イギリスの音楽産業について考えるブログ
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2010/02/06 16:59
European Festival Report 09
一昨年末、英ライブ産業専門誌IQ Magazineが、フェスティバル情報サイトVirtual Festivalsと共に行ったヨーロッパのフェスティバル調査について紹介したのですが(運営編エコ編)、昨年2009年分の調査結果がIQ Magazine Issue 26にて発表になっています。対象は、ヨーロッパ中のフェスティバル・オーガナイザー100つ。ただし、2008年も同数にて行われていますが、顔ぶれが多少異なるとのことで、記事中にもあるように、単純に2008年/2009年と比較しない方が良いのではないかと思います。IQ Magazineはこちらからダウンロードできます。
【運営編】
「調査対象のフェスの顔ぶれが違う」とは言え、運営に関しては、前回と大きく変わったところはそんなにないように思いました。去年も、不況や悪天候で多くのフェスが中止を余儀なくされましたが、その一方で、成功しているフェスもある。ヘッドライナーへのギャラの高騰が相変わらず大きな問題の1つになっていて、それが与える比較的国民所得の低い国(主に東欧)のフェスティバルへの影響(ギャラが高すぎて客が見たい大物バンドを召喚できない)なんかは、個人的には気にはなっています。

運営編で1番興味深かったのは、所謂「VIPパッケージ」の成功。ホテルでの宿泊や広いカプセルホテルみたいなテントの宿泊など、ちょっとセレブ気分を味わえるパッケージがプラスになっているチケットのこと。こういった“プレミア・サービス”的なものは、何もフェスじゃなくても、例えばLive Nationはメンバーになると、チケット先行発売があったり、前の方の座席を確保できたりっていう特典があります(この座席特典は批判を受けてたりしますが・・・)。私はテント・インするフェスが好きなので、「セレブっぽいのは面白くないな」とは正直思いますが、記事でFestival RepublicのMelvin Benn氏が述べているように、お客さんからの要望を汲みつつビジネスするならば、こういったVIPパッケージも必然的に出てくるのだろうとは思います。「様々な需要にあわせて様々なパッケージを用意する(そしてそこから利益を上げる」という意味では、もしかしたらCDのデラックス盤が増えているのと似たような部分はあるかもしれません。

【エコ編】
調査結果に関する記事を書いたのは、は前回と同様、A Greener Festivalの共同設立者Claire O'Neil氏なのですが、記事では肩書きが違って「AIF(Association of Independent Festivals)のClaire O'Neil氏」。「え?」と思って調べたら、去年AIFのGeneral Managerになったみたいです。記事には関係ないんですけど、ちょっとビックリしたなと思い・・・。

さて、この結果を見る前までは、個人的な印象として「より多くのフェスが環境対策をとるようになってきて、その傾向は去年も続いていた」と考えていたのですが、実際はそうでもないのかもしれません。リサイクル率もグリーン電力利用率も、前回と似たような結果になっています。

ただ、少し気になった点がいくつか。まず、冒頭、環境という観点からフェスティバルがチケット購入者とアーティストに与える影響について、それぞれ以下のような結果が示されています:

チケット購入者への影響:大きな影響力がある 36%(前年比+3%); 影響はない 22%(前年比-3%)
アーティストへの影響:影響はない 35%(前年比+6%)


この結果を踏まえた上で、記事は「もしそうであるなら、今はアーティストからのプレッシャーより、観客の方がフェスティバルをよりエコにさせる影響力があるといえるだろう」とまとめているのですが、この結論の付け方は正直どうなんだろうかと疑問。確かに、この冒頭のパラグラフの少し後に、「フェスがどれだけエコであるかは、あなたのフェス参加決定のプロセスでどれくらい大事ですか?」という質問に対する観客の回答結果があり、59.4%が「(とてもor比較的)大切」と回答、2008年の36%から大きく伸びていると紹介されています(これも異なる調査で導かれた数字を比較しているので「おいおい」とは思いますが)。私の感覚からも、おそらく実際増えていると推測しますが、実際、行くフェスを選ぶ際に最も大事なのはやはりヘッドライナーであり(グラストのようなコンセプトがハッキリしてたり長年運営されているフェスを除く)、いくらエコでもメンツが悪ければ当然客は集まらない。それに、ミュージシャンもファンも同じ人間同士、ファンは環境対策をより重要視し、ミュージシャンは軽視するなんてことがあるとはどう考えても思えないのですが・・・。

もう1つは、観客の移動手段に関する調査について。記事には、“2008年度は自動車での来場率が70%だったのに対して、2009年度は60%と改善が見られた”という旨が書かれているのですが、よく見たら、2008年度はJulie's Bicycleが大小様々なフェスに対して行った調査結果からの数字で、2009年度はAIFがAIF参加フェスティバルの観客3300人に対して行った調査結果となっています。JBの調査対象には、グラストンベリーやレディング/リーズ・フェスティバルをはじめとした大規模フェスやメインストリーム系アクトを並べたフェスが名を連ねる一方、AIFのメンバーは、そのほとんどが“ブティック・フェスティバル”と呼ばれる中・小規模且つ家族連れや通好みな音楽ファンをターゲットとしたフェスティバル。小さくても調査対象や規模が全く異なる調査結果を比較するなんて、全く意味のないこと。よくもまぁこんなことが出来るものだと個人的には呆れてしまいました・・・。

++++++++++++++++++++++++++

最後に、噂されていた通り、昨年12月、元Peats Ridgeフェスティバル(AUS)のメンバーで、現在はFestival Repoblicで環境対策を担当するMeegan Jonesが、持続可能なイベント運営に関する実践本「Sustainable Event Management」を発表。こちらで購入できます。私も是非読みたいのですが、416ページって・・・・絶対読めない・・・(涙)。
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anno69(@yano)

  • Author:anno69(@yano)
  • イギリスの音楽産業、特にデジタル・ミュージックと音楽産業における環境問題対策に関するブログ。スコットランド大学院留学記も。
    管理人は、スコットランドのグラスゴー大学大学院ポピュラー音楽学コースを修了し、帰国。音楽好きの普通の会社員をしています。お問い合わせは cielo0818_ls [at] hotmail.com までお気軽にどうぞ。
    A blog dedicated to topics of the UK music market in particular digital music, copyright and environmentalism in pop music.

    ●Twitter:http://twitter.com/anno69
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