イギリスの音楽産業について考えるブログ
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2009/01/21 08:32
Midem2009 続報
Midem2009の続報いきます。

MIDEM Gets Message On Radiohead Experiment - Billboard.biz (19/1/2009)
THE MESSAGE IS - NEW BUSINESS MODELS APPLY TO NEW BANDS TOO - CMU Daily (20/1/2009)
以前このブログでも紹介したとおり(URL)、Midemの一環であるイギリス音楽マネージメントフォーラムで、Cortyard ManagementのBrian Message氏がスピーチを行いました。Radioheadが自身のウェブサイトで独占的に発売した「In Rainbows」の平均ダウンロード価格など、新しい統計値の発表が期待されていましたが、結局新しいデータの発表はなく、テーマ通り、ファンとバンドの信頼関係がビジネスに与える影響についての話が中心だったようです。
Message氏は、画期的と称されている「pay-what-you-want」ビジネスモデルは"artist empowerment(アーティストへの権利付与)"の一例と捉えているそうで、「バンドは自分達で何かコントロールしたり、もっとファンと直接繋がりたいと思っていたんだ」とのこと。マネージャーのエッジ氏も以前、「"pay-what-you-want"はプロモーションの一環」と完全に断言していましたが(URL;この記事がとにかく面白いのでオススメ)、この販売方法は、「In Rainbows」のプロモーションになっただけでなく、続くツアーにも大きな影響を与えたようです。事実、Message氏曰く、昨年のワールド・ツアーでは動員も格段に増え、ライブ活動は、今やRadioheadの重要な収入源になっているとのこと。たとえ無料で音楽をプレゼントしようとも、そのプロモーションがきちんと利益となって還元されているという点で、今回のRadioheadの試みは、音楽ビジネスの成功例と言えそうです。

これに関連して、「このビジネスモデルはビッグ・ネームだから成り立つこと」という批判もある中で、Message氏は「これは新人にも使えるビジネスモデル」と主張。曰く、「何の投資もないところから、大きな投資を生み出す。リスクという点ではヒーヒー言うことになるけどね」とのこと。また、Cortyard Managementは、同社自身の出資やベンチャー企業からの資本を、新人ミュージシャンの活動資金にしているそう。CMUによれば、このビジネス方法は、それら企業と収入を分け合う代わりに、原盤権や著作権等の権利を手放すことなくビジネス出来る方法であるとのこと。Message氏も「悲劇的な経済の中、音楽ビジネス参入の機会を待っているベンチャー企業はたくさんいる」とコメントしています。そんなくだりを読んでいて、昨日のレクチャーでChemikalのスチュワート(←会うのは2度目だったけど、いつでも優しいお兄さん)が話してくれたことをふと思い出したのですが、旧式のビジネスモデルは、アーティストの大小問わず、ついに通用しない部分の方が多くなってきたのではないかと感じます。スチュワートは「雑誌に広告打ったりプロモーションにお金を費やしたり、そうゆうメジャーがやるようなことはもはや利益に繋がらない」と断言し、Message氏は「アーティストに対しては、レコーディングやビデオの制作費は安く抑えて、自身の想像力を信じるよう背中を押してあげるべき」と主張する。そしてMessage氏のこのコメントが、今回のキーだったと思います:

"Radiohead, for want of a better word, is a trusted brand," said Message. "Once you drive that trust, you have a big opportunity."
(「他に良い言葉が見つからないのだけど、Radioheadは信頼されたブランドなんだ。」そうMessage氏は言った。「ひとたびこの信頼を動かすことができたなら、それは大きな契機だ。」)


こんな話を読んでいると、マネージャーにはクリエイティブなビジネスマン的側面が必要なのだということを切々と感じます。ビジネスも立派な創造ですね。

EAVIS GETS GREEN AWARD AT MIDEM - CMU Daily (20/1/2009)
こちらも以前紹介した通り(URL)、グラストンバリーのオーガナイザーMichael Eavis氏がこのMidemにてGreen World Awardを受賞しました。以前紹介した際、「堆肥化するペグなんて、観客のゴミに対する責任放棄を助長するだけ」みたいなことを書いたのですが、後で調べたら、観客が地面に食い込んだままで放置していくペグのせいで、家畜が怪我をしたりするなどの被害が増えたそうで、それを防ぐ対策作だったようです。責任放棄の助長になっている点は変わらないけど、この対策しかなかったんだろうなぁと、ちょっと反省。
さて、気になったのはエコな話ではなく、このくだり:

[...] Eavis refused to reveal who the headliners for this year's festival are, explaining that doing so might affect the band's ticket sales for their other gigs, saying "They get proper money from their commercial concerts and festivals, they play for us for very little money, so it's only fair that they should earn their money first. So I can't spoil their ticket sales by announcing it".
(Eavis氏は今年のヘッドライナーを明言することを避けた。同氏の説明によれば、ヘッドライナーの発表により、そのバンドの他のライブチケットの売り上げに影響するためだとしている。「彼らはコンサートやフェスから適切な収入を得ているんだ。でも、我々のフェスには本当にわずかなギャラでも出演してくれている。まず先に、彼らが普段の活動で収入を得るべきなんだ。だから、僕はヘッドライナーの発表で、彼らのチケットの売り上げを下げるようなことは出来ない。」)


私も、散々「フェス・マスター」と揶揄された身なのであまり言えることはないのですが、イギリスでも、大きなライブ、殊更フェスの人気は過熱する一方、小規模のライブには足を運ばない客が増えているそうです。今年は不況やコンサート代が高騰していることもあって、その傾向も若干落ち着くのでは?なんて話が授業でもちらっとあったのですが、果たしてどうなるか。

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長くなってしまったので、今日は以前紹介した2つの記事の続報のみ。他の気になるトピについてはまた後日。
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anno69(@yano)

  • Author:anno69(@yano)
  • イギリスの音楽産業、特にデジタル・ミュージックと音楽産業における環境問題対策に関するブログ。スコットランド大学院留学記も。
    管理人は、スコットランドのグラスゴー大学大学院ポピュラー音楽学コースを修了し、帰国。音楽好きの普通の会社員をしています。お問い合わせは cielo0818_ls [at] hotmail.com までお気軽にどうぞ。
    A blog dedicated to topics of the UK music market in particular digital music, copyright and environmentalism in pop music.

    ●Twitter:http://twitter.com/anno69
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