我々に投資していない。しかし、彼らは我々に真実を教える能力があり、しかもワーナーには何のコストにもならないというのに、それをやらないというのは、私にとってはすごくおかしな事のように思える。)


そして、彼はワーナーの印税・ライセンシング部の担当者から聞いたこの言葉が、問題の核心だという:

“We don’t normally do this for unrecouped bands,” he said. “But, I was told you’d asked.”
(“我々は、このようなこと(=デジタル印税収入のレポーティング)を借金返済を終えていないバンドには行わない。”彼は言った。“しかし、君が頼んできたと聞いて、私はやったに過ぎない。”)


ということで、Quirk氏は“彼らは面倒くさいだけだし、やる必要もないからやってない”という結論に辿り着きます。メジャー・レーベルがバンドからお金を巻き上げようとか、意地悪しようとかそうゆうわけではないし、またちゃんとしたレポーティング・システムを作れる状態にもある。ただ単に、「10,000ドルのミスに“大したことない”と笑ってる」ワーナーのこと、売れないバンドにあれこれ手をかけるのが面倒くさくなっているだけ・・・ということが彼の主張なのだと思います。

ワーナーは言わずもがな大企業なので、デジタル時代のビジネス・モデルに対応するのがインディ・レーベルより大変だというのは想像に難くない話で、理解も出来ます。ただ、お互いの信頼関係という観点から見たとき、このあからさまなビッグ・バンド優先主義が、新人バンドのレーベルに対する不信を募らせる結果にも繋がっているとしたら、ワーナーはものすごく持続性のないビジネスをやっているように感じられます。特に、イデオロギーで動いてる面もある音楽ビジネスなら尚更。

もちろん書かれている暴露話の全てが事実なのかどうかという問題はありますが、Quirk氏の記事は読む価値があります。オススメです。
P2P, Piracy, Digital トラックバック(0) | コメント(0) | Page top↑
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2010/02/13 22:40
今週の英音楽ニュース・復活編(13/2/2010)
本帰国から3週間経ちました。実は既に社会人復帰しまして、お陰様で忙しくさせてもらっているのですが、代わりに、ご覧の通りブログの更新回数がめっきり減りました。せっかく調べた注目ニュースも放置気味に・・・。そこで、短信でも良いのでより多くの面白いニュースを紹介できればと思い、以前やっていた「今週の英音楽ニュース」を復活させることにしました。“深く調べる時間がないからとりあえずここにいれとけー!”ってのもあるのですが、“1つの記事として投稿する程のものではないけど興味深い”タイプのニュースも載せられると思うので、出来るだけコンスタントに続けていきたいと思います。

では早速。今週は2つほど。

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Warner Music may stop licensing songs to free online streaming sites - The Guardian (10/2/2010)
Spotify denies WMG is pulling its catalogue - Music Ally (11/2/10)

最近、Spotifyの日本での知名度が超低いということを改めて感じるので、ここでもう1度説明しようと思います。スウェーデンで始まったSpotifyは、広告ベースで運営されている音楽のオンデマンド・サービス。一定間隔(7曲に1回とか、30分に1回とか言われてましたが、今はどうなっているんだろうか・・・)で挿入されるCMを聞かなければならないものの、4大メジャーや主要インディ・レーベルを含む膨大なカタログを無料で聞けるのが最大の売り。有料サービスもあり、こちらは1ヶ月9.99ポンド(約1500円)の定額制。広告が一切入らないだけでなく、オフラインでも曲が聴けたり、iPhoneのアプリで聞くことも出来ます。現在はヨーロッパと中国(※追記:一度ローンチがアナウンスされるも結局サービスは開始されていない)で使用可能で、近々アメリカにも進出予定。有料サービスにアップグレードすると海外どこでも聞けるので、私はイギリス滞在中にアップグレードして、今も日本でSpotifyを使っています。ちなみに、邦楽のカタログはほとんどないと思います。

で、このSpotifyを始めとした無料ストリーミング・サービスからワーナーが手を引くのではないかというバズが今週音楽メディアを駆けめぐって、かなり大きなニュースになっていました。これは、ワーナーのCEOであるEdgar Bronfmanの以下の発言を受けてとのこと:

“Free streaming services are clearly not net positive for the industry. And as far as Warner Music’s concerned will not be licensed. So this sort of get all the music you want for free and then we maybe we can – with a few bells and whistles move you to a premium price strategy is not the kind of approach to business that we will be supporting in the future.”
(フリー・ストリーミング・サービスは明らかに、音楽業界にとって良いものではない。我々に限って言えば、これらサービスは今後ライセンスを受けないだろう。このような、ちょっとしたおまけ付きの“欲しい音楽は何でもフリーで得られる。我々はきっとできるさ”なんてサービスで、人々をプレミア・サービスに移行させるっていう戦略の類は、我々(=ワーナー)が将来的にサポートするであろうビジネス手法ではないのである。)


Music Allyの記事によれば、SpotifyはワーナーがSpotifyとのビジネスから手を引くのではないかという報道を否定したとのこと。曰く、「脈絡のない話だ」。しかし、記事は、ワーナーが上記のコメントのような考えを持っているのは間違いなく、次の契約更新の際(本文中では“the next time”と表現されている箇所ですが、意味するところはこうでしょう)、ワーナーが再びライセンスを与えるかどうかは不透明と見ているようです。記事は、最後にアメリカでのサービス開始について言及し、「Spotifyは定額制オンリーにするか、ワーナーのカタログ無しでサービスを開始するか、選択を迫られている」と結んでいます。ワーナーといえば、youtubeからも一旦手を引いたレーベルだけに、Spotifyを始めとした無料ストリーミング・サービスとの関係には今後注目する必要がありそうです。


UK Competition Commission to reconsider LiveMaster - CMU News- Blog (12/2/2010)
Appeal sends Live Nation Ticketmaster merger back to competition watchdog - Music Week (11/2/2010)

世界最大の音楽プロモーターLive Nationと、チケット販売業最大手Ticketmasterの合併話。一時は公正委員会から難色を示されたりしたのですが、昨年末にokサインが出て、今年に入ってアメリカでも合併にGoサインが。その後、今月10日にPaidcontentが「正式に合併発表」という報道をしている(via TechCrunch)のですが、これはイギリスのオンライン・メディアでは全く報じられておらず、おそらくアメリカでの話なのかなと思います。そして最新の情報では、イギリスでは、この合併話に待ったがかかり、競争委員会でもう1度見直されることになったようです。

これは、ドイツのチケット販売業者でLive Nationとビジネス・パートナーシップを結んでいるCTS Eventimの申し立てによるものとのこと。以前から報じられていたとおり、CTS Eventimはイギリス参入を目論んでおり、今回の合併は、彼ら自身の参入はもちろんのこと、他のチケット販売業者との競争を妨げかねないと主張していました。彼らの今回の申し立ては「我々は、競争委員会が合併を認める最終判断を下したことに対してレスポンスする機会を与えられていない」というもの。これに対し、競争委員会は「CTS Eventimはそのような機会を与えられるべきだった」と認め、今回の合併に対する判断をもう1度見直すことになったようです。

Live NationとTicketmasterの合併は、彼らによるライブ産業独占を引き起こすとして、懸念を示している人が非常に多いと思います(私もそちら側の1人)。CMUも書いているように、特にアメリカでは既に合併が承認されているので、イギリスで仮にNOが出ても、彼らの独占が進む可能性は十分あるとは思います。このニュースも、今後も目が離せません。

ところで、Live Nationといえば、こんな面白い記事も。Live Nationのチケットが、アメリカの大手スーパー・チェーンであるウォルマートの約500店舗で購入可能になるのだそう。ウォルマートはアメリカ国内ではCDセールスのシェアで第1位だったと思います。「爆発的に売れるミュージシャンのCDを安く売って、ついでに他の商品も買ってもらおう」っていうウォルマートの戦略があるのですが、これはLive Nationとのビジネスでも引き継がれそうな予感。詳しくは下記の記事を参照ください:

Live Nation, Wal-Mart Sign Ticketing Partnership - Billboard.biz (12/2/2010)



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2010/02/06 16:59
European Festival Report 09
一昨年末、英ライブ産業専門誌IQ Magazineが、フェスティバル情報サイトVirtual Festivalsと共に行ったヨーロッパのフェスティバル調査について紹介したのですが(運営編エコ編)、昨年2009年分の調査結果がIQ Magazine Issue 26にて発表になっています。対象は、ヨーロッパ中のフェスティバル・オーガナイザー100つ。ただし、2008年も同数にて行われていますが、顔ぶれが多少異なるとのことで、記事中にもあるように、単純に2008年/2009年と比較しない方が良いのではないかと思います。IQ Magazineはこちらからダウンロードできます。
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プロフィール

anno69(@yano)

  • Author:anno69(@yano)
  • イギリスの音楽産業、特にデジタル・ミュージックと音楽産業における環境問題対策に関するブログ。スコットランド大学院留学記も。
    管理人は、スコットランドのグラスゴー大学大学院ポピュラー音楽学コースを修了し、帰国。音楽好きの普通の会社員をしています。お問い合わせは cielo0818_ls [at] hotmail.com までお気軽にどうぞ。
    A blog dedicated to topics of the UK music market in particular digital music, copyright and environmentalism in pop music.

    ●Twitter:http://twitter.com/anno69
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