イギリスの音楽産業について考えるブログ
--
--/--/-- --:--
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告 トラックバック(-) | コメント(-) | Page top↑
--
2008/10/31 08:18
ヴィジュアル系ファンを考える
今週月曜日「audience」に関わる授業の回に併せてプレゼンテーションをやりました。西洋と日本の女性ファン比較をテーマにし、ケーススタディとしてヴィジュアル系バンドのファンを選びました。理由は、日本のことを1番よく知ってるのは自分なので成績が取りやすいというのと、夏に1度ロックと女性について調べた(参照:exclusion of females from rock music)のでやりやすかったから。音源協力いただいた在グラスゴーの方達と妹(こき使ってゴメン)、ありがとうございました。

ヴィジュアル系に限らず、日本のロックシーンに関する“学術”本は残念ながらあまり多くありません。ジャーナルだともしかしたらあるのかもしれないけど、日本のジャーナルを読むとなると、図書館がそのジャーナルを定期購読してない限りは買うしかないのでよく分かりません。残念(ちなみにイギリスでは、ありがたいことに、大学の図書館からジャーナルの記事を無料でDL出来ます)。ヴィジュアル系に関しては、さすがに目立つ文化だけあって、国内外問わず英語で書かれた論文が少しだけあります。あまり同意出来ないものでしたが。日本では学術本も出ています(「ヴィジュアル系の時代―ロック・化粧・ジェンダー」井上貴子他)。この本はパッと目を通したことがあるだけなのですが、正直あまり良い印象はないです・・・。

結局それら論文の使用は最小限にとどめて、今回のプレゼンでは2つ軸で勝負。1つ目のポイントはYano氏(日系人?)の論文(実は森進一ファンを扱った論文)にある、「日本において、ファンとアーティストは依存関係にあり、ファンはアーティストの責任を半分負っている」という記述。「親を見れば子が分かる」的な考えが日本にはありますが、それをバンドに当てはめると、「ファンの行いが悪ければバンドに批判がくる」。「派手なコスプレして怖そうに見えるけど実は礼儀良い」なんて話が聞かれるのは、きっとこれと関係しているのではないかと思います。一方、論文によれば西洋では「ファンはメディアの被害者でオリジナリティがないと見なされる」らしい。日本の「バンドのため」に行われる献身的なファンの姿勢とはかなり異なると言えます。この点に関してはいくらでも異論を挟めるのですが、時間の都合上今回はカット。

もう1つは、イギリスのスカラーであるFrith氏とMcRobbie氏のbedroom culture論、Bayton氏の「女性は様々な制約によってロックシーンから除外されている」とする論と、路上で集会が行われるコスプレ文化の比較。3氏によると、安全性や家事手伝い、社会から女性らしさを求められている等々の理由で女性音楽ファンは、ストリートシーンから疎外されており、その結果、自室で友達とメイクの練習をしたりビデオを見たりおしゃべりしたりといった行為を楽しむ傾向にあるそう。それに対し、ヴィジュアル系のコスプレを楽しむ人達は、原宿の神宮橋やコンサート会場の外など、雨でも降らない限り野外でコスプレを楽しむ。理由の1つは、これは何の論文も参照してませんが、日本が安全な国であること。もう1つは小泉氏の論文にあった、「女の子達は学校以外の別の安心できる場所を探している」という点を考慮して、日本の場合家も窮屈な場所になりえるので、結局野外に出ることになったのかなと。センター街に住んでるような若い子達がいるのと近いものがあるのかもしれません。

・・・とまぁ、プレゼンの時間が10分しかなかったので、内容はこれだけ。成績もそこそこ良かったので安心。夏のエッセイといい、“女性”を無駄に強調する人は嫌いなのに、何故か今回も女性ファンがテーマに。自分がティーンだった頃にファン文化をしっかり教育されたからきっと気になってるのでしょう。でも、男女関わらずオーディエンス研究は面白いです。
最後。ヴィジュアル系に関しては本自体は結構出てるんですよね。ヴィジュアル系に関してはやはりテッシーこと市川哲史氏なしでは語れません。このプレゼン関連で調べていたら、こんな記事があったので紹介しておきます。

hideさんの追悼ライブは「当時のビジュアル系の最終回」だったのか - Oricon Style(13/06/2008)

「あの時じゃないと出来ないことがあった」というのはその通りだと思う。私の場合、だからこそ、当時熱狂的にはまっていたLUNA SEAが行った昨年末の復活ライブは行かなかった。復活すら疑問だった私には、テッシーの「締めが必要だった」という言い分はちょっと分からない。それから、これは有り得ないけど、もし全く新しいLUNA SEAが始まるなら私はアリ。テッシーの言っていることはよく分かるけど、ここまで意見が合わないのは初めてかも。この記事だけではよく分からないので、新しいテッシーの本(「紅に染まったSLAVEたち」に爆笑)の「再結成」セクションが読みたいところです。

余談。もといLUNA SEA(とXと初期ラルク)以外のヴィジュアル系は嫌いなタチ。初めて日本の音楽を聴くであろうクラスメイトに、LUNA SEAだけはどうしてもかっこいい曲をかけたくて(10秒くらいしか時間割けないのに)、無駄に悩んだ結果「gravity」にしましたが、この選曲、どうでしょうか?
スポンサーサイト
大学院/授業 トラックバック(0) | コメント(0) | Page top↑
Bjorkの言葉より | Home | カバーしきれない
-
コメント
-
コメントの投稿











管理者にだけ表示を許可する

-
トラックバック
トラックバックURL
-
プロフィール

anno69(@yano)

  • Author:anno69(@yano)
  • イギリスの音楽産業、特にデジタル・ミュージックと音楽産業における環境問題対策に関するブログ。スコットランド大学院留学記も。
    管理人は、スコットランドのグラスゴー大学大学院ポピュラー音楽学コースを修了し、帰国。音楽好きの普通の会社員をしています。お問い合わせは cielo0818_ls [at] hotmail.com までお気軽にどうぞ。
    A blog dedicated to topics of the UK music market in particular digital music, copyright and environmentalism in pop music.

    ●Twitter:http://twitter.com/anno69
-
最近の記事
-
最近のコメント
-
最近のトラックバック
-
月別アーカイブ
-
カテゴリー
-
ブログ内検索
-
RSSフィード
-
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。