イギリスの音楽産業について考えるブログ
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2009/03/28 06:17
FAC: 3つの優先事項
第1回目のミーティング後から嫌な予感はしていましたが、FACは少し危険な道を歩き始めているようです。

FACをよくご存じない方は、拙ブログの以下の記事を参照ください。
- FAC: 第1回ミーティング・続報
- FAC: 第1回ミーティング・まとめ

そして今日のニュース:
FAC OUTLINE THEIR TOP PRIORITIES - CMU Daily (27/3/2009)
FAC elects board, sets out agenda - Music Week (27/3/2009)

FACがこれから取り組むべき3つの最優先事項を発表しました。FACはいつもオフィシャルの更新が遅いので(もしくは更新がない・・・)、どのような言葉を使って説明しているのか分かりませんが、上記の記事をまとめると、内容は以下の通り:

( i ) P2Pを使ってファイルシェアをしているファンを告訴するつもりはない。しかし、政府は違法行為を助けるサービスを行っている人々を追及すべきである。
( ii ) 著作権保護期間延長案については、基本的には賛成である。ただし、現行法で定められた50年が経った後は、たとえ音楽活動の経費をレコード会社に返済できなくても、ミュージシャンがその権利を保持するという条件をクリアした場合のみ、賛同する(つまり、95年のうちの最後の45年間で著作権から得られる印税は全てミュージシャンの収入となる)。
( iii ) ミュージシャン教育の一環として、レコード会社が提示する制限の多い契約の危険性を認識させ、ミュージシャンが持ちうる権利を出来る限り保持し、レコード会社に手放さないようアドバイスする。


( iii ) は理解出来るのでおいておきます。

( i )→ CMUの記事にある通り、BPIと同様、3ストライク・ポリシーにおおっぴらに賛同することはないでしょうが、この文面には、「インターネット・プロバイダーには何かしらの責任があり、違法ファイルシェアリングを防ぐ手を打つべき」というメッセージが隠されていると見るのが普通だと思います。ポルノサイトとか反乱しててもプロバイダーの責任なんて問われないのに、どうして音楽になったら問われないといけないのか、個人的には理解に苦しみます。

( ii )→ 必死に前向きに捉えてみようとしてみたのですが、無理でした。以前、レディへのエドが「僕たちはミュージシャン、そしてファンを代表する団体なんだ」というようなコメントを残していましたが、著作権保護期間の延長自体が、ファンに不利益となりうるものです。例えば、私たち音楽学生そして研究者は、いかなる音楽作品のコピーも許されません。図書などは「教育目的の範囲内なら一定枚数のコピーはOK」ですが、音楽作品は教育目的でも一切不可能(※追記(1/4/2009)レビューや評論のため(つまり、商業目的)のコピーは許されている)。しかも、今著作権保護期間が延長された場合、現在研究されている古い音楽作品が再び使用不可となり、研究をストップせざるを得なくなります。ちなみに、ポピュラー音楽学学者は連名で文章を発表し、保護期間延長に反対の姿勢を示しています。知っている限り、図書館や研究機関などの教育機関も、概ね反対です。ちなみに、FACをバックアップしているMMF(音楽マネージャーフォーラム)は延長に賛成。これが( ii )の原因の1つかも、と疑っています・・・(蛇足。私のお世話になっている先生2名は両方ともマネージャーをしていますが、彼らは学者達の文章に名前を連ねている反対派です)。

( ii ) のさらに酷いことは、最後の45年間はミュージシャンが一切の印税を得ることが出来る点。なぜ現行の50年の契約内容改正を求めず(( iii )は関連していますが、レコード会社ではなく「ミュージシャンを教育する」という点でニュアンスが少し違う)、残り45年をミュージシャンの管理としたのかが全く理解できません。この案では、レコード会社と一部の大物ミュージシャンが、バック・カタログからの印税を巡ってお金の奪い合いをしているようなもの。肝心の、中小規模のミュージシャンには何の利益にもなりません。既にレコード会社と不公平な契約を結び、搾取されているようなミュージシャン達の果たして何パーセントが、作品発表後50年以降もバック・カタログから収入を得ることが出来るでしょうか?(ミュージシャンは活動に見合った分の収入を受け取るべきだと思いますが、引退したミュージシャンの年金を払うために音楽を買うつもりはありません。)

お金を巡る汚い争いに見えなければ良いですが、ファンにはどう映っているでしょうか?一音楽ファンとして、この内容で「FACは音楽ファンの味方」などと、正直言ってもらいたくないです。( i )と( ii )は、レコード会社やBPIがやっていることとほとんど変わりません。著作権は、ミュージシャンのためだけにあるのではありません。「社会全体の利益のため」という面があり、この2つはバランスよく共存すべきという考えが根底にあります(現行法では、です)。この点については、こちらの記事がとても共感できるので、お時間ある方は是非ご一読を。

ちなみに、EU域内の著作権保護期間延長に関して、セッション・ミュージシャン基金に関する投票が今日行われ、イギリスの反対によって話が暗礁に乗り上げたようです(URL)。延長賛成派から大バッシング食らってるようですが、期待の綱なので、英代表のLammy氏には是非頑張っていただきたいです。私も今週中に地元のMEPにメールしなければ・・・。
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anno69(@yano)

  • Author:anno69(@yano)
  • イギリスの音楽産業、特にデジタル・ミュージックと音楽産業における環境問題対策に関するブログ。スコットランド大学院留学記も。
    管理人は、スコットランドのグラスゴー大学大学院ポピュラー音楽学コースを修了し、帰国。音楽好きの普通の会社員をしています。お問い合わせは cielo0818_ls [at] hotmail.com までお気軽にどうぞ。
    A blog dedicated to topics of the UK music market in particular digital music, copyright and environmentalism in pop music.

    ●Twitter:http://twitter.com/anno69
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