イギリスの音楽産業について考えるブログ
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2009/01/31 20:23
これはミュージシャンのため?(後編)
Why artists should retain ownership of their recordings - The Guardian (29/01/2009)

昨日の続きです。昨日の記事はこちら

ガーディアンのこの記事は、2日後に控えたthe Featured Artists' Coalitionの第1回会議にあわせたコラムですが、著作権の仕組みについてざっくり分かりやすく説明してあるので、昨日の続きとして紹介します。タイトルの通り、「何故ミュージシャンは楽曲の所有権を得なければならないのか?」がテーマになっています。

音楽の著作権には主に2種類あります。1つめは音楽出版権(music publishing)、もう1つは原盤権(sound recordings)です。前者は作詞・作曲者が持つ権利で、この権利の管理は、主に委託された音楽出版社が行います。後者は録音された音源の権利で、所属するレコード会社が管理します。ミュージシャンが(主に)メジャーレーベルと契約する場合、この原盤権はレコード会社に委譲されるため、ミュージシャンは原盤権を所有していないことになります。つまり、ミュージシャンは音楽出版権による収入(印税)のみを得ることになり、原盤権の収入は全てレーベルにいくことになります。

記事によると、この管理方法の問題は、ミュージシャンがレーベルと契約終了した後に持ち上がるという。つまり、契約終了後、録音された音源がどうなるかは全てレコード会社にかかっているのです。この状態は、俗に「音楽が“固定された状態(lock-up)”」であると表現されるそうです。

この方法に対し、ブレイクが期待されているThe Boxer Rebellion(でも実はすごい古いバンド・・・サマソニも来てたはず)のマネージャーは、「それでも、新人バンドにはメジャーと契約する利点が大いにある」としています。これは、先日、プラシーボがメジャーを離れ、マネージメント&プロモーションを行っているPIASと契約(2つの著作権は両方バンドの管理下となっているらしい)したことを受けた発言です。つまり、新人がいきなりPIASみたいなところと契約するとビジネスとして成功するか難しい。メジャーの強力なネットワークを使った方が成功するのでは?というのがこのマネージャーの意見です。

そこでFACの登場。彼らが主張しているのは、著作権はミュージシャンが所有しつつ、レーベルが一定期間その管理を行うべきであるということ。アメリカでは、30年後に著作権がミュージシャンに戻ってくるそうですが、イギリスにはそれがない。そのため、著作権が延長されたとしても、ミュージシャンは音楽出版権から入るわずかな収入しか得られない。原盤はレーベルによって"lock-up"されているからです。それだけでなく、レーベルが音源のリリースに失敗した場合、ファンはその曲を違法DLする以外選択肢がなくなります。だからこそ、FACは「"use it or lose it" clause("使うか失うか"に関する条項)」を盛り込んだというのです。記事の最後は、「月曜日のミーティングには、プラシーボだって参加するかもしれないよ!」というコメントで締められています。

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メジャーレーベルとの契約については、なんだかとてもややこしいのです。仮にものすごい破格で契約したとしても、その契約金からプロモーションなどの経費が落ちるため、そのミュージシャンが商業的に失敗した時は、最終的には借金になってミュージシャンは返済に追われるとか。インディーは"50/50 deal"がまだ多いのかな・・・その辺はまだ弱いので勉強する必要がありますね。

バンドが自分達の権利をコントロールできるようになった場合、全てが良い方向に働くかといえば、そうではないと思います。そうなった場合、「僕らは音楽つくることだけに集中したいんだ!」なんて言ってられなくなります。でも、個人的には、ミュージシャンがより責任を持って活動をするという姿勢には賛同しますし、そうあるべきだと思います。

以上。著作権についてのまとめでした。大学院では、再来週から3週連続(!)で著作権のレクチャーを受けます。楽しみです。
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anno69(@yano)

  • Author:anno69(@yano)
  • イギリスの音楽産業、特にデジタル・ミュージックと音楽産業における環境問題対策に関するブログ。スコットランド大学院留学記も。
    管理人は、スコットランドのグラスゴー大学大学院ポピュラー音楽学コースを修了し、帰国。音楽好きの普通の会社員をしています。お問い合わせは cielo0818_ls [at] hotmail.com までお気軽にどうぞ。
    A blog dedicated to topics of the UK music market in particular digital music, copyright and environmentalism in pop music.

    ●Twitter:http://twitter.com/anno69
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