イギリスの音楽産業について考えるブログ
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2010/08/15 09:49
Carphone Warehouse、クラウド・ベースの音楽サービス開始
The Carphone Warehouse launches ‘Music Anywhere’ - Carphone Warehouse PR (2/8/2010)
Carphone Warehouse and Catch Media launch cloud music service - Music Ally(2/8/2010)
Carphone Warehouse launches Music Anywhere service to rival iTunes and Spotify - Telegraph.com (3/8/10)

ヨーロッパ最大の携帯電話小売店Carphone Warehouseが、Catch Mediaの技術協力を得て、iPhone, BlackBerryそしてAndroidといったスマートフォン向けの「Music Anywhere(以下MA)」というサービスをイギリスで開始しました。インターネットが使える環境下にあれば、PCに所有している自身の音楽ライブラリを、他のPCや携帯、その他デバイスで聞くことが出来ます。現在、1曲1曲アップロードが必要なクラウド・ベースの音楽サービスや、ライブラリをつくってストリーミングできるラジオ型のもの、制限のあるクラウド・ベースのもの等、私すら把握していないこの手のサービスは既に沢山あるかと思います。しかし、“ネットにアクセスできればどこでも”“どのデバイスでも”聞けて、なおかつ“ライブラリに入っているどんなフォーマットの曲も聞ける”、いわゆるAppleやGoogleもまもなくサービス開始に乗り出すのではと言われているこの手の(合法の)クラウド・ベースの音楽サービスとしては、MAが最初になるようです。ちなみに、Carphone Warehouseの親会社であるアメリカのBest Buyも、今年後半にこのサービスをアメリカでローンチする予定だそう。

さて、実際のサービス内ですが、ざっくりとこんな感じ:

- 自分にPCに入っているライブラリの曲を、どのデバイスからも聞くことが出来る。実際音楽を聞く時は、自分の所有するライブラリからストリーミングされるのではなく、自身のライブラリとMAがシンクし、MAの所有するカタログからストリーミングされる。このため、クラウドにアップロードする手間を省ける。
- 自身のライブラリとMAがシンクしているので、自身のライブラリに新しい音楽を追加された場合、自動的にMAもアップデートされる。
- MAがライセンスを受けた楽曲以外のものが自分のライブラリに入っている場合、自分のライブラリから、MA内のその人だけがストリーミング出来るようにロックのかけられた場所にアップロードされる。つまり、MAがライセンスを受けていない楽曲もMAで聞くことが出来る。
- SpotifyやLastFM等のストリーミング・サービスとは違い、自身のライブラリに入っている曲以外は聞くことが出来ない。
- 最もよく聞かれている500曲は、オフラインでも聞ける。
- 国外に出てもこのサービスを受けることが出来る。
- コストは年間29.99ポンド(およそ5000円くらい)。もしくは、今月発売された<Samsung I5500 ‘Europa'>購入者は、このサービスが最初から組み込まれているため、無料でこのサービスを受けることが出来る。
- 既に4大メジャーとThe Orchardが参加し、およそ600万曲をカバーしている。
- すべての楽曲はライセンスされているため、権利保有者にも印税が支払われる(この件については後述)。購読料(29.99ポンド)も、権利保有者に配分される。
- また、楽曲のストリーミング状況に関するデータがリアルタイムで蓄積され、レーベルに提供される。郵便番号などの情報も含まれるので、ツアーのブッキングやラジオ/テレビ露出の場所を検討する際に非常に有益な情報となりえる。


Carphone Warehouse launches Music Anywhere - techrader.com (2/8/2010)

上記の記事にヒントがいくつかありますね:

- 違法DLした音源でも、自分の音楽ライブラリに入っているものであればMAで聞くことが出来る。
- ソースは自分のPC上のファイルではなくMA上のファイルになるので、自分の所有するファイルがMAのものより音質が悪い場合、MA上のより音質の良い音楽を聞くことが出来る(もちろん、その逆もある)。


ということなので、P2Pなんかで落とした音質の悪い音源も、MAならより良い音質で聞けるし(どれくらいの音質なのかは不明)、タダで落とした音源を聞いても、アーティストにお金が落ちる仕組みにはなっています。権利所有者にとっては、印税が入ってくることのなかったところから落ちてくるようになるわけだから、何もないよりは良いのかなとは思います。とはいえ、ここからの収入は微々たるものでしょうが・・・。

Spotifyと比べると、コストは1/5だし、どのデバイスでも聞けるし、お得だし便利だけど、“自分のライブラリに入っている曲しか聞けない”というのは、個人的には大きなネックかなと思います。“持っていない楽曲も自由に聞ける”というのがSpotifyの最も良いところだと思うので、それがないMAは、新しい音楽を発見したいタイプの音楽ファン向けではないなと。また、ラジオ型のサービスを利用しているファンにとっても、MAはそこまで魅力的ではないかも。・・・と考えると、MAは、どちらかと言えば、欲しい音楽は購入でもP2Pでも、自分のHDDやどこかに“保有”して聞きたいタイプのファン向け。果たして、こういったタイプの音楽ファンがどれほどいて、どこまで引きつけられるかは1つのポイントとなりそう。私も、もし自分の携帯にMAがあらかじめ組み込まれていたとしたら、間違いなく利用すると思います。ただし、Spotifyを止めることもないかなぁ・・・。ここまでサービスが多様化してくると、1つのサービスに人が偏るということもなくなってくるでしょうから、イギリスでも、エンド・ユーザーにとってはMAがセンセーショナルに映っているということもないとは思います。後は、この後AppleやGoogleが参入してきた時にどうなるか、ですね。
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anno69(@yano)

  • Author:anno69(@yano)
  • イギリスの音楽産業、特にデジタル・ミュージックと音楽産業における環境問題対策に関するブログ。スコットランド大学院留学記も。
    管理人は、スコットランドのグラスゴー大学大学院ポピュラー音楽学コースを修了し、帰国。音楽好きの普通の会社員をしています。お問い合わせは cielo0818_ls [at] hotmail.com までお気軽にどうぞ。
    A blog dedicated to topics of the UK music market in particular digital music, copyright and environmentalism in pop music.

    ●Twitter:http://twitter.com/anno69
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