イギリスの音楽産業について考えるブログ
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2010/05/03 12:12
デジタル配信の未来と、その問題点
Apple To Shut Down Lala On May 31, iTunes.com Launch Impending? - TechCrunch (29/4/2010)
自分のプレイリストを公開して楽しむことのできる、アメリカの音楽配信サイトLalaが、今月末にサービスを停止すると発表しました。これは、昨年Lalaを買収したAppleが、新たな音楽配信サービス、通称“iTunes.com”を開始するための布石ではないかと言われており、今後が非常に注目されています。昨年AppleがLalaを買収した時も、既にそんな噂が流れていましたが、TechCrunchをはじめとするメディアは、6月7日に開催されるカンファレンスで、iTunes.com開始のアナウンスが行われるのではと報じています。TechCrunchのこの記事によると、iTunes.comは“購読型”というよりも、Lalaの流れを継承したものになるのでは?と言われています。つまり、TechCrunchが説明するように、“iTunes in the cloud -- つまり、自分の所有している音楽ファイルをネット上で保存・管理することで、オンラインにアクセスする環境さえあればどのデバイスからもクラウド上(=インターネット上)に保存しておいた自分の音楽が聞けるというもの。Appleは言わずとしれたデジタル音楽ビジネスの最大手だけあり、今後の動きがますます注目されます。

さて、仮にiTunes.comが参入するとなれば、やはり改めて考えておきたいのが、一連の新しいデジタル音楽ビジネスの持続性。まずは、英レコード協会BPIが今週発表したこのニュースをどうぞ。

UK recorded music trade income rises 1.4% in 2009 - Music Ally (27/4/2010)
UK recorded music sales rise for first time in six years - The Guardian (26/4/2010)

BPIが発表したところによると、昨年のレコード産業の収入は9億2880万ポンドで、前年比1.4%アップ。CDセールスによる収入は下落を続けているものの、デジタルが前年比47.8%アップで、レコード産業全体の収入増加に大きく貢献したといえます。The Guardianによれば、フィジカルだとSuBoことスーザン・ボイルやビートルズなどのヒット作(ヒット作と言っていいのか・・・)に恵まれたこと、そしてデジタルではシングルの売り上げが好調だったとのことです。

この結果、現在、デジタルのレコード産業全体に占めるシェアは20.3%となります。しかし、広告ベースのストリーミング・サービス(Spotify, we7, Last.fm, Youtube等)だけに絞ると、247%の伸びを記録したにも関わらず、収入はたったの820万ポンドとなり、シェア率はわずか1%。一方、eMusic, Comes With Music, Napster, Spotifyの有料サービスなどを含む購読型サービスは1180万ポンドの収入となり、37.2%の伸びとなっています。

その一方で、イギリスの広告ベースのオンデマンド音楽サービスwe7が、この1ヶ月間、広告収入のみでサービス・コストをカバーすることに初めて成功したというニュースも入ってきています。

Press: we7 Shows Ad-funded Music Can Add Up! - we7.com Press(28/4/2010)
We7 covers free services costs with ad revenues - CMU Daily (28/4/2010)

Yahoo!との広告提携を結んだことが大きな要因の1つであるとwe7のプレスリリースは伝えています。それから、UKのメディアをよく徘徊している人ならお気づきかと思いますが、we7はメディアとタッグを組んでいることが結構あって、その辺も今後注目していくべきなのかなと思います。たとえば、NMEはwe7のプレイヤーを各記事に埋め込むことで、トピックになっているミュージシャンの楽曲をすぐ試聴できるようにしているし(たとえばこれ)、The Guardianは、先行全曲配信の際にwe7を使っています(たとえばこれ)。ソフトをインストールしなければならないSpotifyとは違って、we7はウィンドウを開いて聞くタイプで、プレイヤーをウェブページ上に埋め込めるという利点が企業のニーズに合致するのでしょう。Spotifyの話題が先行しがちですが、we7の存在感も相当なものだということは是非気にとめて頂きたいところです。

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・・・とニュースを3つほど紹介したのですが、ぱっと見てみて、ランダムな感じがしませんか?なんとなく浮き足立っているような感じがしませんか?その理由は、以下のThe Guardianの記事にも出てきますが、サービス、レーベルそしてPRS for Musicの間で結ばれているのがNon Disclosure Agreement -- つまり、合意内容が公開されない -- だからというところが大きいと思います。実際のところ、当事者以外は、これらサービスの実態がわからない。だから、どれをどうすればより持続的なビジネスへと成長させることができるのかについて、当事者以外誰も実になるような議論ができないのです。結果、私たちができるのは、メディアで少しずつ明らかになる事実やカラクリを少しずつ集めて、全体像を見ていくことだと思います。ということで、最後にThe Guardianの記事を貼っておきます。その下の拙ブログの過去記事へのリンクは、The Guardianの記事の補足的な感じでお読み頂ければと思います。

Behind the music: We7's streaming success - The Guarian Blog by Helienne Lindvall (29/4/2010)
【参考】
(編集済み) 新しいライセンス・レート - Green Sound from Glasgow (29/5/2009)
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anno69(@yano)

  • Author:anno69(@yano)
  • イギリスの音楽産業、特にデジタル・ミュージックと音楽産業における環境問題対策に関するブログ。スコットランド大学院留学記も。
    管理人は、スコットランドのグラスゴー大学大学院ポピュラー音楽学コースを修了し、帰国。音楽好きの普通の会社員をしています。お問い合わせは cielo0818_ls [at] hotmail.com までお気軽にどうぞ。
    A blog dedicated to topics of the UK music market in particular digital music, copyright and environmentalism in pop music.

    ●Twitter:http://twitter.com/anno69
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