イギリスの音楽産業について考えるブログ
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2011/01/29 11:12
Nokia Comes With Music comes end.
ovi-music-unlimited.png

Changes to Ovi Music Unlimited to make way for new services - The Official Nokia Blog (17/1/2011)
Nokia’s ‘Comes With Music’ Disappears In 27 Markets - paidContent:UK
Nokia to scale back free music service - FT.com (17/1/2011)
Nokia drops free downloads service in UK - The Guardian (17/1/2011)

フィンランドの大手携帯電話会社Nokiaが展開している音楽サービスNokia Music Storeの一部である“Ovi Music Unlimited”が、昨年末をもってイギリスを含む27マーケットでサービスを停止。サービスを継続する国の情報が錯綜していますが、Nokiaの公式ブログによれば、中国とインドでは12ヶ月の、ブラジルと南アフリカでは6ヶ月の購読サービスを継続するとのことです。

このサービスは、元々“Comes With Music”と呼ばれていたもの(そういえば名称が変わったことをすっかり忘れてました)。2008年のローンチ時、“all-you-can-eat”型サービスとして大変注目を集め、4大メジャーも、アップルの市場独占を打ち崩す期待のサービスとして全面バックアップ。現在の音楽ストリーミング・サービス隆盛に繋がる重要なサービスだったと言っていいと思います。さて、そのOvi Music Unlimitedのサービス内容は以下の通り:

- Nokiaの特定の機種を購入することで、1年間無制限且つ無料で300万曲以上のカタログから音楽をDLできる。
- DLしたファイルは携帯本体の他、Nokia Ovi PlayerをインストールしたPCでも聴ける。
- 1年間の契約を終えた後も、契約期間中にDLした音楽ファイルは、そのNokiaのデバイス上で引き続き聴くことができる。
- DRMフリーではないので、限られたデバイスでしか音楽を聴くことが出来ない。
<参考>
Ovi Music Unlimited公式サイト(accessed on 29/1/2011)
今週の英音楽ニュース(4/09/2008) - Green Sound from Glasgow(5/09/2008)


2008年のローンチ時はとてもセンセーショナルでしたが、2年経った今見ると、決して優秀なサービスではなくなっていることに気付きます(たった2年にも関わらず、といったところではありますが)。冒頭のニュース記事をざっくりまとめると、このサービスが失敗した主な要因として考えられるのは:

- Nokiaの一部機種でしかこのサービスを受けられない。
- DRMフリーではないので、他のデバイスでOvi Music UnlimitedからDLした音楽を聴けない。
- 独自の音楽サービスを運営している一部携帯会社が、Ovi Music Unlimitedのサービス開始に消極的であった。


Music Allyが伝えたところによれば、同サービスの利用者は2009年10月の時点で全世界でたったの10万7千人(詳細はMusic Allyのこちらの記事を参照)だったようで、FT.comも指摘するように、マーケティング不足をサービス停止の一要因と捉えている人も多いようです。ただ、携帯音楽配信マーケットではむしろ成功している方ではあったと思います。Music Allyが昨年5月に伝えたデータによれば、Oviを含むMP3ストアとしてのNokia Music Storeは、アップルがマーケットシェア28%で1位だったのに対し、Nokiaはマーケットシェア22%で第2位。「携帯音楽配信に力を入れ、広告を有効的に打ってきた結果だ」といった旨のコメントも記事では紹介されています。(詳しくはMusic Allyのこちらの記事を参照。拙ブログでもこのエントリーで取り上げました。)。しかしながら、日本とは違い、特にNokiaがベースとするヨーロッパでは、携帯で音楽を“聴く”ことはあっても、“購入”する人は非常に少ない。同記事内で紹介されているヨーロッパ5カ国を対象とした調査では、携帯から直接音楽を購入する人は僅か1.9%。今はSpotifyもWe7もスマートフォンで聴けるし、PCから携帯にファイルを移して聴く人もやはり多い。今回のOvi Music Unlimitedのサービス停止は、サービス内容にももちろん問題はあったと思いますが、(少なくともヨーロッパにおける)携帯音楽配信市場の開拓の難しさも、やはり大きな要因として考えられるのではないかと思います。ただ、Nokiaが今回サービスを中止したエリアには中東や南米(ブラジルは除く)も含まれるので、本来はそれらエリアでは携帯から音楽を購入するのがどれほどポピュラーなのかも考慮すべきですが、それを検証できるデータが見つからず・・・。

また、paidContent:UKにもあるように、中国、インド、ブラジル、南アフリカでサービス継続となった背景も明らかではありません。これらの国では運営がうまくいってるから継続なのか、今後重要なマーケットとなってくるために敢えて継続にしたのかは、今後のNokiaの動向を見ながら考えるしかないようです。
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2011/01/23 09:37
『第2回 音楽コンテンツや音楽ビジネスについてざっくばらんに語る会』ご報告
先週日曜、『第2回 音楽コンテンツや音楽ビジネスについてざっくばらんに語る会』を開催しました(告知記事はこちら)。前回は5人ということで、今回は10人弱程と見込んでいたのですが、最終的には20人弱の方に来て頂きまして、大変感謝しています。予想以上の方にお越し頂いたこともあり、直前に場所を変えたりバタバタさせてしまいましたが、参加された一人一人が有意義な時間を過ごしていただけたなら本望です。一緒にオーガナイズいただいている「P2Pとかその辺のお話」のheatwave_p2pさんには色々と引っ張っていただきました。ありがとうございました!

さて、前回もそうだったのですが、それ以上に今回は年齢層、職業、興味関心等、広いバックグラウンドの方が集まり、それぞれの世代の声、現場の声を持ち寄っていただき、笑いあり涙あり(?)のかなり面白い議論になったのではないかと思います。「レコードの”次”は何か?」というテーマで話を始めるにあたり、お互いの音楽の聴き方、レコードとの付き合い方から話し始めたのですが、やはり世代によっても違うし、CDを手に取るのが癖のようになっていると言う人もいれば、仕事上必要な物を必要な時に手に入れるのに配信を利用しているという人もいる。配信と言っても、着うたは高校生までじゃないかという学生さんがいる。音楽の聴き方や考え方が多様化しているのはこの場でもやはり明らか。その後は、ボーカロイドやニコ動周辺の話、過去カタログの話、アーティストの見せ方の話、様々なものが可視化されていく中で制作の裏側をどこまで見せて良いのかという話、アイドルとミュージシャンでのビジネスの違い、アーティストが打ち出していかねばならないこと等々、話は多岐に及びました。参加された皆さんがそれぞれ、この幅広い会話の中から色々お持ち帰りいただければと思います。

このだべり会はいわゆるオフ会であるとはいえ、音楽ビジネスに関するこういった開かれた意見交換の場というのはなかなかないと思っていて、だからこそ意味があると私個人は強く感じています。とてもゆる~い会なので、勉強で来てみるもあり、暇だから来てみるもありな会だし、これからもそうあり続けると思います。またフラッと開催しますので、その際は是非お越しください!参加された方のフィードバック、こんな話がしてみたいという要望等々あれば、是非ご連絡を!

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2011/01/22 10:58
UniversalとSony、シングル解禁後、即発売する“on air on sale”方式の採用へ
Universal and Sony to change singles release policy - BBC Newsbeat (17/1/2011)
On air on sale = amazing - Popjustice (17/1/2011)
FAC statement on “on air on sale” - FAC statement (16/1/2011)
Blur's Dave Rowntree On The Future Of The Music Industry - Gigwise (17/1/2011)

今年2月より、イギリスにてUniversalとSonyが、ラジオやオンラインで解禁されたシングル曲を即座に販売する“on air on sale”をとることになりました。そこには、ラジオでオンエアされた直後に、リッピングした質の悪い音源がネット上で出回り、音質の悪い作品をファンに聞かせてしまう、またはP2Pなどでその音源がシェアされていくのを防ぐといった狙いがあるようです。これまではラジオで独占オンエア後、しばらく時間をあけてフィジカル(もしくはデジタル)・シングルとしてリリースし、アルバム・リリースまでの期待感を高めるといったプロモーション手法がとられていたかと思いますが、これこそが、シングルの売上げを落とし、ファンの違法DL行為を助長しているのではないか、という考えがあるのではないかと思います。

Popjusticeにあるブリトニー・スピアーズのニュー・シングル“Hold It Against Me”(Sony)の件がとても良い例になるかと思います:

<世界各国>
先週木曜、同曲がオンライン&ラジオでのシングル解禁。

程なく世界各国でシングル発売を開始し、17カ国のiTunesチャートで1位を獲得。

<UK>
先週木曜、同曲がオンライン&ラジオでのシングル解禁。

販売は2月に設定され、解禁から発売までおよそ1ヶ月のギャップができる(Lady Gagaとのリリース日がバッティングするのを防ぐなどの目的があった様子)。

1ポンド払ってシングルを購入する気のあるファンも多くいただろうが、1ヶ月も待てないファンは、違法DL、もしくはリッピングした音源をYoutubeで楽しむなどする。これでは、2月のシングル・リリース時には、コアなブリトニー・ファンのみがシングルを買うという結果になりかねない。

UKレーベルは、シングルの発売日を前倒しし、今週月曜日にリリースされた(発売日当日に書かれた記事なので、結果が書いてありませんが、調べたところ、無事にiTunesチャート1位を獲得したようです)。


拙ブログのこちらの記事でも紹介しましたが、UKは比較的デジタル・シングルの売上げがまだちゃんと伸びているので、まだ“シングルを(デジタルで)買う”という消費者層がそれなりにいると考えても良いのだと思います。そうなると、やはり売る機会を逃したくないというのがレコード会社の本音ではないかと。

それに、デジタル時代の今、“シングルをラジオのみで先行解禁し、その後のシングル発売日に向けた盛り上がりを作る”というプロモーション方式がもはや意味をなしていないのは明確です。ライト・リスナーや新しいファンを掴むのであれば、(イギリスではまだ影響力の大きい)ラジオのオンエア数を増やすことの方が大事。youtubeやsoundcloudのリンク付きでのネッ上のバズもしかり。となれば、世界初解禁は、プレスのピックアップさえとれれば(「あの大物の新曲が遂に解禁!」的な盛り上がり)役目は全うしたと言え、解禁後のアルバムへ向けた盛り上げというのは、正直“on air on sale”にはあまり関係ないのかな、と。むしろ、解禁のタイミングで盛り上がったところで、すぐにファンがシングルを購入できる環境があり、それによりiTunesチャート上位獲得のニュースの方がよほど重要なプロモーション・ツールになるのではないかと思います。

また、アーティストとしても、音質の良いものを聞いてもらいたいという思いはあるでしょう。昨年のレコード・ストア・デイでブラーが“Fool's Day”を7インチで限定リリースした時、7インチはもちろん即完しましたが、ラジオでオンエアされてしまったが故、ラジオからリップした(ものすごく音質の悪い)音源が大量に出回り、結果、その日のうちにブラーの公式サイトにてMP3とWav音源を無料配布したという出来事がありました。もはやファンは“待てない”のですね。それで悪い音源が出回るなら、そしてまだシングルをちゃんと買うファン層が残っているのであれば、彼らがオフィシャルな音源にリーチできるように準備してあげることがファンにとっても優しいのではないかと思います。

ちなみに、イギリスのクリエイティヴ産業大臣Ed Vaizey氏も、この“on air on sale”方式を支持するコメントを発表しています。詳しくは以下のMusic Weekの記事を参照のこと。

UK Government gets behind on air/on sale - Music Week (18/1/2011)
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2011/01/15 10:10
Tubeifyと音楽消費の今後
tubeify.jpg

Tubeify:YouTube、Last.fm、ビルボードの『歴史的』ミュージック・マッシュアップ・サイト - P2Pとかその辺のお話(3/12/2010)

昨日、NielsenとMidemが共同で調査報告を発表、「youtube上での音楽消費活動は、音楽配信サイトの3倍」というニュースが話題になった(実際は“youtube”ではなく“PCで音楽動画を見ている”なのだが)。Music Allyの記事に数字だけ端的に載っているので参照して頂きつつ、Midemのサイトからフルレポートがダウンロードできるので、興味のある方はこちらからどうぞ。

まぁ、【youtube>音楽配信サイト】という構図は大して面白いニュースでもないですが、ちょうどtubeifyで音楽を聴いていたところでこのニュースが入ってきたので、ついでにtubeifyについて紹介してみようかなと。「P2Pとかその辺のお話」さんの上記の翻訳記事がとてもわかりやすいので是非ご一読を。

Tubeifyは“youtube+Last.fm+Billboardのマッシュアップ”という言葉が指すように、youtube上の動画を音楽プレイヤーのようにして聴くのに便利なサービス。プレイリストを作成することも出来る。また、Billboardの1964年以降のチャートをすぐに参照でき、そのチャートをプレイリストとして再生することも出来る。さらに、ブラウザを開いて使うため、インターネットを使える環境にあれば、どのPCからでもtubeifyが使える。もちろん無料です。招待制ですが、メールアドレスを入力すればすぐに承認メールが送られてくるようなので、まずは自分で試したいというあなたはこちらからどうぞ。

11-1-15.jpg


さて、tubeifyで実際に何が出来るのか。試しに「JBK」で検索してみました。検索に引っかかった作品の一覧が上記のように表示されます。文字が薄くなっているものはそのビデオがないということです。再生すると、次々とビデオが再生されます。ちなみに、1番右の購入用ボタンですが、これはamazon.comに飛ぶようになっています。

<問題点>
- 検索した時、お目当てのアーティストも出てきますが、同名だけど全然違うアーティストのもの、アマチュアの方のカバー等々、意図していない作品も結構出てきてしまう。
- 音質にムラがある
- アーティスト名、アルバム名、曲名以外の検索ワードで探すのが結構大変なので、検索する際工夫が必要(例えば、アマチュアの方がギターパートをコピーしているビデオを集めるとなると結構大変)。

色々試してみましたが、欲しい映像や音がある時、先に検索ワードでバッと調べて、欲しいものだけプレイリストに突っ込んで、その後再生すれば、変なカバーにじゃまされたり音質が悪すぎて聴けたものじゃない作品にぶち当たらなくて済むかな、と。この少しの努力だけ惜しまなければ、かなり活用できるツールであると思います。

tubeifyは、“画質・音質の良いものを大画面で楽しむ”よりも“欲しい時に欲しいものだけを検索して見る”方に先に慣れてしまったかもしれない若者たちには特に魅力的に映るかもしれません。youtube上では違法コンテンツがまだまだ多いのも確かですが、同時に、結果として貴重なアーカイブ倉庫としての役割も果たしている事実もある。アメリカのように、オンデマンドのテレビ放送やそれに似たサービスが普及すれば、事態は変わるかもしれない。でも、それより前に、youtube上に、人気の、もしくは貴重な映像がいち早くアップされ、またtubeifyのような便利なオンラインツールが次々と登場し、消費者がそちらに先に流れて慣れていってしまう。個人的にはtubeifyは非常に興味深いツールだと思っていますが、同時に、例えば法整備であるとか情報リテラシー教育であるとか、周辺の環境というのも早急に整えていかないといけないということも改めて感じています。明日のだべり会で話す機会はあるかな・・・。
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2011/01/10 10:05
2010年のレコード・セールス(US/UK)
The figures are in for 2010 sales in the US and UK - Music Ally (6/1/2011)
U.S. Album Sales Dropped 12.8% Last Year, Digital Tracks Post Small Gain - Billboard.biz (5/1/2011)

昨年2010年のレコード売上げは果たしてどれくらいだったのか、USとUKの数字が出てきたので、Music AllyとBillboardの記事を元にざっくり見ていきます。

■US(Nielsen SoundScan発表)
CDアルバム:3億2620万ユニット(前年比:▲12.8%)
デジタル・アルバム:8630万ユニット(前年比:13%)
デジタル・シングルトラック:11億7000万ユニット(前年比:1%)
トータル・セールス(CD、デジタル、音楽映像ソフト含む):15億1000万ユニット(前年比:▲2.4%)
※トータルのCDセールスは20%の下落。具体的な数はフル・レポートを購入すれば分かるかと思いますが、PRでは発表しなかったようです。
※数は全て数量ベース

■UK(Official Charts Company発表)
CDアルバム:9850万ユニット(前年比:▲12.4%)
デジタル・アルバム:2100万ユニット(前年比:30.6%)
トータル・アルバム(CD+デジタル):1億1990万ユニット(前年比:▲7%)
シングルトラック(CD+デジタル):1億6180万ユニット (前年比:5.9%)*うちデジタルが98%。


※数は全て数量ベース

ということで、どちらの国も、フィジカルのセールス下落をデジタル・セールスの成長だけでは補えていないという現状を改めて示す形になっています。デジタルも成長しているとはいえ、シングルトラックでは頭打ちになっているのも頭にとどめておきたいところ。

ちなみに、2008年のUKセールスについては拙ブログでも取り上げました。2009年分はBBCの以下の記事で読めます。傾向としては、デジタル・シングルトラックの伸び止まり以外はここ数年似たような傾向が見られるのかなと思います。:
今週の英音楽ニュース(11/1/2009) - Green Sound from Glasgow (12/2/2009)
Downloads up as album sales drop - BBC News (7/1/2010)


最後に、Billboard.bizより、USのマーケットシェアは以下の通り:

■レーベル別USマーケット・シェア
Universal Music Group: 31.4%(レディ・ガガ、エミネム等)
Sony Music Entertainment: 27.4%(マイケル・ジャクソン、スーザン・ボイル等)
Warner Music Group: 19.8%(ブルーノ・マーズ等)
EMI: 9.6%(ケイティ・ペリー等)
インディ系カタログ:11.6%

ちなみに、メジャー・レーベル系列のインディペンデント・ディストリビューターはこのシェアには含まれていないそうです。アメリカでメジャー系列じゃないインディペンデント・ディストリビューターをつかっている、そこそこ知名度のあるインディバンドってどの辺がいるんだろう・・・。

日本のセールスに関しては、RIAJの数を待つことにしますが、オリコンの年間ランキングはこちらで見れるので、興味のある方はどうぞ。
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2011/01/08 00:00
『第2回 音楽コンテンツや音楽ビジネスについてざっくばらんに語る会』開催します
※時間と場所に変更がありました!(1/13更新)

『第2回 音楽コンテンツや音楽ビジネスについてざっくばらんに語る会』
日時: 1月16日(日)午後3時半~大体6時頃迄 午後4時半~6時半頃 ★出入り自由!飛び入り参加歓迎!
場所: 渋谷駅から歩いて行けるファミレス(ちゃっちくてすいません) 渋谷某所(連絡いただければ詳細お送りします)
★場所の連絡や人数把握のため、一声かけて頂けるとありがたいです。ツイッターにて私(@yano)かheatwave_p2pさん(@heatwave_p2p)にDMかリプライ、もしくはこの記事のコメント欄に一言ください。

<テーマ>
「レコードの”次”は何か?」
レコード・ビジネスが斜陽産業と言われる昨今。海外と同様、果たして日本もこのままレコードからライブ主体の音楽ビジネスに移行していくのか?大物、新人、セミプロ、メジャー、インディ・・・と多様化するアーティストの活動形態も考慮しつつ、ざっくり語らいます!
<参考図書>

未来型サバイバル音楽論―USTREAM、twitterは何を変えたのか (中公新書ラクレ)未来型サバイバル音楽論―USTREAM、twitterは何を変えたのか (中公新書ラクレ)
(2010/11)
津田 大介、牧村 憲一 他

商品詳細を見る

デジタル音楽の行方デジタル音楽の行方
(2005/12/06)
David Kusek、Gerd Leonhard 他

商品詳細を見る

※前回の様子については拙ブログのこちらを参照のこと。


一読者として大変お世話になっているブログ「P2Pとかその辺のお話」のheatwave_p2pさんと、昨年10月にさっくり開催した、だべり会の第2回を開催します。非常に形式張った会をご想像されるかと思いますが、実際はお茶を片手に語るだけの非常にゆる~い会です。とはいえ、前回は楽しすぎた分ゆるすぎたという反省があり、今回は軽くテーマを決めました。また、それにあわせて参考図書なんてのも考えてみました。どちらもそんなに長くなく、今回参加されようがされまいが必読の2冊かと思いますので、あと1週間では読めないとしても、いずれの機会に是非ご一読いただければ、と。

専門知識があるとかその筋に詳しいとかよりも、学生や主婦、社会人といったそれぞれの立場から、今の音楽業界をどう見ているのかの意見交換が何よりもこの会の面白いところの1つだと思いますので、あまり気兼ねせずにお越しください!
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2011/01/01 13:18
音楽業界の向かう先~ミュージシャン、ビジネス、そしてファン~
11-1-1.jpg
新年あけましておめでとうございます(スキャンがないのでこんな荒い画像で申し訳ない・・・)。

拙ブログを読んでくださり、いつもありがとうございます。昨年1月末に帰国してからは、週末更新でマイペースに進めてきたにも関わらず、嬉しいことに見に来てくださる方この1年で少しだけ増えました。とてもありがたく思っています。更新回数の減少で重要ニュースの取りこぼしもかなり多かった(特に著作権法関係)かとは思いますが、今年はもう少し頻繁に更新できるよう努めて参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

さて、昨年最後のエントリーにしようと思っていたネタを書きそびれてしまったので、今年1発目として書こうと思います。何かというと、“ポピュラー音楽とどう付き合っていくか”について。そして音楽業界の未来について。そのために、まず“ポピュラー音楽とは?”について書いてみます。この件に関しては、実は大学院在籍中に2度ほど書かせて頂きました:

前期終了 - Green Sound from Glasgow(5/12/2008)
評論家を疑う - Green Sound from Glasgow(8/12/2008)

ポピュラー音楽学を学んだ上で、私自身が理解する“ポピュラー音楽”は、「“アート”と“商品”という二面性を持っている。ある人が、音楽という名の下にある創作物を生み出し、それを媒介(ここで言う“媒介”は、アンプからハードウェア、マスメディアに至るまでを指す)を通じてより多くの人に伝えようとする。その伝えようという行為には、商品として売り出すという行為も含む」といったところだろうか。ミュージシャンが音楽関連企業(レーベル、マネージメントなど)と契約する行為は、自分たちの創作物をビジネスとして扱っていくという契約でもあると思っている。だから、ミュージシャンには音楽に徹して欲しいし、そうゆう環境が与えられるべきだとは思うけど、個人的には、彼らには自分のビジネスに無関心でいて欲しくない。ビジネスをどう動かすかで、本来の“より多くの人に聞いてもらいたい”という彼らの本来の目的にどうたどり着けるかが変わってくると思うから。残念な事に、私はミュージシャンでもマネージャーでもないので、この点に関しては完全に私個人の推測に基づく意見でしかないのですが。

この前提を元に話を進めると、ポピュラー音楽というのは、作詞家/作曲家/演奏家の手を離れた瞬間から、ものすごくコマーシャルな流れに乗ることになります。レコードを出したりツアーをする過程でファンがつき、マスコミが追いかけ、評論家が批評し、時には異業種とのコラボレーションがあり・・・と、色んな人やものが巻き込まれていく。しかし、どんな時にもその中心にいるのはその音楽という創作物を生み出したミュージシャン。もちろん細かいところも含めて全てとは言いませんが、たとえどんなにダサイことでもずるがしこく見えることでも、基本、ミュージシャンのGoサインなしにそれらビジネスが進んでいるということはないと考えて良いと思います(あってもいつかそのミュージシャンにばれてニュースになるでしょう)。先日、宇多田ヒカル氏が、以前所属していたユニバーサルが彼女の許可なしにベスト盤をリリースした件について、ファンに不買を求める出来事がありました。この作品は、彼女とユニバーサル双方が同意し交わした契約に則ってリリースされたもの。ミュージシャンの望まないリリースは残念ではありますが、やはり、もしそういったリリースをされたくなかったら、宇多田氏がユニバーサルと契約する時点で手を打っておく必要があったと思います。それを全てユニバーサルのせいにするのはミュージシャンにとっても、またファンにとってもあまりに都合が良すぎる。以前拙ブログでも、事例の種類は異なりますが同じような結論に至るエントリーを書きましたので、興味のある方は是非:

音楽業界側が常に悪いわけではない - Green Sound from Glasgow (11/9/2010)

さて、“ポピュラー音楽との付き合い方”に移ります。私はティーンになる直前にロックに出会って以来、日本で一音楽ファンとしてCDを聞き、ライブに行き、音楽雑誌やウェブサイトを読みまくる学生時代を過ごしてきました。その後、イギリスでポピュラー音楽学を学ぶことになるのですが、先述したポピュラー音楽の二面性について深く学ぶにつれ、音楽のビジネス的側面を知ってもなお決して揺らぐことのなかった“音楽は本来アート”という心の根底の部分をズタズタにされました(つまり、それは思い込み、幻想だったのですね)。言葉で説明するのが大変難しいのですが、「ポピュラー音楽とビジネス」だけなら何てことなかったものの、音楽とアートの部分に切り込まれた時の衝撃は大きかったのです。その時に、自分は完全にフラットになれたと思っているのですが、その状態で日本に帰ってきた時、「日本の状況はちょっとやばいな」と。様々な要因が複合的に絡み合った結果、日本で音楽ファンをやっていると、どうもミュージシャンが必要以上にピュアな存在に見えてくると言うか、偶像崇拝的にミュージシャンを見てしまうのではないかと。先の宇多田氏の件でも見られたことですが、何かネガティヴなことが起こった時、状況がよく分からないからやたら“ミュージシャン以外”に責任を求める、もしくは、盲目的にミュージシャンを擁護するファンがいる。“アーティストだからしょうがない”とどうゆう訳か特権を与えられていることもある。冷静に考えれば、実はミュージシャンにその非難が行くべき場合だってあるはずにも関わらず、です。

私は、この状況は決して望ましいものだとは思っていません。音楽業界の未来を考えるとしたら、やはりもう少し俯瞰して音楽を見ることの出来る環境を作っていくべきだと思う。ミュージシャン、ミュージシャンを取り巻くビジネス、そしてファンがお互いの立場や役割、そしてお互いの関係性を理解しようとしない限り、既に沈みかけている日本の音楽業界はこのまま廃れていくだけ。最終的には、生み出された音楽やライブ・パフォーマンスが何よりも大事。ただ、だからといって、良い面だけをひたすら見せる(時には不必要に感情を煽る)とか、良い面だけを見ようとしてその裏で起こっている営みに無関心でいることや、その裏の営みを不必要に“隠す”その先に、果たして音楽業界の未来があるのかな?と。特に、これからミュージシャンや音楽ビジネスに従事する人、そして音楽ファンとして成長していく若い子たちには、もっと可視性のある音楽シーンの中で音楽を聴いてもらいたい。そうすれば、今までのレールとは違ったレールを敷くことの出来る人が必ず現れるはずだし、より良い音楽制作環境も作れるだろう。ファンによりありがたいビジネスモデルを作る可能性も広がる。何も分からないうやむやな状況で褒めあったり逆に非難しあったりでは何も生まれない。

長くなりましたが、この「もう少し俯瞰して音楽を見ることの出来る環境を作っていく」ために、これからもコツコツとこのブログを更新続けたいと思います。改めて、今年もよろしくお願いします。
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プロフィール

anno69(@yano)

  • Author:anno69(@yano)
  • イギリスの音楽産業、特にデジタル・ミュージックと音楽産業における環境問題対策に関するブログ。スコットランド大学院留学記も。
    管理人は、スコットランドのグラスゴー大学大学院ポピュラー音楽学コースを修了し、帰国。音楽好きの普通の会社員をしています。お問い合わせは cielo0818_ls [at] hotmail.com までお気軽にどうぞ。
    A blog dedicated to topics of the UK music market in particular digital music, copyright and environmentalism in pop music.

    ●Twitter:http://twitter.com/anno69
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