イギリスの音楽産業について考えるブログ
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2011/03/26 18:21
DEAが司法審査へ:「施行は早くても2012年春」
昨年4月に可決された、イギリスのデジタル分野における経済関連法"Digital Economy Act(DEA)"に新たな動きがあったようです。DEAはメディアやゲームなど、デジタル関連分野全体をカバーするもので、この中には音楽に関わるものも含まれます。DEAには3ストライク・スキームとなるものも含まれており、大変問題視されていましたが、イギリス議会解散にともなう消化試合期間(wash-up period)に、ろくな議論もされないまま昨年4月に可決。その後、Ofcom(英国情報通信庁)が本法律運用のための規定案を発表し、ISPsは今年初めにも違法ダウンロードに関するデータを集めることになっていました。DEAに関しては、拙ブログのこちらの記事も参考までにどうぞ:

Digital Economy Bill発表 (24/11/2009)
今週の英音楽ニュース (14/3/2010)
(追記有)Digital Economy Bill、法律化へ その1 (11/4/2010)
Digital Economy Bill、法律化へ その2 (18/4/2010)
Digital Economy Act: Ofcomが規定案を発表 (12/6/2010)

ところが、今年1月に施行される予定だった本法律が現在も施行されていないとのこと。また、イギリスの大手ISP、BTとTalk Talkからの申し立てを受け、本法律が司法審査を受けることになったようです。Telegraphによれば、本法律の施行が早くても2012年春となることを政府が認めたとのことです。

Digital Economy Act: 'rushed' anti-piracy laws delayed until 2012 - Telegraph (21/3/2011)
Digital Act heads to High Court - BBC News (23/3/2011)
ACS:Law highlights challenge for Digital Economy Act - The Guardian (22/3/2011)

英国文化・メディア・スポーツ省(DCMS)のスポークスマンがTelegraphに語ったところによると、まず、政府はコスト・シェアに関する合意についてEUから承認を得る必要があることを知らなかった、と。その承認は既に得ているが、どこが費用を出すのか等運用面についてイギリス議会の承認を得なければならず、またOfcomも上訴のプロセスを決めなければならないということで、どうも話がなかなか前進していない様子。

BBCによると、今回BTとTalk Talkが申し立てを行ったのは、この法律にあるアンチ・パイラシー対策が、ユーザーのプライバシーを必要以上に侵害することになるためというのが1つの理由となっているとのこと。現在、本法律では、著作権保有者の申し立てにより、違法ダウンロードによる著作権侵害を疑われている人に対して、ISPsが警告状を送ることになっています。この対策を1年行い、結果70%以上のパイラシー行為の減少が見られなければ、Ofcomによってインターネット回線一時切断を含めた技術的なパイラシー対策へと移行する予定となっています。しかし、違法ダウンロードが行われたIPアドレスを特定出来ても、同じIPアドレスを使ってインターネットにアクセスする人は複数になるため、著作権侵害行為を行った個人まで特定するのが非常に難しいとのこと。違法行為がフリーwi-fiを通じて行われていれば、個人の特定はなおさら難しくなります。これは以前から指摘されていることで、実際、The Guardianの記事にあるACS:Lawのケースのように、無罪である人にまで警告状が送られて大きな問題になりました。Telegraphによれば、DCMSの大臣Jeremy Hunt氏が、この法律が実際に働くのか疑問があるとコメントしているようですが、こうなるのは見えていたのでは?と思ってしまいます。

最後に、Forrester Researchのアナリスト、Mark Mulligan氏のコメントをBBCの記事から引用します:

"Peer-to-peer file-sharing is yesterday's game. People now are going off the network where they won't be detected - swapping hard-drives, and getting music via blogs and upload sites,"
(P2Pを使ったファイル共有はもはや昨日のゲームです。人々は今、存在を見破られてしまうネットワークを離れている - 彼らはハードドライブを交換したり、ブログやアップロード・サイトから音楽を得ているのだ)

法律が実際に施行される間に、ものすごい勢いで状況が変わってしまうのが、デジタルの時代ということでしょうか。
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2011/03/21 18:55
UKローンチ目前のVevoと、360度ビジネスに向かう音楽サービスの話
Music video website Vevo to launch in the UK - The Guardian (16/3/2011)
Business Matters: The Numbers Behind Vevo's Growth - Billboard.biz (14/3/2011)
Vevo to launch UK service 'imminently' - Telegraph (16/3/2011)

北米で展開されている動画配信サイトVevoが、間もなくUKでローンチされるのではないかと、The Guardianが伝えています。先日、Abu Dhabi Media SummitにてVevoのチーフ・エクゼクティヴRio Caraeffが語ったところによると、Vevoは“planning to launch in the UK imminently(イギリスではすぐにでもローンチする計画だ)”とのこと。

“Vevo”という名前は、拙ブログを読まれている方は知って当然かもしれませんが、世間的には日本ではYoutube程はメジャーではないでしょう。とは言え、Youtubeで音楽を楽しんでいる人なら聞いたことはあるはず。例えばアメリカのスーパースターLady Gagaのyoutubeのチャンネルは、名前が「LadyGagaVEVO」。そしてYoutubeにアップされた最新のビデオも、よく見ると右下に“VEVO”というロゴがハッキリと記されています。そう思ってエンベッドしようと思ったんですけど、エンベッドしたらロゴが消えちゃいました・・・。ということで、その動画はこちらでご覧下さい。

Vevoは、Universal Music GroupとSony Music、Abu Dhabi Mediaによるジョイント・ベンチャーで、EMIを含めた3大メジャーがVevoからミュージック・ビデオを配信しています。その多くがYoutubeのインフラを活用した配信で(以前90%と発表していましたが、Telegraphだと70%ですね)、Youtubeの親会社であるGoogleとVevo間で広告収入が配分されています。Vevoが公式にスタートしたのは2009年12月ですが、僅か1年ちょっとで一気に成長。上記のBillboar.bizの記事に、カナダで行われたカンファレンス「Canadian Music Week」での報告を含めた様々な統計値があるので興味のある方は是非お目通しいただければと思います。その1つであるNielsenの統計では、アメリカ国内におけるオンライン動画配信サイトの今年2月のユニーク・ビューワー数では、Facebookを差し置いて第2位(第1位はYoutube)となっています。

プロモーションの一環として動画を配信するなら、Youtubeに公式チャンネルを作れば良いだけのこと。UMGやSonyが敢えてVevoを通じて配信するのは、自社商品のプロモーションしながら広告収入を得られて一石二鳥だからでしょう。画質や音質も良いのでユーザーやアーティストにも嬉しいし、どこぞの動画ではなくオフィシャルな動画に広告をつけられるというのは広告主のインセンシヴにもなる。

成長を続けているVevoがUKに入ってくると、UK国内ではどんなことが起こりうるか。Telegraphの記事から引用します:

As well as watching music videos, users are able to buy concert tickets. Vevo is an active sponsor of events and concerts in the US and, when it launches in the UK and other territories, sources said it will look at similar marketing opportunities.
(ミュージック・ビデオを見るのと同様に、ユーザーはコンサートチケットを買ったり出来るようになる。アメリカに置いて、Vevoはイベントやコンサートの積極的に出資しているが、情報提供者によれば、UKや他のテリトリーでローンチされた時も、Vevoはこれに似たようなマーケティングの機会を探っていくだろうとのことだ。)

While currently an advertising-funded model, it is understood that Vevo will eventually consider a pay-for model.
(現在は広告ベースの動画配信サイトだが、Vevoもいずれは有料モデルのサービスを検討することになると思われる。)

ストリーミングから色々な音楽関連のサービスと繋がって、最終的に有料モデルへ・・・という流れは十分あり得るでしょう。「そう言えばSpotifyもThree Mobileとコンサートやってたよなぁ」なんてことも思い出されるわけですが(拙ブログのこちらを参照)、レーベルが出資して運営しているサービスがコンサートへの出資となると、だんだん360度に近づいていきますね。コンサートのチケット販売については、We7でも買えるし、最近はThe Guardianでも買える。“中間業者をカットしよう”よりも、“色んなところで買えるようにしよう”という流れなのでしょうか。それとも、色んな音楽関連企業が360度ビジネス・モデルを目指していることの現れなのかもしれませんが。この流れは、1つの分野に特化するのでは利益を上げづらくなった音楽業界に対応するためであり、またビジネスの機会を広げるためのポジティブな変化でもあるとは思います。個人的には前者の色の方が何となく濃いような気はしますが。

ちなみに、中東および北アフリカで今後数ヶ月以内に、さらにヨーロッパ、オーストラリア、ブラジルでは今年下半期以後のローンチに向けて動いているとのこと。「あれ、また日本の名前が・・・」という突っ込みがどこからか聞こえてきそうです・・・。
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2011/03/16 20:22
東日本大震災のお見舞いと状況まとめ
3月11日に発生した東日本大震災、そして中越地方や東海地方で発生した大地震で被災された皆様に謹んでお見舞い申し上げます。

他の皆さんがそうであるように、私自身も今回の件には非常に胸を痛めています。余震や原発問題等、まだまだ予断を許さない状態で緊張した日々が続いていますが、一日も早い復興を願いつつ、私個人もできることをやってこうと思います。

一音楽ファンとして、私個人は今すぐにポピュラー音楽の力が必要になるとは正直思っていませんが、時期が来たらまた求められると信じています。直近の大小多くのライブや新作リリースが中止もしくは延期されていますが、既に音楽ビジネスへの影響はもう少し長引きそうな気配を見せています。こういった状況を見ていると、音楽が皆から求められる頃、音楽がちゃんとそこにあるかどうか、少し不透明な気もしています。ただ、音楽だけでなく、ここであらゆる経済活動を止めては日本そのものが沈んでしまう。なんとしてでも一歩ずつ前に進んでいきたい。

ブログの本格的な再開にはもう少し時間をおかせて頂きますが、次への一歩を進めるべく、取り急ぎ、現在の状況として4点ほど書かせて下さい。

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<募金関係>
【災害関連】iTunesでも東日本大震災救援活動への募金が可能に - Barks News (15/3/2011)
海外ミュージシャン/レーベルから日本への支援呼びかけ - Monchicon! (16/3/2011)
現在、カバーできないくらい多くのアーティストやレコード会社が募金を受け付けたりチャリティ・グッズの販売等の活動を行っています。まず、自分の好きなアーティスト/レーベルのウェブサイトや、音楽を楽しむために普段利用している音楽サイトを是非調べてみて下さい。被災した方々への支援には色々な形があると思いますが、こういった支援もその1つとして捉えて頂ければ有り難いなと思います。
また、海外アーティストにも支援の輪が広がっており、いつも楽しく読ませて頂いているインディ系ブログ「Monchicon!」さんがまとめて紹介してくださっています(上記2つ目の記事参照)。海外アーティストからのこういった支援はとても有り難いことです。

<リリース関係>
【業界関係各社からのお知らせ】 - Musicman-NET (16/3/2011)
この度の地震とその影響について、大手レコード会社のお知らせをまとめて紹介しているMusicman-NETの記事です。ざっと目を通した限り、今月下旬~4月上旬リリース予定だった作品について、発売延期を検討、もしくは延期を決定しているレーベルが大半です。発売延期の場合であっても、新たな発売日の設定が出来ていないのが現状のようです。“リリース”という目出度いものを自粛する意味もあると思いますが、生産ラインや流通が影響を受けているとなると、4月中旬以降のリリースにも影響が出てくるかもしれません。旧譜もしかり。輸入盤はどうなんだろう・・・うーん。大手レコード会社が足並みを揃えたいということがあるのであれば、問題も少し長引きそうだし、新しいリリース日が設定出来たとしても、延期された作品を同時にリリースするわけにもいかないでしょうし、なかなか調整が難しそうな予感。
ちなみに、昨日店着だったアルバムを買いに、昨日の夜渋谷のタワレコに行ったのですが、地震の影響で荷物が届いておらず、入荷日未定と言われました。既に影響が出始めています。

<コンサート関係>
地震自体はもちろん、東京電力の計画停電の影響もあり、東日本で開催が予定されていた多くのコンサートが中止または延期となっています。邦楽系のコンサートについては開催されているものもありますが、洋楽系は今まさに行われているシンディ・ローパーの来日公演(詳細はこちら)以外、3月中の来日公演はほぼ中止。4月以降も似たような状況が続くかと思います。彼らには是非改めて来日して素晴らしいパフォーマンスを見せてもらいたいです。
リリース関係もそうなのですが、コンサート関係も少し影響が長引きそうな気がしています。震災で大きな被害を受けた茨城県と千葉県は、それぞれロック・イン・ジャパン・フェスティバルサマーソニックという2つの大きな夏フェスの開催地です。フジロックは新潟県ですが、こちらも大きな地震がありました。サマソニやフジは海外アーティストが多くラインナップされますが、夏とは言え、まだ不安が残る時期でしょうから、来日を控えるアーティストも出てくるかもしれません。コンサートやフェスを復興の足がかりとして使っていく流れになれば良いなと思いますが、今の時点ではどうなるか全く予想できません・・・。

<著作権使用料関係>
Radiko聴取エリア制限解除に於ける著作権使用料免除のお知らせ - ジャパン・ライツ・クライアンス (14/3/2011)
現在、在京・在阪民放ラジオがオンラインで楽しめるサービス、radikoが、この度の地震を受け、エリア制限を解除し全国配信されています。これを受けてJRCは、同団体が管理している楽曲について、当該制限解除中における著作権使用料免除を決定したとのこと。また、@miraistさんのツイートで知ったのですが、JASRACも、過去に、被災エリアで一定期間に発生した著作権料の徴収を行わなかった例があるようです(同団体の過去のプレスリリース、こちらこちらを参照)。そう考えると、今回もJASRACは同様の対応を取る可能性があるかと思います。この度の地震では、radikoを利用して情報を得ている被災者が少なくないと想像しています。そう考えると、radiko、そしてJRCの迅速な判断は本当に素晴らしいと思います。

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皆さん、どうか無理をなさらず、お体ご自愛してお過ごし下さい。
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2011/03/12 09:53
<中止になりました>お知らせ【セント・パトリックス・デー・パレード2011】
★下記のイベントは、東日本大震災の影響で延期、中止となりました。被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。(3/16管理人より)

※開催日まで、本記事をブログのトップに掲載します。その間に更新された記事はこの記事より下に掲載されますのでそちらをご覧下さい。

11-2-26.jpg
St. Patrick's Day Parade Yokohama Motomachi 2010より
11-2-26-2.jpg
St. Patrick's Day Parade Yokohama Motomachi 2010より

ブログとは全く関係ないのですが、今年も個人的なお知らせをさせていただきます。

アイルランド最大のお祭り「セント・パトリックスデー・パレード」が、今年も日本全国11都市でまもなく開催されます。セント・パトリックは、アイルランドでキリスト教布教に尽力した守護聖人です。彼の功績を讃えるべく、彼の命日である3月17日を国民の祝日とし、盛大に祝うのが“セント・パトリック・デー”です。本国はもちろん、アイルランド移民が多く在住し世界最大のパレードが開催されているNYをはじめとして、世界中でセント・パトリックス・デー・パレードが行われています。日本では、アジア最大のアイリッシュ・イベントでもある表参道のパレードをはじめとし、横浜、千葉、伊勢、松江、熊本、名古屋、大阪、京都、つくば、沖縄でも、3月の週末に合わせてパレードが開催されます(各都市の開催スケジュールはこちらを参照)。

スコットランドに留学し“Glasgow”と名のつくブログまでやってる私ですが、実は結構長くアイルランド好きをしておりまして、パレードの運営もさせてもらっております。今年は、今年初開催の千葉を含めた首都圏開催の3都市のパレードに参加する予定です。お祭り気分を味わうのでもいいし、買い物ついででもいいし、国際交流の場として楽しんでもらってもいい。とにかく行けばみんなハッピー!な催しです。アイリッシュ・ミュージックのライブ演奏、フェイス・ペインティングやアイリッシュ・ダンスの体験など、催し物も沢山アリ!皆様、緑のものを身につけて是非お越し下さい!!!

[東京]
日時:2009年 3月13日(日) *雨天決行
時間:14:00 - 16:00
場所:原宿表参道
Web: http://www.inj.or.jp/

[横浜]
日時:2009年3月19日(土) *雨天中止
時間:13:00-16:00
場所:横浜元町ショッピングストリート
Web: http://inj-yokohama.com/

[千葉]
日時:2009年3月20日(日)
時間:14:00-
場所:海浜幕張駅前
Web: http://www.inj-chiba.com/
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プロフィール

anno69(@yano)

  • Author:anno69(@yano)
  • イギリスの音楽産業、特にデジタル・ミュージックと音楽産業における環境問題対策に関するブログ。スコットランド大学院留学記も。
    管理人は、スコットランドのグラスゴー大学大学院ポピュラー音楽学コースを修了し、帰国。音楽好きの普通の会社員をしています。お問い合わせは cielo0818_ls [at] hotmail.com までお気軽にどうぞ。
    A blog dedicated to topics of the UK music market in particular digital music, copyright and environmentalism in pop music.

    ●Twitter:http://twitter.com/anno69
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