イギリスの音楽産業について考えるブログ
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2008/07/21 04:16
ツアーにおける炭素排出量削減の取り組み-Radiohead(実践編)
※基礎編をお読みになってからこの記事を読み進めることをおすすめします。基礎編はこちらからどうぞ。

Best Foot Forwardによるレポートを参考にして練られたワールドツアーは、5月にアメリカでスタートしていて、ただ今ヨーロッパ公演を終了したところ。8月には再びアメリカに戻り、10月の日本公演が現在のところツアー・ファイナル(来年春に南米ツアーが行われるかも?)。グラスゴーにいる私は「もし今日本に居たら何回レディへが見られたか」と下唇をかむ日々です。

それはさておき、2回目のこの記事では、彼らが具体的にどのような取り組みを計画したのかについて紹介します。
情報は、DAS内の「The Most Gigantic Flying Mouth For Sometime」に掲載されています。BFFの調査結果をどうツアープランに組み込んだのかがこれを読むと分かります。今後また更新があるかもしれませんが(発電機についての説明が近々あるとのことだったのだけど、今のところ更新されていない)、その時はまたこのブログで紹介したいと思います。
ちなみに、各会場での取り組み状況に関する報告レポートのセクションもあるのですが、それは後日紹介します。
●DAS 「TMGFM for sometime」現在投稿されている記事について
【ライブ会場(Venue)】
去年12月に環境関係に関わるツアーコーディネーター(バンドのマネージメントをしているCourtyard ManagementのITスタッフでもある)をまねき、以下の基準を最優先事項として会場を選定したとのこと。

・カープール利用者(自動車を共有して利用する人)に駐車優先権を与え、またこのことを、各コンサートの参加者とコミュニケーションを取って周知させる。
・エネルギー効率のよい照明を全エリアで使う。
・グリーン電力や持続可能な資源で発電されている電力を電力会社から購入する。
・使い捨てではなく、リユースカップを使用する。
・文具やチケット、ポスター、DM、ナプキンなどは再生紙を使用する。
・堆肥になるリサイクル紙で出来た食器や木製のスプーン&フォーク類を使用し、プラスチック製は避ける。
・カン・ペットボトルのリサイクルポイントを設ける。

その他の特記事項は以下の通り。
・多くの炭素排出率を占めるファンの移動については、カープール利用者をいかに増やすかを重用視していた模様(おそらく、特にアメリカではこのことが排出量削減のための必須条件だったと思われる)。
・堆肥化するビールコップがプロモーターであるLive Nation社の協力で使用されることになる。
・全ての残飯は各地で堆肥化される。
・会場で使用される食品がオーガニック且つ地元産であるかどうかについては立ち入らない。

【アメリカにおけるトラック輸送について(Trucking in North Amercia)】
・楽器や照明、ケータリングシステム等の機材計55トンは、効率よいパッキングと積み込みが可能なトラック5台(一般的に使われているものと比較し、人手とそれなりのスキルを必要とする)で輸送されている(ちなみに、スタジアム級のツアーでは36台超のトラックが使用されることもあるそうで、それと比べれば相当少ない)。
・電車での移動も考えたが、短時間での荷物の積み降ろしなどの問題があり、トラック輸送に変更した。
・運転手の安全な運転を最優先事項としているため、暑く不快的な環境の中で「冷房を使わないでください」と求めるようなことはしない。
・近年補助エンジン装置(Auxiliary Power Units)が導入されつつあり、アイドリングストップに代わって機能する。
※トラック輸送を担っている会社のwebsiteはこちら

【移動手段(Planes, Trains and Omnibus)】
・バンドサイドは交通の便の良い中心街にライブ会場をセッティングし、公共交通機関の時刻表を考慮した上で開演/終演時間をアレンジした。
・公共交通機関を含めた会場へのアクセスを詳細に調べ、Radioheadのオフィシャルサイトに掲載した。その際、安全な観客の帰宅を最優先事項とした。
・車の相乗りはより人気のある移動方法となっているが(石油価格高騰が要因と思われる)、バンドサイドとしては自転車で駐輪場が一杯になることの方が嬉しい。
・クルー(バンドも含む?)は飛行機移動を極力避け、トイレ&キッチン付き且つ睡眠もとれる52人乗りバス(URL)で移動する。
・電車での移動も検討したが、午前2時に出発して翌日7時に次の会場に到着するというスケジュールと電車の時刻表が合わない等の理由で実現は厳しいと判断した。
・「いわゆる"カーボン・オフセット"は、お金で自分の炭素排出量を購入するだけで、実際は排出量の削減繋がっていないことを付け加えておく(http://www.foe.co.uk/resource/briefings/carbon_offsetting.pdf)」(原文要約)

【発光ダイオード(LED)による照明(Lighting the LED way)】
・照明で使用するエネルギーを節約するため、LEDを使用する。2003年のツアーで照明システムが必要としたのが600amps 3phase (1800A)に対し、今ツアーでビデオを含む全ての照明システムでLEDを最大値で使用する場合140A 3phase (計420A) となる。
・従来の照明システムでは、電源は「ON/OFF(=0%/100%)」しかないため、電源の入切で発電機が無駄にアイドリングし、その分エネルギー消費と炭素排出量を増やす結果になっていた。
・ランプには放電式のものを使用するよう提案した。機械的にスイッチのON/OFFが作動するようになっている他、コンスタントに電流が流れるため、発電機のエネルギー効率も良い。
・従来の照明はフィルターによって色を変えるため、使用する照明は常に100%のエネルギーを必要としたが、LEDは三大原色(赤/青/緑)の各色の加減を調節して色を作るため(例えば白い光が欲しい場合は全ての色の値を最大限にする)、常に100%のエネルギーを使用する必要がなく(例えば赤の時は青と緑をゼロにする)、その分エネルギー節約につながる。
・バンドは2003年のツアーでも一部でLEDを使用している。
・少ない量ではあるが代替のエネルギー源も必要となると考えられる。

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前回と今回のものをまとめていて思ったのですが、2006年のツアー時は普通のバンドと同じようにやっていたのでしょうか?それとも、部分的には導入されていたのでしょうか?今回ここまで徹底して計画を練って実行しているのに、今更、なぜ2006年のツアーで飛行機をチャーターしなければならないようなスケジュールを組んだのかが大きな疑問として残っています。

次は報告編の予定。バンドがツアーを再開する前に全部まとめたいと思います。
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anno69(@yano)

  • Author:anno69(@yano)
  • イギリスの音楽産業、特にデジタル・ミュージックと音楽産業における環境問題対策に関するブログ。スコットランド大学院留学記も。
    管理人は、スコットランドのグラスゴー大学大学院ポピュラー音楽学コースを修了し、帰国。音楽好きの普通の会社員をしています。お問い合わせは cielo0818_ls [at] hotmail.com までお気軽にどうぞ。
    A blog dedicated to topics of the UK music market in particular digital music, copyright and environmentalism in pop music.

    ●Twitter:http://twitter.com/anno69
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