イギリスの音楽産業について考えるブログ
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2009/01/29 21:33
UKとScottishの違い(Climate Change Bill)
一昨日の話になりますが、大学のPeople&Planetのメンバーと一緒に、地球温暖化キャンペーングループ「Stop Climate Chaos Coalition」のワークショップに参加しました。ワークショップのテーマは、「いかにしてMPs(地方議員)にアピールするか」というものだったのですが、この点についての話は特に役立つこともなかったので省略します。ただ、面白いなと思ったのは、スコットランド政府が成立に向けて動いているClimate Change Billの話。

おさらいすると、スコットランド政府は、イングランド(≒イギリス政府。便宜上イングランドとします)とは別のClimate Change Billの成立に向けて動いています。イングランドでは昨年11月に法案成立しましたが、スコットランドでは、昨年12月に法案が提出され、今年秋に成立予定となっています。つまり、スコットランドではまだまだ必死のロビー活動が続いているのです。

スコットランドは、the United Kingdomの一員ですが、スコットランド独自の政府を持ち、医療や教育の分野などではイングランドと別のシステムが採用されています。一昨日のワークショップで、「スコットランドのような小国が、世界基準のClimate Change Billを成立させることができれば、他の小国の活動を促す絶好のアピールになる」という話が出たのも、この点に由来します。

このブログでも、何度かScottish Climate Change Billの重要性や、イングランドのClimate Change Bill(=UK Climate Change Bill)よりも質が高いと言われている点について書いたことがあるのですが、実際どこがどう違うのか、ハッキリと認識できていませんでした。そこで、UK Climate Change Billに関するイギリス政府発行の資料(URL)とFoE発行のメディア資料(URL)と、Scottish Climate Change Billの政府資料(URL)をパパパッと読み比べてみました。すると、なぜ「Scottish Climate Change Billの方が"野心的"」と言われるのかが少し見えてきました。

まず、イングランドで散々議論された国際輸送を削減対象とするかしないかについて、スコットランドのものは、法案提出の段階ですでに対象の1つと見なされています。
また、目標値の設定の仕方にも違いが。両者とも、2050年の排出削減量目標値は1990年レベルと比較して「at least 80%(最低80%)」の削減となっています。これは、法律施行後定期的に行われる見直しの段階で、必要があればこの目標値をあげることができることを意味しています。もちろん、下げることは出来ません。"at least"という言葉が重要で、この言葉を入れるためにNGOsはかなり奮闘したようです。ただし、短期目標で見ていくと、スコットランドのClimate Change Bilには、既に「最低年間3%で、毎年見直し」という内容が盛り込まれていますが、イングランドでは、現在のところハッキリとした年間目標数値がなく(設定予定にはなっている模様)、削減目標は5年単位で設定されています(解釈が間違えていなければ・・・)。
ちなみに、イングランドは元々60%と設定されていたのがNGOsの努力で80%に引き上げられたのに対し、スコットランドは元から80%。この点も、メディア等の評価に影響を与えているようです。
以上の点が、Scottish Climate Change Billを"野心的"とさせていると言えるのではないかと思います。

Scottish Climate Change Billの問題点は、中期目標値が現在のところ設定されていない点にあるそうです(UK Climate Change Billでは、2020年までに「最低26%削減」となっています)。この中期目標が決まらないとどうなるかというと、例えば、年間3%という目標に対して2.8%しか達成できなかったとします。そうすると、この年0.2%が毎年積み上がっていきます。しかし、「2050年までに80%」という目標は下げられないので、年が進むにつれて、達成できなかった分を取り戻すため、年間目標を3.5%、4%・・・と上げていかざるを得なくなります。これでは、すべて後回しにしている現在の状況と全く変わりません。一昨日のワークショップでも、「これを防ぐためにも、2020年の目標を定める必要がある」という点はかなり強調されていました。

と、いうことでした。
イングランドとスコットランドのClimate Change Billの違いはちゃんと調べなきゃと思って放置していたので、良いきっかけになりました。
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anno69(@yano)

  • Author:anno69(@yano)
  • イギリスの音楽産業、特にデジタル・ミュージックと音楽産業における環境問題対策に関するブログ。スコットランド大学院留学記も。
    管理人は、スコットランドのグラスゴー大学大学院ポピュラー音楽学コースを修了し、帰国。音楽好きの普通の会社員をしています。お問い合わせは cielo0818_ls [at] hotmail.com までお気軽にどうぞ。
    A blog dedicated to topics of the UK music market in particular digital music, copyright and environmentalism in pop music.

    ●Twitter:http://twitter.com/anno69
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