イギリスの音楽産業について考えるブログ
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2011/10/23 11:11
Deezerは当分日本(or アメリカ)には来ないらしいという話。
Music streaming site Deezer to launch in 100 countries - The Reuters (19/10/2011)
Deezer Signing Deals To Launch In 130 More Countries - paidContent:UK (21/10/2011)
(※国の数が違うのですが、ソース元であるThe Reutersが100としているので100以上ということで考えておきます)

フランスだけで2000万人の無料会員(内140万人は有料会員)を抱え、先月イギリスでもローンチされたフランスの音楽ストリーミング・サービス、Deezerが、今後100カ国以上でのサービス開始に向けて準備していることが明らかになりました。

本題に移る前に軽く説明すると、Deezerはオンデマンドによる音楽ストリーミングを行っているサイトです。フルで音源を聴くにはイギリスだと有料会員である必要があるのですが、wikiによると、フランスでは月5時間まで無料とのこと。カタログ規模は1300万曲。2010年にはフランスの携帯電話マーケットで最大シェアを誇るOrangeとパートナーシップを結び、特定の携帯とのバンドル販売を開始(イギリスでも同様のパートナーシップを結んでいる)。これによりDeezerは一気に成長を遂げました。イギリスでのローンチについてはブログ「jay kogami's posterous」さんで取り上げられていたので是非:

フランスの音楽ストリーミングサービス「Deezer」が英国進出しSpotifyに挑戦へ - jay kogami's posterous - (6/9/2011)

このサービス、フランスとイギリスだけなのかと思ったら、ブログ「alt-scape weblog」さんによると、少なくとも2009年1月まではヨーロッパを中心にローカライズされたバージョンが使えるようになっていたようです。その中には、今後サービス開始が予定されている国の名前もありますが、現在も一部サービスが使えているのか、完全にサービス停止状態なのかは残念ながら分かりません。

無料で音楽ストリーミング「Deezer」 - alt-scape weblog(5/1/2009)

さて、DeezerのCEOアレックス・ドーシェ氏がThe Reutersに語ったところによると、同社はSpotifyやPandoraといった競合サービスとは違ったアプローチをとり、アメリカをターゲットにしない決断をしたとのこと。代わりに、競合サービスの目が届いていないドイツ、イタリア、スペイン、トルコ、インドネシア、韓国、メキシコ、そしてブラジルなど100を越える国でのサービス開始を今後数週間の内に発表したいとしています。

ドーシェ氏曰く“私がアメリカでのライセンス獲得には興味がないとメジャー・レーベルに伝えたとたん、交渉ははるかに簡単になる”とのこと。その上でDeezerは、アメリカもしくは日本を除いたグローバル・ライセンスに向けて交渉を続けており、実現すれば数十各国単位で直ちにサービスが開始できるようになるとのこと。Deezerがこのような世界戦略を打ち出した背景には、アメリカが音楽マーケットの抜本的な変化の最前線にいることや競合サービスの多さがあるようです。また、Orangeと同様のパートナーシップを他のオペレーターとも結んでいきたいとのことで、モバイル戦略にもますます注目が集まりそうです。

・・・ということで、グローバル・ライセンスに日本が含まれない可能性高し。「また日本だけ・・・」と思われる方も多いと思うのですが、かといって「クラウド型の音楽サービスに移行すべき!」一辺倒で主張しても説得力がない。Napster Japanという前例もあるし、仮に洋邦ジャンル問わず膨大なカタログを持つストリーミング・サービスが日本で始まったとしても、それがハッピーエンドに繋がるかと言えば必ずしもそうではないと思う。実はその辺を調べてまとめる作業をやる予定がありまして、恐らく年末頃にはブログでも紹介できると思います。それまでは、引き続きストリーミング・サービスの興味深いニュースをピックアップして紹介していければと思います。
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2011/10/06 00:10
新しくなったwe7を日本で楽しもう
we7.jpg

We7 Cedes On-Demand Music Ground, Tries Pandora Model Instead - paidContent:UK(28/9/2011)
We7 morphs from jukebox into a radio station - The Register (30/9/2011)

最近驚くほど頻繁にSpotifyの名前を聞くようになったのですが、どんなコンテクストで語られているかを見たり聞いたりする度にふつふつと沸き上がる幾つかの疑問があります。今後、様々なブログ記事を投稿していく中でそれら疑問を提示していければと考えているのですが、その最初として、新しくなったwe7を紹介します。

先週、イギリスのデジタル音楽サービスwe7が、無料のオンデマンド・サービスを終了し、広告ベースのインターネットラジオに完全移行しました。しかも、今の時点ではこのサービスが日本でも使えます。そこで、記事を読んで興味を持たれた方には是非試して頂きたいと思っています。

さて、we7とはどんなサービスなのか、拙ブログでは1年ほど前に体験記を掲載したことがあるのですが、その時のwe7紹介文を引用します:

We7(ウィー・セヴン)wiki
URL: http://www.we7.com/
設立:2007年、MP3のフル試聴+無料DLサイトとしてスタート。無料DLしたMP3ファイルには曲の冒頭に短い広告が入っているものの、DRMフリーで、パソコンに保存してiTunesで聞くことも出来るという画期的なサービスとして注目された(中略)。広告なしのものが欲しい場合は、通常価格でMP3を購入することも可能。2008年秋よりストリーミング・サービスを開始。ローンチ当時のカタログ規模は300万曲と発表されていたが、現在は400万曲を超える楽曲をストリーミングしている模様。プレイリストをアレンジしたり、類似アーティストを選び出してプレイするラジオ機能等がある。購読型の有料サービスも行っており、有料会員はPCと同じように携帯で音楽を楽しむことが出来る。その他機能に関しては、We7の公式サイト参照。

*引用元:UK無料ストリーミングサービス体験~We7編~ - Green Sound from Glasgow (12/12/2010)
※ちなみに、公式サイトによれば、現在のカタログ規模は650万曲とのこと。


今回の大幅なリニューアルにより、今までの所謂オンデマンドによるストリーミング・サービスは有料会員のみとなりました。無料会員も50曲までであれば“リクエスト”できますが(日本からは不可)、基本的にはlast.fmやPandoraのようなインターネットラジオに完全にフォーカスする形となり、チケット購入などのその他のサービスも(無料会員が日本から見られる範囲では)カットされています。

何故ラジオ型にシフトしたのか、冒頭で紹介した記事を含めたメディアが挙げるのは主に以下の3点:

(1)購読型ストリーミング・サービスの中でも一歩頭飛び出したSpotifyとの差異を設けるため
(2)PRSへ支払う印税がオンデマンドよりラジオ型の方が安いため(※新しく適用されるライセンスのカテゴリーは"interactive webcast"になります。詳しくはPRS for Musicのウェブサイトを参照。)
(3)ラジオ機能の人気が高かったため(paidContent:UKの記事によれば、we7ではおよそ70%の音楽消費がラジオ機能を通じて行われていたとしています)。

we7は元々音楽発見に熱心なリスナーの間で広まり、その後追加されたラジオ機能も評判が良かったこともあってか、“新しい音楽を見つけるにはwe7、聴きたい音楽が決まっているならSpotify”という見方をされていた時代もありました。それを考慮すれば、Spotifyとの差別化を進め、コスト削減しながら消費者の高いニーズを満たすことのできるインターネットラジオへのシフトは、当然の結果だったのではないかと考えます。

日本ではSpotifyの知名度が圧倒的に高く、Spotifyのようなサービスが熱望されていますが、インターネットラジオの方がある意味ではより多くの可能性を秘めているのではないかと思うことがよくあります。Spotifyはある音楽を能動的に聴こうとするリスナーには大変便利ですが、BGMのようにかけるには向いていない。なので、Pandoraのように自動車に搭載したり、有線のようにお店でかけたりできるインターネットラジオは、その汎用性の高さから需要が集まりやすくなる。また、ライトリスナーにとっても、音楽に詳しくなくても色々な音楽をかけてくれるインターネットラジオは便利なのではないかと思います。

インターネットラジオだけではありません。デジタル音楽マーケットの発達した国では、Spotifyでカバーできない需要を満たすユニークなサービスも同時に存在し、消費者が複数のチョイスを持っています。そのことは、日本でももう少し考慮されて良いのではないかと感じています。例えばイギリスだけで見ても、レコメン好きならmflowとか、持っている携帯が対応していればMusic Anywhereもある。lasf.fmもイギリスではまだ無料で聴けるので、使い慣れたサービスをそのまま使いたい人はそれでも良い。残念ながら日本ではサービスのほとんどが使えないわけですが、ググってみると、世界各国の音楽サービスを使った日本人のブログ記事なんかもポロポロでてきて、読むと色々と勉強になります。

ということで、少し長くなりましたが、色々あるデジタル音楽サービスの中でもインターネットラジオとはどんなものなのか、是非we7でお試しあれ。サインイン無しでも使えるし、途中で広告が挿入される感覚も体験できるので、かなり面白いのではないかと思います。ちなみに、Spotify無料版の音声広告もwe7のものと似たような感じです。とにもかくにも使ってみるのが1番かと思いますので、www.we7.comにアクセスし、好きなアーティスト名やタイトル、キーワードを入力してみてください。入力された言葉に合わせて選曲された楽曲が次々にプレイされます。ちなみに私は今"indie"でスタートさせたラジオがかかっています。マニックス、ザ・ヴァクシーンズ、ローゼス、ザ・ナショナルなんかが回ってますが、同じアーティストが複数回ることも多いので、いずれ改善して欲しいなぁ・・・などと思いつつ、楽しく聴いています。
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プロフィール

anno69(@yano)

  • Author:anno69(@yano)
  • イギリスの音楽産業、特にデジタル・ミュージックと音楽産業における環境問題対策に関するブログ。スコットランド大学院留学記も。
    管理人は、スコットランドのグラスゴー大学大学院ポピュラー音楽学コースを修了し、帰国。音楽好きの普通の会社員をしています。お問い合わせは cielo0818_ls [at] hotmail.com までお気軽にどうぞ。
    A blog dedicated to topics of the UK music market in particular digital music, copyright and environmentalism in pop music.

    ●Twitter:http://twitter.com/anno69
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