イギリスの音楽産業について考えるブログ
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2009/05/30 23:23
フェスの観客の移動手段に関する調査(the Jam Packed Part1 by JB)
今月、Julie's Bicycleがフェスの観客から排出される温暖化ガスに関する調査結果を発表したことは以前お伝えした通りですが、何とか目を通すことができたので、ここでまとめます。ちなみに、CDパッケージの方は半分読んだ後ほぼ放置状態・・・これはいかん。

さて、「Jam Packed Part 1」と名づけられたこのレポート。調査は2008年に、計14の夏フェス会場で行われたとのこと。調査項目が多岐に渡っており、各会場でそのうちのいくつかを選んで調査する形だったようです。誰でもDLできる要約版には協力フェスの名前が書いていないので明記できませんが、MLに登録(もちろん無料)することで協力フェスの一覧も載っている完全版がDLできます。が、ちらっと書いておくと、大手プロモーターLive NationとFestival Republic関連が半分位占めてます。小さ目のフェスは、今回は対象外になったようです。

要約版ではよく分からないことが多いので、完全版を読まれることをお勧めしますが、今回は要約版からいくつかセレクトしてまとめます。DLはこちらからどうぞ。
【観客の交通手段に対する態度】
- 田園地帯で開催のフェスでは(調査に参加した(以下この文言は省略))観客の72%が、郊外(peri-urban - 市街地と田園地帯の間という意味ですが、便宜上、郊外とします)で開催のフェスでは68%が車で来場した。
- 乗車率は2.36~2.77人/台であり、60%が1台につき2人以下で来場した。
- 田園地帯および郊外開催のフェスでは、観客の55%がバス、47%が電車で来場できることを知らなかったと回答した。主催者の中でもっとも関心が低かったのはカーシェアリング(車の乗り合い/26%)だった。

【移動による炭素排出の責任】
- 主催者にもっとも炭素排出量の低い移動手段を聞いたところ、電車(39%)、バス(32%)、2人乗車の自動車(12%)となった。しかし、実際は、定員に達しているバスでの移動が最も排出量が少ないと考えられる(特に田園地帯で開催のフェス)。
- 39%の観客が、最も責任があるのは観客自身であると、また34%が主催者であると回答した。
- 半数以上の協力主催者は、既に観客の移動による温暖化ガス排出量の見積もりを行っている。

【観客の移動手段に対する態度の変化を妨げる主なバリア】
- 車での移動が比較的安い
- 車と比べ、他の移動手段は利便性、確実性、快適性に欠けている
- 公共交通機関でキャンプ道具を運ぶのが大変
- 営利的な理論的根拠がなく、観客に対して行える要求に限りがある。

【解決のための提案】
- 関連企業とパートナーシップを組む
- 十分な情報の提供
- レジャー旅行の導入のサポート
- 観客からの排出のモニタリング
- 解決手段の実行とコミュニケーション
- レジャー旅行に関する上層部組織の設立と2年に1度のサミット開催

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【補足】
まず、「客のおよそ半数がバスや電車で来場できることを知らなかった、なんてことは有り得るのか?」と個人的には感じるのですが、イギリスだったらなくもないかも・・・とも一方で思ったり。日本ほど気合を入れてフェスに行く必要がないので、特に初めて参加する人であれば、友達に全部オーガナイズしてもらって、自分は何も調べないで行く・・・という人がいたっておかしくない。

カーシェアリングについてですが、やはりこれを積極的に推進するのは主催者側としても気が引けるのは仕方がないと思います。何かあったときに責任取れないし。この点については完全版の方に詳しく書いてあります。

「バスと電車だとバスの方が排出量が少ない」というは、乗車率、そして電車の場合駅からシャトルバスになったりするので、そうゆう諸々を考慮すると、バスの方が排出量が少なくなる可能性が高いということだと思います。

主催者による温暖化ガス排出量の見積りについては、先ほど書いたように、協力主催者の半数がLive NationとFestival Republic、そして小規模フェスは今回は対象外だったからこうなっただけだと思います。大小数百はあるイギリスのフェスすべてを考慮したら、半数以下になることはほぼ間違いないと思います。

提案についてですが、1番最後のサミット開催云々はJBの腕の見せ所でしょう。ただし、色々反発もあるでしょうから、迅速に且つ慎重にやらないといけないかとは思いますが。

その他の提案についてですが、参考にはなりますが、正直暖簾に腕押しといった印象。昨日、とある大型フェス主催者の方にインタビューしてちょうどこの話題になったのですが、今回提案されたようなことは既に過去検討済みで過去の話のようなものだ、とおっしゃっていました。以下、リサーチ用のインタビューだったのでネタばらしできないのが非常に残念ですが、大型フェスのように、既に様々な環境対策を行っていてその体制も整っているところの正直な声はそんな感じなのではないかと思いました。小さいフェスにしても、提案を取り入れるかどうかは、JBのプッシュでなく、他フェスとの競争の中で生まれるプレッシャーによるところが大きいだろうし。そうなると、当たり前のことですが、フェスのエコ化もビジネスの一環として捉えないと、企業は動いてくれないという印象を持ちました。聞こえは大変悪いですが、正攻法では動いてくれないというのが現状であるということを改めて思い知らされた気がします。一人一人の意識が今の数十倍くらい高まってそれが多数派になれば話は別ですが。

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最後に、インターン先のフェスのウェブサイトが更新されていて、エコに関するセクションで、私の提案(こちらを参照)を色々採用してくださったようです。100%とは言いませんが、かなり取り入れてくださって、感激(レイアウトの変更はして欲しかった・・・)。レポートには書かなかったのですが、私がレポートをウェブサイト上でのコミュニケーションに絞った最大の理由のひとつは、ウェブならお金がかからないので提案が通りやすいと思ったことです。文体やレイアウトを変えるだけで簡単だし、しかもインターン先でお世話になった上司とウェブ担当者の2者間だけで決められていることも分かっていたし。

ただし、言うまでもなく、ウェブよりも会場内の環境改善の方がずっと重要なので、それがどうなるか静かに動向を見守るのみです。
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anno69(@yano)

  • Author:anno69(@yano)
  • イギリスの音楽産業、特にデジタル・ミュージックと音楽産業における環境問題対策に関するブログ。スコットランド大学院留学記も。
    管理人は、スコットランドのグラスゴー大学大学院ポピュラー音楽学コースを修了し、帰国。音楽好きの普通の会社員をしています。お問い合わせは cielo0818_ls [at] hotmail.com までお気軽にどうぞ。
    A blog dedicated to topics of the UK music market in particular digital music, copyright and environmentalism in pop music.

    ●Twitter:http://twitter.com/anno69
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