イギリスの音楽産業について考えるブログ
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2009/09/11 20:37
FAC (+クリエイター): 英政府の方針転換に反対の姿勢(追記あり)
UK musicians and composers slam government’s anti-piracy consultation - Music Ally (4/9/2009)
YouTube and PRS make peace as musicians protest about plans to punish file sharers - the Guardian (3/9/2009)
Musicians hit out at piracy plans - BBC News (10/9/2009)
Musicians hit out at plans to cut off internet for file sharers - The Times
MusicTank Newsletter - Sep 09 - MusicTank (September 09)

前回、英政府が、一時的なインターネット回線遮断を含めた違法ファイルシェアリング対策の法律化を目指す話について投稿したのですが(URL)、その続編です。

英ビジネス・イノベーション・技能省(BIS) は、上記の件に関して「Consultation on Legislation to Address Illicit P2P File-Sharing」を公開。政府提案に対する関係団体からの意見を現在も募集中なのですが、上記の上2つの記事は、The Featured Artists Coalition, British Academy of Songwriters, Composers and Authors, and the Music Producers Guildという、音楽業界で働くクリエイター達の団体が発表した回答。次の2つの記事は、3団体の中でもFACのメンバーによるコメントにフォーカスを当てたもの。最後の1つは、この政府提案に対し、業界側の団体で唯一クリエイターサイドの見方に回ったthe Music Managers' ForumのJon Webster氏のインタビューです。

Music Allyの記事に回答全文が掲載されています。まず、レコード協会等のパイラシー対策に疑問を呈する人達の多くが取り上げる、この部分を引用します:

"The very fuzzy estimates for the annual benefits of such legislation (£200 million per year) make clear that such estimates are based firmly upon the premise that a P2P downloaded track equals a lost sale."
(このような法制度で得られるとされる年間利益(200万ポンド)はとても不明瞭な見積もりである。これが、「P2Pでダウンロードされた曲はセールスの損失とイコールである」という前提に確固として基づいているということをハッキリさせている。)


つまり、もしP2Pで曲を違法DL出来なかったとき、パイラシー達は同じ曲をお金を出して買うか?買わないかもしれないよね?ということです。

以降、回答文は、この法制度導入への批判を繰り広げます。個人的にも同意できる内容になっています。要約すると:

- ファイルシェアリングによる損失とシェアされなかった場合の利益とのギャップは正確に計られていないが、ファイルシェアラーは同時にCDをより購入する熱心な音楽ファンであるという調査結果は、いくつものリサーチで発表されている(注:対して、BPIのGeoff Taylor氏は「多くの関係者は、違法ファイルシェアリングが、新しい音楽への投資に深刻なダメージを与えていると認識している」と述べている)。
- 法律化によりかかるコストは、それにより得られる利益に見合わない。
- ファイルシェアリングは、多数のファンのサポート(活動)と一致するものである。


そして、クリエイターサイドが度々主張する、この文言が最後に登場します:

"What the consultation’s proposals singularly fail to do is differentiate between the downloading and sharing of music by music fans, on a non-commercial basis, and those who seek financial gain or commercial advantage from such activity."
(この協議提案の際だった失敗をあげれば、音楽ファンが非商業ベースで音楽をダウンロードしたりシェアすることと、そういった活動から金銭的利益や商業的利益を得ようとしている人達を区別することである。)


個人的に、この点については、特にMyspaceのことを考えると腑に落ちない。元々は「無料で使えるプロモーション・ツール」的なノリで、バンドサイドもこぞってMyspaceにバンドのアカウントを開いていたというのに、今は「彼らは我々の音楽で利益を得ている。それならばミュージシャンにも利益があって良いはずだ」という主張になっている。確かにMyspaceはミュージシャン無しで成り立たないビジネスだけど、ミュージシャンは曲を提供することの対価をしっかり受け取っていると思うから、その上で金銭を要求するのは、ミュージシャンにとって都合の良すぎる話かな、と。

余談ですが、BBCの記事で、音楽業界団体のまとめ役であるUK Music(同団体については、拙ブログのこちらを参照)は、政府の方針転換に賛成派。で、このUK Musicには、反対派であるBritish Academy of Songwriters, Composers and AuthorsとMMFが参加している、と。なんだか足並み揃ってないというか、適当というか・・・非常にこんがらがる話だな、と。

最後に。政府発表の「Consultation on Legislation to Address Illicit P2P File-Sharing」の要約文を読んだのですが、政府が法的手段に乗り出す動きをとるきっかけになったのが、the Gowers Review(拙ブログのこちらを参照)のRecommendation 39だというので、Gowers Reviewを読み直しました。そうしたら、ちゃんと5.96に、「インターネットプロバイダーに二次的に法的責任をとらせることにより、技術革新やパブリック・ドメインにおちた作品の入手の可能性を下げる。また、コミュニティ法と共存出来るか疑わしい」といった内容の文言があるんですよね。法律になれば、プロバイダーの責任にならないし・・・っていうのはあるのかな。でも、やっぱり、パイラシー対策のために、こういった形でプロバイダーが犠牲(?)になるのは違う気がするんですよね・・・うーん。

※追記(13/9/2009)
Filesharing crackdown divides UK music industry - the Guardian (12/9/2009)
業界の中でも意見が割れていますよー、という記事です。新人やスタジオミュージシャンなど、知名度も低ければ音楽で得られる収入も少なく、投資者を見つけることが困難な人達に対して、FACが提唱するようなビジネススタイルは当てはまるのかどうかという議論。これには、いろんな意見があって当然でしょう。
記事を読んで改めて思いましたが、FACの活動はとても面白いし興味もあるし、同意できる部分も多々あるけど、ミュージシャンが多数参加しているからといって、FACをヒーロー扱いするようなことがないよう常に気をつけたいものです。
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FAC: 教育プログラム開始 | Home | Rethink of internet suspension pirates in the UK
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anno69(@yano)

  • Author:anno69(@yano)
  • イギリスの音楽産業、特にデジタル・ミュージックと音楽産業における環境問題対策に関するブログ。スコットランド大学院留学記も。
    管理人は、スコットランドのグラスゴー大学大学院ポピュラー音楽学コースを修了し、帰国。音楽好きの普通の会社員をしています。お問い合わせは cielo0818_ls [at] hotmail.com までお気軽にどうぞ。
    A blog dedicated to topics of the UK music market in particular digital music, copyright and environmentalism in pop music.

    ●Twitter:http://twitter.com/anno69
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