イギリスの音楽産業について考えるブログ
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2010/09/24 12:49
Julie's Bicycle: ツアーに係る温室効果ガス排出量に関するリサーチ結果
英音楽業界の環境対策を推進している団体Julie's Bicycleが、"Moving arts: Managing the carbon impacts of our touring - Volume 1: Bands"というレポートを発表したことは以前サラッと触れました。英音楽業界が排出していると考えられる温室効果ガスの大半はライブ活動に係るものということで、この度、ライブ活動のみにフォーカスしたリサーチが行われたという次第です。

以前から何度も書いているのですが、JBのリサーチは大学などの研究機関が行っていて、データの取り方から参考文献の量・質まで申し分なく、信頼おけるものだと思うのですが、リサーチの“後”がどうしても続いてこないというか。このリサーチ結果をどういかしていくかの有効な手段を見いだせていない状況にあるというか。実際にビジネスに関わっている人達も、本来は出来るだけ環境に負担の少ないチョイスをしたいのだという思いはもちろんあるのでしょうが、自分たちのビジネスに利益になるとハッキリ分からない限りはそう簡単には手を出せない。しかも、これは自分が社会人復帰して改めて感じたのですが、そもそも、JBのリサーチをゆっくり読む時間も余裕もない!これも学生時代に何度も書いているのですが、例えばですが、ミュージシャンからの要望があって、環境に負担が少ないチョイスを“行わなければならない”という状況を作らない限りは、このトピックに関してゆっくり考えることが出来ないのではないかと思います。

ということで、あまりこの先の展望が見えてこないので、音楽と環境ネタはしばらくお休みになるかと思いますが、今回のレポートに関してざっくりまとめたのでアップしておきます。元のレポートはこちらでダウンロードできます。
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2010/09/12 10:19
Next Big Sound
IODA teams with Next Big Sound for analytics partnership - Music Ally (10/9/2010)

私も最近まで全く知らなかったこのウェブサイト、Next Big Sound。Youtube、Facebook、Myspace、Soundcloud等のウェブサイト上でのファン行動が瞬時にはじき出され、複数アーティストのデータを比較できるという超優れもの。ちなみに、現時点で同サイトがトラッキングしているサイトの一覧はこちら。現在チェック出来るのは:(1)新たにファン登録した数(2)楽曲プレイ数(3)ページビュー数(4)コメント数 の4つなのですが、大手デジタル・アグリゲーターIODAとのパートナーシップにより、今後はオンラインのデジタル・セールスのデータも提供されることになるようです。

これから更なる改善が加えられていくかと思いますが、今後さらに細かい分析が出来るようになると、かなり使えるツールになることは間違いないでしょう。個人的には、SpotifyやWe7もトラックして欲しいし、地域ごとのデータなんか見れるようになったらものすごく便利だと思うのですが、現時点でもかなり面白い。

とは言っても、文字で追ってるだけでは正直ピンと来ないと思うので、試しにいくつかのアーティストで比較してみました。とても興味深い結果が出ています。早速スクリーンキャプチャーを貼って分析です。

※各画像はクリックすると大きくなります。
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(1)UKインディー新人系
ukindie.jpg
新人じゃないのもいますが、Delphic、Hurts、Two Door Cinema Club、Foalsのプレイ数です。静かに動いていたのが、ここ1週間で爆発的にプレイ数が伸びたHurtsは、ちょうど今週デビューアルバムを出したところ。ミッドウィークで確か3位とかだったはず。リリース直前にメディアに一気に露出して、口コミ云々で一気に広がって、デビュー・アルバム・リリース・・・っていうのは、イギリスにはありがちなパターンか。日本では大人気のDelphicは、アルバムのリリースも大分前だし、今も騒がれてるバンドっていう程人気もないのでこんな感じ。マーキュリーにノミネートされ、アルバムのチャートアクションも好評だったFoalsはさすがにヒット数多いけど、北アイルランドの新人Two Door Cinema Clubと張り合う感じ。ここは見方が色々出来るかもしれません。Foalsは既に固定ファンのついているバンドで今作が2枚目なので、今Next Big Soundがカバーしてるサイトで聞きに行ったりする人が元々少ないのかもしれないし。

(2)USサーフ系
surf.jpg
今年流行のUSサーフ系バンドから、The Drums, Best Coast, Wavves, Surfer Bloodを選んでみました(プレイ数)。NME的注目新人The Drumsの6月頃までの圧倒的なヒット数と、先月発表されたNMEの「50 Best New Bands Of 2010」にThe Drumsを押さえ第1位になったBest Coastの怒濤の追い上げ+追い抜きがとにかく目につきます。比較的ヒット数が安定しているWavvesは、コメント数で見るとやはり強くて、この辺はちゃんと固定ファンがついてるんだなと言うのが分かります。ちなみに、この8月17日頃の全バンドの異様なプレイ数の飛躍は、NMEが「50 Best New Bands Of 2010」を発表したタイミングと重なってます。やはり数字に出ますね。

(3)マーキュリー・プライズ系
mercury0.jpg
最後に、“先週のイギリスはこれで大騒ぎだったはず”のマーキュリー・プライズ。イギリスとアイルランドでリリースされた最も優れたアルバムを選ぶこの賞。日本だと全くピンと来ないかもしれませんが、全盛期の日本レコード大賞+紅白後の売り上げへの影響が、さらに5倍10倍くらいになった感じのことが、イギリス国内では起こっています。売り上げはもちろん、バンドの評判や名誉にも大きく影響を与える大事な賞です。今年は大方の予想通りThe xxが受賞しました。
上のグラフはノミネートされたThe xx, Paul Weller, Mumford & Sons, Biffy Clyroのプレイ数。アメリカでもバズっているThe xxがやはり強い。The xx受賞が決まった今週はまたヒット数が急激に伸びているのもポイント。売り上げ的にはノミネートした12アーティストの中でトップだったMumford&Sonsも、あれだけ売れてるのにまだオンラインでのプレイ数が高いですね。このバンドに関しては、マーキュリーのノミネートよりも元々のバズの方が大きいタイプだと思うので、プレイ数も安定してるかなと。授賞式前日に、それまでオッズ1番人気の突っ走ってきたThe xxを抜いて第1位になったPaul Weller。授賞式の辺りでプレイ数がちょっとだけ伸びたのは、その辺の影響もあるのかも。

mercury1.jpg
そしてこちらは同じ4バンドのコメント数。この秋、ついにウェンブリー・スタジアム2daysを敢行するスコットランドの雄(Yay!)Biffy Clyroのコメント数が半端ないことになってます。この時代に珍しくストレートなグランジ・ロックで、私がグラスゴーにいた時は、友達に「スコットランドで局地的にカリスマ的人気のバンド」とか言われたりしたけど、昨年出た新譜で全英でブレイクしたと聞いて個人的にも嬉しい。コメントが特に多いのはグラスト~T in the Parkの頃っていうのも、熱心なBiffy信者の多い彼ららしい傾向のような。The xxがここ1週間で一気にコメント数を伸ばしているのは、「おめでとう」メッセージのせいでしょう。同じ4アーティストを比較しても、プレイ数とコメント数でこれだけ違う場合もあるということが、このグラフを見ると分かると思います。
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何がともあれ、1度好きなアーティスト名を入れて試してみるのが1番良いかと思います。こちらからどうぞ。
◇Next Big Sound: http://nextbigsound.com/
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2010/09/11 00:01
音楽業界側が常に悪いわけではない
inrainbows.jpg

先日、仕事中に、聞いたことのない曲順でRadioheadの曲がかかるので、何かと思ったらRadioheadの『The Best Of』という、2008年リリースのベスト盤だった。EMIが、Radioheadリイシューやらベスト盤やら貴重映像のDVDやら云々怒濤の勢いでリリースした作品群の1つだ。EMIは『In Rainbows』の前作『Hail To The Thief』までのRadioheadの原盤権を持っている(はず)なので、EMIのカタログにある曲であれば、バンドの許可なしに作品をリリース出来る。当時バンドは、バックカタログを利用したこれらリリースに関しては様々苦言を呈しており、私個人も「EMIは、Radioheadのカタログを使って稼げるだけ稼ごうっていう魂胆が見え見えで嫌だなぁ」と正直思っていた。

で、そんなことを考えている時、ふと思いついたのが、Radioheadが、今年日本限定でリリースした『In Rainbows』の2枚組。2007年に同アルバムを自主リリースした際、ボックスセットにのみ入っていたDisc2を、フィジカルで通常リリースされたDisc1にくっつけたもので、日本では、通常盤、DVD付盤とあわせて、同作品で『In Rainbows』が計3種類リリースされたことになる。ファンから見たら、正直レコード会社の金儲けにしか見えない出し方だし、2種類ならまだしも、3種類目となると、熱心なファンも「またか・・・」と思ったはず(一ファンとして、正直自分もそう思った)。レーベルへの非難も当然あったと思う。が、今となっては原盤権は死んでも手放さないはずのRadiohead、コントロールがきかないEMIの場合とは違い、コントロールのきく同作品に関しては、リリース自体はもちろん、デザイン違いのジャケ写とかその他諸々、彼らの許可があってリリースされた作品ということになる。つまり、ファンにとっては金儲けにしか見えないこのリリースも、バンドにとっては“アリ”だったということなのだ。もちろん、どうしてバンドにとってそれが“アリ”だったのか。例えばビジネスとして良い機会と思ったからなのかとか、Disc2を世に出すのが良いと感じたからなのかとか、理由までは誰にも分からない訳ですが・・・(まぁ、普通に考えたらお金だと思うけど)。

さらに言えば、レコードだけじゃないのだ。どこのイベントに出るとか、プロモーションで何やるとか、ありとあらゆる場面で、バンドの取り巻き(マネージメント、レーベル、プロモーターなど)に対して不満が噴出することが多々あると思う。しかし、ミュージシャン自身や作品が直接関わるビジネス活動に関して、ミュージシャンの許可なしに事が進むっていうことはそう多くはないのではないかと思う。もちろん、どこまでバンドが理解してOKを出したかどうかというのは、正直分からない部分もあるけど、プロセスとしては、バンドの許可があって物事が進んでいく。

ファンから見たら「なぜ?」と思うようなことも、そのミュージシャンの同意の元行われているという視点は、音楽ファンの中で明らかに欠けている。何かあると何かとビジネスを受け持つ側に不満の矛先が向きがちだけど、ミュージシャンもそのビジネスの中にいるというのは忘れてはならないと思う。
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プロフィール

anno69(@yano)

  • Author:anno69(@yano)
  • イギリスの音楽産業、特にデジタル・ミュージックと音楽産業における環境問題対策に関するブログ。スコットランド大学院留学記も。
    管理人は、スコットランドのグラスゴー大学大学院ポピュラー音楽学コースを修了し、帰国。音楽好きの普通の会社員をしています。お問い合わせは cielo0818_ls [at] hotmail.com までお気軽にどうぞ。
    A blog dedicated to topics of the UK music market in particular digital music, copyright and environmentalism in pop music.

    ●Twitter:http://twitter.com/anno69
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