イギリスの音楽産業について考えるブログ
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2008/12/09 18:34
生放送終了 - JASRACシンポジウム2008
朝6時からせっせと起きて、今なお窓の外が暗いグラスゴーより、「JASRACシンポジウム2008 ~コンテンツの流通促進に本当に必要なものは何か~」の生放送をニコニコ動画で見させていただきました。見たのは第2部のみ。内容を忘れる前にパパパッと自分用メモ。その前に、今回のパネルディスカッションが、前回(今年3月)行われたものの続きということなので、議事録のURLを貼っておきます(こちら)。著作権に関してはぺーぺーなので、予習代わりにこれを読んでから生中継にアクセスしました。

前回話し合われたことを受けて、今回は以下のような前提で議論がスタートしました:

1. 死蔵されている映像を流せばバラ色というのは幻想。
2. 既存のコンテンツだけではなく、未来を考えるべきだ。
3. 著作権や制度を非難するのは筋違い。
4. ビジネスモデルが確立されていないのは大きな問題。


テーマは「コンテンツの流通が本当に必要なのか?必要でなければ(前提は"必要でない"という姿勢のように見えた)他の何が必要なのか?」でしたが、その話はあまりなく、財政難と少子化、制作部門の人材現象による悪循環と、ネット権(ITmedia)&フェア・ユース(wiki)についての議論がほとんどでした。

前者に関しては、若者論になるので「続きを読む」からどうぞ。

後者に関しては、無知なので理解できないところも多々あったのですが、政府や一部有識者が提案するネット法や日本版フェア・ユースが、いかに現実離れしたところで話し合われているかという議論に終始していた印象があります。後、これらが権利の保護ではなく権利者の権利を制限することになる理由があまりよく分かりませんでした。ということで、コメントできることがないのですが、ネット法に関する批判はこちら(パネラーでもあった岸氏のもの)とこちら(池田信夫氏のもの)がありますので参考までにどうぞ。

それより面白かったのは、ドワンゴの川上氏のコメント。とてもビジネスサイドな話でしたが、ベンチャーをやってる人は考え方が違うなぁと感心。
まず、「データ=コンテンツ」(例えば、CDであれば録音されている音楽)という考え方は、必ずそれがコピーされる時代にはもう通用しない、と。ビジネスとして成立させるためには、コピーされないコンテンツが必要である。そこで考えられるのが、「サーバ=コンテンツ」という構造。ゲーム業界では、ユーザーがゲームの置かれているサーバーにアクセスする際に課金するというこのモデルが既に成功しているそう(海賊版大国の中国でも)。つまり、ユーザー体験がコンテンツになっていく時代である、というお話でした。これはNokiaをはじめとした音楽購読システムの話と似ています。そういえばNokiaのComes With Musicの売上は結局どうなっているのか気になるところ・・・。

それから、前回も出ていましたが、若者は「無料=勝ち」「有料=負け」という価値観を持っているという点は意外と無視出来ない気がします。主婦だって「タダならもらっておくわ。お金取るなら結構」っていう人、山ほどいますが、その下で育った子どもが、「無料=勝ち」と考えたって変な話ではないと思います。そんな世代がどんどんネットユーザーになるわけですから、現在ユーザー全般にはびこっている「どうしてテレビはタダで見れるのにネットで見るときはお金がかかるんだ!」という考え方を払拭するのは正直難しいのではないかと。CDは、P2Pでない限り、ネットでもフィジカルでもお金がかかるから、「無料じゃないのはおかしい!」という議論にはならないと思いますが。

その他、経済難で米音楽業界ほど日本の音楽業界が被害を受けなかった理由とか、教育現場でのyoutubeの利用価値とアーカイブのアクセス性の悪さなど、面白い点があったのですが、時間もないのでこの辺で。結局、「流通促進に本当に必要なもの」は何だったのかがまとまらなかったディスカッションでした。面白かったけど。
ということで、若者の労働意欲低下とコンテンツの質の低下に関しての言及に対する批判。

この話は半分若者批判みたいになっていて、ドンぴしゃでその世代にいるものとしてはイライラすることが多かったです。議論に出てきた意見としては
1) 制作の仕事は若者からは3Kと見なされいるため、就職希望者が少なく、また離職率も高い
2) テレビ局などにおいて、制作というよりビジネスという観点から就職を希望する若者が増えた
ことなどが、作品の質を落とし、受信者もそれらに興味を持てない、そんなものに金は払わないという傾向になっている、というもの。この論自体には同意出来ますが、その原因を若者の根性に訴えるパネラーにはさすがに「はぁ?」と思いました。制作者がクオリティを求められるだけの精神的・金銭的余裕がなく、半ば搾取されている状況があるから誰もやりたがらないだけだろう、と。環境がある程度改善されれば、徹夜してでもやろう!という人は出てくるのではないかと個人的には考えています。ただし、この経済難でそれが可能かと言われたら疑問です。パネラーからは、「必要ないところは残して必要なところをコストカットしているのでは?」という意見もあり、それは一理あると思いますが(どの業界でも)、ディスカッションされていたように、例え必要なお金を残してもそのお金で期待に応える仕事が出来る人が減っている(仕事が任せられる要になる前にみんな退職するから)のが現状のように感じます。それに、私が就活をしていた時、周りはほとんど「数年後に転職する時価値がありそうな仕事」を前提に仕事選びをしていました。「同じ仕事をずっとやりたい」と言っていた人には会ったことがありません。こういった、仕事選びの基準の変化も頭に入れておくべきだと思います。

議論には全く関係ない反論ですが、やっぱり若者の端くれとして、ちょっと悔しかったから言いたかっただけです。
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anno69(@yano)

  • Author:anno69(@yano)
  • イギリスの音楽産業、特にデジタル・ミュージックと音楽産業における環境問題対策に関するブログ。スコットランド大学院留学記も。
    管理人は、スコットランドのグラスゴー大学大学院ポピュラー音楽学コースを修了し、帰国。音楽好きの普通の会社員をしています。お問い合わせは cielo0818_ls [at] hotmail.com までお気軽にどうぞ。
    A blog dedicated to topics of the UK music market in particular digital music, copyright and environmentalism in pop music.

    ●Twitter:http://twitter.com/anno69
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