イギリスの音楽産業について考えるブログ
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2011/05/31 00:10
『第3回 音楽コンテンツや音楽ビジネスについてざっくばらんに語る会』開催します

『第3回 音楽コンテンツや音楽ビジネスについてざっくばらんに語る会』
日時: 6月12日(日)午後3時半~大体6時頃迄 ★出入り自由!飛び入り参加歓迎!
場所: 渋谷(詳細は後日連絡)
★場所の連絡や人数把握のため、一声かけて頂けるとありがたいです。ツイッターにてheatwave_p2pさん (@heatwave_p2p)か私(@anno69)にDMかリプライ、もしくはこの記事のコメント欄に一言ください。
★予想以上の参加希望の方が集まり会場の確保が難しいため、締切りとさせていただきます。ありがとうございました!
<テーマ>
・多様化する音楽ストリーミング・サービスは音楽の未来となるか?
欧米で普及が進む音楽のストリーミングサービス。購読型やラジオ型などのタイプがあり、プレイリストを作成したり、共有したりと様々な楽しみ方が提供されています。最近ではAmazonとGoogleがアメリカで音楽ストレージ・サービスを開始。Appleもクラウドをベースにした音楽サービスを開始するのではないかと言われており、音楽の楽しみ方はますます多様化する気配を見せています。その一方、著作権侵害やアーティストへの印税の低さ等、問題点も多く指摘されています。
音楽ストリーミング・サービスへの期待、疑問、問題点をざっくばらんに語りましょう!

<オススメのウェブ記事、ブログ>
“新しい音楽を開拓&垂れ流しにできる音楽ストリーミングサービス8+選”
http://d.hatena.ne.jp/heatwave_p2p/20110409/p1
“日本で「クラウド型サービスは違法」は本当か? 福井健策弁護士に聞く「クラウド」と「著作権」”
http://www.asahi.com/digital/digitre/TKY201105260380.html
“jay kogami's posterous”(特にdigital musicのタグがついている記事)
http://jaykogami.posterous.com/

<参考(過去のだべる会のご報告記事)>
第1回 音楽コンテンツや音楽ビジネスについてざっくばらんに語る会(仮称) 雑感 (10/10/10)
『第2回 音楽コンテンツや音楽ビジネスについてざっくばらんに語る会』ご報告(23/1/11)


ということで、留学時代から愛読しているブログ「P2Pとかその辺のお話」のheatwave_p2pさんと、音楽コンテンツ云々・・・の会、通称だべり会の3回目を開催します。どんなことをやるのか一言で説明すると、音楽ビジネスの未来について語りたい人達が集まってゆるーく語る普通のオフ会です。勉強会とかそうゆうお堅いものではなく、お茶でも飲みながらちょっと話そうぜ、というノリです。前回は今年の1月に開催しまして、多くの方に集まって頂きました。ありがとうございました。皆さんにとって有意義な時間になっていれば幸いです。

今回はちょっと話題を絞って、今ホットな音楽ストリーミング・サービスについてをテーマにしてみました。が、話の流れであっち行ったりこっち行ったりすると思います。そこはあくまでもゆるく!最後に紹介したウェブ記事とブログは今回のテーマにピンと来た方ならきっと楽しめると思うし勉強にもなるので紹介させていただきました。是非こちらもご一読あれ。

場所は渋谷のどこにするかまだ決めてないのですが、お茶が飲めるようなところになると思いますので、ご自身のお茶代だけ実費でお願いします。お酒が飲める場所ならお酒でも!興味がありそうなお友達がいれば是非誘ってお越し下さい。よろしくお願いします!
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2011/05/22 13:09
The Hargreaves Review発表
11-5-22.jpg
この度、イギリスにおいて、いかに知的財産(IP)のフレームワークが関連分野の成長と革新性をサポートしていくべきかについてまとめたレビュー『Digital Opportunity -A review of Intellectual Property and Growth』 が発表されました。デイヴィッド・キャメロン英首相に依頼され執筆を担当したのは、カーディフ大学のイアン・ハーグリーブス教授。レポートはこちらからダウンロード出来ます。Call For Evidenceはこちら。パッと見て頂ければ分かるとおり、音楽を含めた様々な知的財産に関してのレポートで、量もかなり多く、音楽という切り口で見ても全部まとめるとかなりの量に・・・。ということで、ここでは、paidContent:UKのスッキリまとめられた記事にそって内容を軽く紹介します。

UK Digital IP Review Wants Easier Licensing, Format-Shifting, No Fair Use - paidContent:UK (18/5/2011)

発表されたレビューで提案された事項としてpaidContent:UKがまとめたのは全部で7点。以下引用:

- Create a Digital Copyright Exchange
(Digital Copyright Exchangeの設置)
- Enable automatic licensing of orphan works
(著作権者不明の作品に対して自動的なライセンス契約を可能にさせる)
- Decriminalise format shifting
(フォーマット・シフティングの非犯罪化)
- No U.S.-style Fair Use
(USスタイルのフェア・ユースは採用しない)
- Back EU’s cross-border licensing drive
(EU圏内における国を超えたライセンスを認める動きを支持する)
- Use EU copyright exceptions on format shifting, parody, non-commercial research, and library archiving.
(フォーマット・シフティング、パロディ、非営利の研究、図書館のアーカイブに対して、EUの著作権の例外を適用する)
- Build flexibility in to the system
(柔軟性をシステムに組み込む)


以下、他の報道記事も参考にしつつ、いくつか補足を加えていきます。参考にした報道記事はブログ記事の最後に記載しています。

- Digital Copyright Exchange(DCE) (Chapter 4)
DCEは、レビュー内では"a network of interoperable database(相互運用可能なデータベースのネットワーク)"(Chapter4, 4.31)として説明されているもの。“One-stop shop(なんでも屋)”のようにDCEの一元管理のもと、権利者やライセンスを得たい企業や個人がよりシンプルなプロセスで事が行われるようにするとされています。レビューは、2012年末までに、DCEのデザインや実行に向けてシニア・レベルの人物に監督を依頼することを提案しています。ただし、TelegraphやThe Guardianが指摘するように、政府はこのレビューが示した提案に従う必要はないので、果たしてDCE設置に向けて政府が動くのか、動くとしたらどのように実現させていくのかは不透明と言えます。

- Decriminalise format shifting (Chapter 5)
例えば、合法的に手に入れたCDから、コンテンツである音楽をPCやデジタル・ポータブル・プレイヤーなどに移す行為は、イギリスでは違法とされています。"private copying"と言われるものです。ただ、誰でも日常的に行っている行為で、政府も音楽業界は実質これを容認してきました。2005年のGower's Reviewでもこの点は指摘されながらも結局非犯罪化されなかったのですが、この度再び提言として、フォーマット・シフティングの非犯罪化が取り上げられています。CMUはこの件について、これが認められれば、イギリスの現行法では正確には違法とされている音楽ストレージ・サービスにも門戸が開かれるのではとしています。

- No U.S.-style Fair Use (Chapter 5)
イギリスでは"Fair Dealing"という言葉で語られるもので、著作権法で認められた、許諾がなくても利用できる範囲や用途を示しています。今回のレビューでは、EUにおいて”USスタイル”のフェア・ユースを取り入れるのは難しいとしています。しかしながら、EUの認める著作権の例外をUKでも認め、プラスαで例外の適用範囲を広げることで、USスタイルのフェア・ユースを実現させることができるのではないかとしています。

- EU’s cross-border licensing drive (Chapter 4)
EU内で著作権を一元管理していくべきという話は以前から出ているものです。プロセスの簡素化や効率化を狙ったもので、結果的に小規模、もしくは新しいビジネスのマーケットへの参入を促したり、権利者や消費者等へのベネフィットにも繋がるとしています。


<参考記事>
Hargreaves to propose parody and private copy right - CMU Daily (17/5/2011)
What does the Hargreaves report mean for me as a songwriter? -The Guardian (18/5/2011)
UK copyright review's brightest idea 'doomed to fail' - Telegraph (19/5/2011)

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他にも、著作権保護期間延長(copyright term extension)やパイラシー対策に関する項目もあるので、興味のある方はレポートをご覧になることをオススメします。

ちなみに、同じく知的財産のフレームワークについてまとめ、2005年12月に発表された『Gowers Review of Intellectual Property』というレポートもあります。必読のレポートですので、お時間ある方はサマリーだけでも是非ご覧下さい。ダウンロードはこちらからどうぞ。
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2011/05/17 22:38
続・Music Beta by Googleが米国でスタートしたので、少しまとめてみた
先週、Music Beta by Googleの発表に合わせて、Amazon Cloud Drive&Playerの件と合わせてブログを書きました:

Music Beta by Googleが米国でスタートしたので、少しまとめてみた (14/5/2011)

この件に関して、ツイッター経由でフィードバック頂きました。ありがとうございました。大事な気づきのあったツイートだったので、是非紹介させてください。

まずは@masshern13さんから。いくつかやりとりがあったのですが2つだけピックアップしました:

ふむふむ。spotifyが使える国か否かで全く論点が変わってくるよね。→Music Beta by Googleが米国でスタートしたので、少しまとめてみた - http://bit.ly/jrDOLb 
(15 May; http://twitter.com/#!/masshern13/status/69426054942556160)

Sportifyに限定してしまいましたが、音楽ストレージサービスが使える国か否かで今回のサービスが魅力的に感じるかどうか変わってくるよねって事を書きたかったのです。舌足らずで申し訳ございません。 RT @anno69: Spotifyというより国により、かと。RT @masshh
(15 May; http://twitter.com/#!/masshern13/status/69664646868639744)


当たり前なことですが、サービスが展開されている国やエリアがものによって違います。私の悪癖で、拙ブログではその点を片隅に置いて語りがちなのですが、@masshern13さんがおっしゃる通り、どんな環境に身を置いているかで、今回の音楽ストレージサービスの受け止め方は大分変わってくると思います。アメリカや西ヨーロッパは、既に幅広いオンライン系の音楽サービスがあるので、Music BetaやAmazon Cloud Playerが革新的なものとは受け取られていない印象があります。また、既に日常的に使っているものの延長線上にあるものなので、他のサービスと比較しながら今回の音楽ストレージサービスを考えることが出来る。一方、デジタル音楽のビジネス分野では遅れていると言わざるを得ない日本ではどう受け止められたのか?個人的な印象では、一部のIT系に強い人達の間で局地的に盛り上がったものの、広く見てみると盛り上がりも語られる内容も、アメリカやヨーロッパのそれと比べるとかなり弱いのかなと思います。

そしてもう1つは@heatwave_p2pさんから:

@anno69 読みましたー。ちょっと気になったんですが、Appleの牙城って今やiPhoneにかかってると思うんですよ。Appleは自社ブランドの城壁を切り崩せない縛りがあるので、Androidその他如何によっては、潮目が変わると思ってます。
(14 May; http://twitter.com/#!/heatwave_p2p/status/69414079097352192)

(前略)ただ、スマートフォンへの移行が進むのと同時に、iOS以外のモバイルがますますシェアを増やしていくと、中長期的に、Appleの囲い込みは成立していかなくなるんだろうなぁと予想しています。
(15 May; http://twitter.com/#!/heatwave_p2p/status/69420674426478593)


Androidのシェア増加は私も気にしてはいましたが、それがAppleに与える影響までは正直そこまで考えていなかったので、「このままAndroidが普及すると確かにそうかも」と思わず納得。

少し横道に逸れますが、ドンぴしゃのタイミングで、昨日一昨日auとdocomoが新機種を発表し、auのスマートフォン6種類全てとdocomoのスマートフォン8種類がAndroid搭載であることが明らかになりました。

Androidスマートフォンが主役、ドコモの夏モデルは全24機種 - 日経経済新聞(17/5/2011)
KDDI、スマートフォン6機種発表、「INFOBAR A01」やテンキー付きの「AQUOS PHONE IS11SH」など - asahi.com (17/5/2011)

プラスして、先月末MTIが携帯音楽配信サイトmusic.jpで、そして今日KDDIがレーベルゲートと協業で、それぞれ携帯向けストリーミング配信を開始することを発表しています。共に現在は洋楽中心。今後はPC向けにもサービスを拡大予定のようですが、現時点では携帯のみです。

MTI、『music.jp』でオンデマンドストリーミング配信を開始 - Musicman-net (26/4/2011)
KDDI「LISMO WAVE」で音楽映像のストリーミング配信を開始 - Musicman-net(17/3/2011)

iPhoneは今のところソフトバンクのみである一方、Androidはスマートフォン普及と共に広がっていく可能性は非常に高いと思います。ただ、これは根拠のない勝手な想像ですが、音楽に限って見ると、Appleがデジタル音楽の分野で築いてきた地位や人気はそう簡単に崩せないような気はしています。携帯とPCのデジタル音楽では購買層が違うし、仮にiPhoneのシェアや人気が今より下がるとしても、iTMSと音楽プレイヤーとしてのiTunesは残り、携帯とiPodの両方を所有する数年前のような状態に落ち着くのかな、と。もしくは、元々iPodで音楽をガシガシ聴きたいような熱心なファン自体が日本全国そう多くないと想定して、ライト層がAndroid携帯で音楽を聴くようになっても、iPhoneでガッツリ音楽を聴きたい層のパイ自体はそこまで急激には変わらないとか?ともあれ、スマートフォン市場の動向は今後もチェックする必要がありそうです。
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2011/05/14 23:27
Music Beta by Googleが米国でスタートしたので、少しまとめてみた
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Google I/O: オンライン音楽ストレージ、Music Betaをお披露目〔当面、米のみ〕 - TechCrunch (11/5/2011)
グーグルが明日(5月10日) 音楽サービスを公開、ただし大手レコード会社とライセンス契約を結ばずにスタート - jay kogami's posterous (9/5/2011)

Amazonが開始したストレージ・サービスと音楽プレイヤー、Amazon Cloud Drive&Playerに続き、Googleも噂されていた音楽サービス“Music Beta by Google”を公開しました。基本的な内容はAmazonと同じで、既に個人で所有している音楽ファイルをクラウド上にアップロードし、PC、Android携帯、タブレットにストリーミングさせて楽しむことができます。また、ライブラリーが自動的に同期される他、最近再生した楽曲は貯められたキャッシュよりオフラインで再生することも可能とのこと。

ちなみに、Amazon Cloud Drive&Playerについては以前拙ブログでも取り上げております。参考までに:

私がAmazon Cloud Drive&Playerにものすごくエキサイトしているわけではない理由 (5/4/2011)

同様のクラウド型音楽サービス開始が噂されるAppleを残した状態ではありますが、GoogleとAmazonが音楽サービス開始ということで、今の時点で気になる点を2つ挙げてみます。

=====

(1) 競合サービスとの差別化が出来ているかどうか
本題に入る前に、GoogleとAmazonのサービスは、音楽自体というより音楽を置く場所にお金を払ってもらうものなので、他のストリーミング・サービスとの比較は必ずしも適切ではないかもしれません。恐らく、元々両企業ともストレージ以外に音楽のストリーミングや販売が噂されていたので、SpotifyやMogのようなサービスと同じコンテクストで語られている面もあるかと思います。しかしながら、よく考えてみれば、やはり同じコンテクストで語って比較しても良いのかな、と。というのも、今回のGoogleやAmazonのような音楽ストレージ・サービスは、“自分の持っている音楽”が“どこでも”聴けるというのが大きな魅力。ただ、AmazonがAmazon Cloud Playerをローンチするはるか前に、ストリーミング・サービス各社は携帯でのサービス提供を開始し、今やTVやゲーム機、自動車にまで広がっています。サービスにもよりますが、基本これらは“どこでも”聴ける状態にあり、ものによっては実質“自分の持っている音楽”も“どこでも聴ける”(Spotifyとか)ので、わざわざクラウド・サービスに申し込んでアップロードする手間をかける必要がない。となると、GoogleやAmazonの強みは何かという話になりますが、正直、利便性以外個人的には思いつく点がない。

「新しい音楽との出会い、発掘」は、音楽のストリーミング・サービスが最も得意とする分野の1つ。積極的に新人発掘するとか、親が好きだという過去の大物の作品に触れるとか、ふとジャズっぽい音楽が聴きたくなったけどCD持ってないから何か良さそうなのを適当にかけるとか何でも良いのですが、ストリーミング・サービスならではの音楽の楽しみ方に価値を見いだして、ユーザーはお金を払っているのだと思います。ただ、現状のGoogleやAmazonのサービスだと、下記のCNNの記事のように「In any case, do you really want to pay for the privilege of accessing something you already paid for? (とにかく、何かにアクセスするという、あなたがお金を払って既に手に入れた特権を(訳注:音源購入で得た特権、の意)、あなたはもう1度お金を出して本当に手に入れたいですか?)」と言われるのも理解出来るかな、と。

I'm not buying cloud-based music as the future ... yet - CNN.com (13/5/2011)

そんなことを考えている中、上記で紹介したブログ「jay kogami's posterous」の@jaykogamiさんとツイッターでやりとりする中で以下のリプライを頂きました。

@anno69 「Music discovery」は今後音楽ファンにとって大きな価値になりますね。Music Betaやアマゾンの参入でその部分が他のサービスと棲み分けられるか、ハイブリッド化するのか、興味深いですね。Music BetaとVevoの組み合わせも見たい
-- @jaykogami (11/5/2011) http://twitter.com/#!/jaykogami/status/68133654043443200


まさにその通りだと思います。今後、これらサービスに対してユーザーにどう受け取りどう動くか、引き続き見ていこうと思います。最後に、こちらの記事もオススメなので合わせてどうぞ:

Google Makes Lemonade from Lemons: Music Beta by Google - Mike McGuire, Gartner (10/5/2011)

(2) Appleの独占状態変わらず?
Amazonは元々MP3ストアを持っており、そこで購入した音楽がそのままAmazon Cloud Playerで聴けるようになっているのですが、GoogleのMusic Betaの場合、iTMS等の音楽配信サイトで購入した音源をアップロードする形になります。となると、「デジタルで音源買うならばやっぱりiTMSだよね」という話になる。iTMSの独占が変わらないのであれば、噂されるAppleのクラウド型音楽サービスがスタートした時、音楽の購入から再生までApple1本で通した方が断然便利だし、ローンチしたときのインパクトの大きさもMusic BetaやCloud Player以上になるでしょう。予てより「Googleが主要レーベルとのライセンス契約に向けて動いているものの難航しているらしい」と報道されていましたが、果たして、どのようなディールで交渉していたのかは分かりません。しかし、結果的にライセンス契約が結べず、実質“音楽を保存し、様々なデバイスで再生するためのクラウド上のスペースを提供”しているだけの現状では、今最もホットなオンライン系音楽サービスの世界で、もしかしたら・・・な展開もあるのではないかと個人的には考えています。

そうなると、残るAppleの動向が気になるところですが、既に多くのレーベルや音楽リスナーとの信頼とコネクションを持つ彼らへの期待は俄然上がっている様子。下記のMusic Allyの記事はオススメなので是非ご一読頂きたいのですが、「最近は、他企業よりも遅めに参入して、他のどの製品より優れたものを発表してきたApple」のこと、今回も時期を見計らって敢えて他企業と時間を空けているのではないか、と。そして、GoogleとAmazonがライセンスなしでクラウド型音楽サービスをローンチしたおかげで、Appleは両者を土俵から吹き飛ばすようなクラウド型のサービスにはまさにライセンスが必要であると見せつけることになるのではないか、としています。

Google and Amazon’s cloud lockers may play into Apple’s hands - Music Ally (11/5/2011)

Appleの新サービスのローンチも間もなくと噂されていることですし、果たしてどんな一手を売ってくるのか、楽しみに待つことにします。
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2011/05/07 12:13
SpotifyがiTunesに挑戦状:新サービス開始
spotify-logo2.jpeg
Spotify says hello to the iPod - Spotify official website(4/5/2011)
Spotify takes on Apple's iTunes with iPod syncing - The Telegraph (4/5/2011)
Spotify takes on iTunes with new music downloads store and iPod syncing - Music Ally (4/5/2011)
Spotify revamps download service, adds iPod syncing - CMU Daily (4/5/2011)
Spotify aims to take market share from iTunes - BBC News (4/5/2011)

現地時間の6日より、Spotifyが新サービスをスタートさせました。先月、Spotifyは無料ユーザーに対し、使用制限時間を月10時間に短縮するなどリミットを強化した新システムを発表したばかり(詳しくは公式PR北欧Techさん“クラウド音楽サービスのSpotifyがフリーミアムモデルから撤退”を参照)。この変更はユーザーから大きな反発を生みましたが、それもこの新しいサービス開始のためだったと言えそうです。

今回のアップデート内容を見れば、各メディアが"Spotify takes on iTunes"、つまり"SpotifyがiTunes(もしくはApple)に挑戦状”と称する理由がとてもよく分かります。早速、上記の記事を元に、新サービスをまとめます。

====

(1)SpotifyとiPodがシンク可能に
Spotifyで購入した楽曲やSpotifyのライブラリーにインポートした楽曲を、iTunesを経由することなく、お手持ちのiPod(classic, nano, shuffle)に直接シンクさせることが可能になりました。シンクにはUSBケーブルが必要で、接続すると自動的にシンクされます。つまり、iTunesがなくてもSpotifyのプレイリストをiPodに移動させることが出来るようになります。


(2)全く新しいSpotifyダウンロード・サービスの開始
新たなMP3ダウンロード・サービスを開始しました。Spotifyが既に契約しているメジャー4社とMerlin等大手グループが請け負うインディーレーベルの楽曲が購入可能とのこと。これまでも、Spotify上では7digital経由でお気に入りの楽曲を購入することができましたが、今回はSpotifyがin-houseで運営する配信サービスになります。1曲から購入出来ますが(£1.15)、バンドルで購入する方がお得。現在の料金設定は、10曲£7.99(1曲80p)、15曲£9.99(1曲67p)、40曲£25(1曲63p)、100曲£50(1曲50p)となっています。
11-5-7-4.jpg
Ne-Yoの「Closer」が好きなので試しに買おうと思ったら、こんな画面が出てきました。アルバム単位での購入の場合、12曲入りのアルバムなので「15 Downloads」に緑の印が表示されます。ともあれ、バンドルを使えば最安1曲50pという安値で購入出来ます。Spotifyとしても、in-houseでデジタル配信を行うことで配信からの収入も期待できます。

また、今まではばら売りしか行っていなかったプレイリストについても、まとめ買い出来るようになりました。ちなみに、現在7digitalでは単曲99pなので、10曲収録のプレイリストをフルで買う場合、従来だとおよそ10ポンドもかかる計算です。プレイリストのシェアはデジタル音楽の世界では非常に重要なファクターの一つということで、シンクの件もそうですが、ここでもプレイリストを楽しむユーザーにより優しい変更が加えられています。

(3)携帯用Spotifyアプリが全ユーザー使用可能に
これまで、プレミアム・ユーザーのみが使用できたiPhoneとAndroid向け無料アプリが全ユーザー向けになりました。これにより、無料ユーザーでも、Spotify上で購入したり既に所有しているMP3を携帯のSpotify Appにシンクさせることが出来るようになりました。ただし、Spotify全カタログのストリーミングは従来通りプレミアム・メンバーのみに限られます。シンクさせるには、PCと携帯を同じ無線LANに繋がないといけないので、日本だとちょっとシンクしづらいかもしれませんが、少なくともイギリスはカフェや公共施設はもちろん家庭でもwifiを使っているところが非常に多いので、あまり苦労はないのかもしれません。

====

Spotifyはこれまで、音楽をダウンロードではなくストリーミングさせることで、クラウド上にある1000万曲を超える膨大なカタログをいつでもスムーズに楽しむことを可能し、多くのリスナーに支持されてきました。しかし、プレミアム会員以外のユーザーには制限が多く、結局のところiTunesとSpotifyを使い分けていたユーザーも多いのではないかと思います。私自身もプレミア会員ではありますが、携帯だとローカルファイルが多すぎてシンク出来ないので(PCは大丈夫)、今でも両者使い分けてます。しかし今回、Apple製品やスマートフォンへのシンクやダウンロード・サービスの開始によりSpotifyがiTunesと似たような性質を持つようになり、さらにストリーミングと無線を使ったスマートフォンとのシンクというiTunesにはない機能を持つ音楽サービスとなりました。つまり、冒頭で述べた“SpotifyからiTunesへの挑戦状”は、iTunesの独占状態を打破し、Spotifyをメインの音楽プレイヤーにするためのSpotifyの戦略を表したものと言えるかと思います。

この度の変化に対するコメントとして、BBC Newsには、アナリストMark Mulligan氏のコメントが紹介されています。彼の評価は決して良いものではなく、曰く、価格設定もものすごく良いわけではなく、プレイリストのまとめ買いならiTMSで既に可能なものである、と。私個人の意見を申し上げると、やはり、SpotifyがどこまでiTunesの独占を打ち崩せるかまだ見えない部分の方が大きいかな、と。現在、iTunesでMP3音源を買うという行為はもはや習慣として根付いている感すらある状況だと思っています。これを崩すには相当大きな衝撃が必要かと思いますが、今回の変更は果たしてそこまで大きな一撃になるかと考えると、どうなんだろう・・・と。Spotifyは、無料ユーザーのダウンロード購入や熱心な音楽ファンによるプレイリストの購入でお金を落としてもらう計算でいると思うので、この部分で転けたくないはず。しかし、Radioheadが"In Rainbows"リリース時に公式サイトでも無料で買えるようにしていたにも関わらず、相当数がP2P経由で違法ダウンロードされたり(以前拙ブログで取り上げました。こちらを参照のこと)、新譜が出たらCDで買うのがもはや習慣化して変えられない人も多いように、iTunesとSpotify、両方で音源を購入出来るとしたら、シンク云々あろうともよほどのことがない限りやはり慣れてるiTunesに流れやすいのではないでしょうか。

とは言いつつも、イギリスもそれ以外のヨーロッパも、最新の音楽配信がどのような状況かが分からないので、ちょっと様子見したいというのが正直なところだったりして。少し長い目で見ていこうと思います。
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プロフィール

anno69(@yano)

  • Author:anno69(@yano)
  • イギリスの音楽産業、特にデジタル・ミュージックと音楽産業における環境問題対策に関するブログ。スコットランド大学院留学記も。
    管理人は、スコットランドのグラスゴー大学大学院ポピュラー音楽学コースを修了し、帰国。音楽好きの普通の会社員をしています。お問い合わせは cielo0818_ls [at] hotmail.com までお気軽にどうぞ。
    A blog dedicated to topics of the UK music market in particular digital music, copyright and environmentalism in pop music.

    ●Twitter:http://twitter.com/anno69
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