イギリスの音楽産業について考えるブログ
--
--/--/-- --:--
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告 トラックバック(-) | コメント(-) | Page top↑
--
2009/11/16 02:50
デジタル・ミュージックの環境負荷はどれくらい?
Julie’s Bicycle calls for research into digital emissions - Music Week (6/11/2009)
Are music downloads greener than CDs? - The Guardian Blog (25/11/2009)

Julie's Bicycleがデジタル音楽の生産/消費とそれによる温室効果ガス排出量の関係についてのリサーチを求めているというニュースを取り上げます。

JBが発表した「The Carbon Impacts of Recorded Music in a Time of Transition」(こちらからDLできます)によれば、現在までに同件に関するリサーチはいくつか発表されているものの、不確かな点が多く、特にリスナーのデジタル・ミュージックの使用に関するデータが不足しているとのこと。また、これら現存するリサーチは、デジタルとフィジカルの排出量や環境負荷の大きさを比較するという手法がとられていますが、この手法が適切かどうかに関しても疑問が投げかけられています。そこで、より包括的なリサーチを行うために、JBがリサーチの募集(と言えばいいのでしょうか・・・)をかけた、というのが事の流れです。Music Weekの記事より、具体的に必要なリサーチの内容箇所を引用すると:

1. Delineate an appropriate GHG emission for digital music including the use and disposal phases of digital music.
(デジタル・ミュージックの使用と破棄を含む、デジタル・ミュージックによる適切な温室効果ガス排出量の詳細な説明)
2. Explore the GHG emissions impacts of different digital music delivery models such as digital download and streaming.
(異なるデジタル・ミュージックのデリバリー・モデル(例/ダウンロード、ストリーミング)で排出される温室効果ガスのインパクトについての探求)
3. Understand consumer behaviour around digital music in the broadest sense.
(最も広義的な意味での、デジタル・ミュージックに関する消費者行動の理解)
4. Understand the relationships and partnerships necessary to ensure the digital music supply chain is lower carbon.
(デジタル・ミュージックの供給チェーンが低炭素であることを確かにするために必要な、関係やパートナーシップの理解)


ただ、The Guardianの記事にあるように、デジタル・ミュージックの生産から破棄までの過程で発生する温室効果ガス排出量を計算するというのは非常に難しい。むしろ、計れるものではないと個人的には思います。例えば、PCで音楽を聞きながらネットをしている場合、PCをオーディオとして使用していると言えるのか?この場合の排出量は考慮するのか?といった問題が当然出てくる。記事にあるように、ネットのスピードが遅くてDLに時間がかかったり、DLする曲を選ぶのに何時間もかけたりすれば、それだけエネルギー消費量も増える。

そしてなにより、仮に上記内容のリサーチが行われ、JBがレポートを発表した場合、音楽業界にどれほどの影響を与えることが出来るかと言われたら、正直ゼロに近いだろうな、と。例えばストリーミングとダウンロードの比較にしても、リサーチの結果がどうであれ、レコード業界は、商業的に成功している方に動くでしょう。そう考えると、もちろん、リサーチをする必要性というのは理解できるのだけど、何か違ったアプローチを考えていく必要があるようには感じます。また、レコード業界と比べ、ライブ業界の方が、性質上、環境負荷を減らすという点では行動に移しやすいと思うので、ライブ業界のにもう少しアプローチしていくのも良いのではないか、と。

リサーチの難しさや業界に与える影響力の大きさの問題に関しては、JBもよく理解しているとは思います。が、やはりこうして彼らの活動を外から見ていると、のれんに腕押し感があることは否めない。修論用のリサーチ中に、所謂業界人と言われる人達から結構シニカルな意見をいくつか聞きましたが、そう言われても仕方ないかな・・・と。結局、The Guardianの締めの言葉でと被りますが、行動に移してくれるバンドの力が必要なのだと思います(そして、それをサポートするスタッフも)。保守的なメジャー・レーベルが力を持つレコード業界を動かすには、彼らを突き動かすだけの世論やファンの声が必要。となると、やはりバンドの一声が必要。それも、出来るだけ多くのバンドの声が。

下記の記事はおまけ。ヨーロッパのフェス関連団体YouropeのGreen 'n' Clean Awardのウィナーが発表になったというニュース。A Greener Festivalと同じくらいの影響力のあるアワードですね。イギリスからは、なんとT in the Parkのみが受賞。他のフェスはいずこへ(多分参加してないのかな)?しかもTって・・・とは思いつつ、TITPはこのアワードの常連なので驚きませんが。

2009 Green ‘n’ Clean award winners announced - A Greener Festival Blog (2/11/2009)

++++++++++++++++++++++++++
regentspark.jpg

11月も半分を過ぎて、卒業式まであと半月になりました。来週末に母親が渡英して、一緒に卒業式に来てくれます。大好きなグラスゴーの街や、お世話になった人達を紹介できると思うと、今から楽しみ。しかし、母親の興味は完全にロンドン観光。「グラスゴーなんて見るとこないでしょ?」くらいのノリです・・・ぐすん。

写真は、今月頭に行ったRegent's Parkにて。今年も終わるんだなぁとしみじみしてしまう落ち葉の山。1年半の大学院生生活も、もうすぐおしまいです。
スポンサーサイト
音楽と環境問題 トラックバック(0) | コメント(0) | Page top↑
Digital Economy Bill発表 | Home | (更新遅れてるので)近況報告
-
コメント
-
コメントの投稿











管理者にだけ表示を許可する

-
トラックバック
トラックバックURL
-
プロフィール

anno69(@yano)

  • Author:anno69(@yano)
  • イギリスの音楽産業、特にデジタル・ミュージックと音楽産業における環境問題対策に関するブログ。スコットランド大学院留学記も。
    管理人は、スコットランドのグラスゴー大学大学院ポピュラー音楽学コースを修了し、帰国。音楽好きの普通の会社員をしています。お問い合わせは cielo0818_ls [at] hotmail.com までお気軽にどうぞ。
    A blog dedicated to topics of the UK music market in particular digital music, copyright and environmentalism in pop music.

    ●Twitter:http://twitter.com/anno69
-
最近の記事
-
最近のコメント
-
最近のトラックバック
-
月別アーカイブ
-
カテゴリー
-
ブログ内検索
-
RSSフィード
-
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。