イギリスの音楽産業について考えるブログ
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2011/01/22 10:58
UniversalとSony、シングル解禁後、即発売する“on air on sale”方式の採用へ
Universal and Sony to change singles release policy - BBC Newsbeat (17/1/2011)
On air on sale = amazing - Popjustice (17/1/2011)
FAC statement on “on air on sale” - FAC statement (16/1/2011)
Blur's Dave Rowntree On The Future Of The Music Industry - Gigwise (17/1/2011)

今年2月より、イギリスにてUniversalとSonyが、ラジオやオンラインで解禁されたシングル曲を即座に販売する“on air on sale”をとることになりました。そこには、ラジオでオンエアされた直後に、リッピングした質の悪い音源がネット上で出回り、音質の悪い作品をファンに聞かせてしまう、またはP2Pなどでその音源がシェアされていくのを防ぐといった狙いがあるようです。これまではラジオで独占オンエア後、しばらく時間をあけてフィジカル(もしくはデジタル)・シングルとしてリリースし、アルバム・リリースまでの期待感を高めるといったプロモーション手法がとられていたかと思いますが、これこそが、シングルの売上げを落とし、ファンの違法DL行為を助長しているのではないか、という考えがあるのではないかと思います。

Popjusticeにあるブリトニー・スピアーズのニュー・シングル“Hold It Against Me”(Sony)の件がとても良い例になるかと思います:

<世界各国>
先週木曜、同曲がオンライン&ラジオでのシングル解禁。

程なく世界各国でシングル発売を開始し、17カ国のiTunesチャートで1位を獲得。

<UK>
先週木曜、同曲がオンライン&ラジオでのシングル解禁。

販売は2月に設定され、解禁から発売までおよそ1ヶ月のギャップができる(Lady Gagaとのリリース日がバッティングするのを防ぐなどの目的があった様子)。

1ポンド払ってシングルを購入する気のあるファンも多くいただろうが、1ヶ月も待てないファンは、違法DL、もしくはリッピングした音源をYoutubeで楽しむなどする。これでは、2月のシングル・リリース時には、コアなブリトニー・ファンのみがシングルを買うという結果になりかねない。

UKレーベルは、シングルの発売日を前倒しし、今週月曜日にリリースされた(発売日当日に書かれた記事なので、結果が書いてありませんが、調べたところ、無事にiTunesチャート1位を獲得したようです)。


拙ブログのこちらの記事でも紹介しましたが、UKは比較的デジタル・シングルの売上げがまだちゃんと伸びているので、まだ“シングルを(デジタルで)買う”という消費者層がそれなりにいると考えても良いのだと思います。そうなると、やはり売る機会を逃したくないというのがレコード会社の本音ではないかと。

それに、デジタル時代の今、“シングルをラジオのみで先行解禁し、その後のシングル発売日に向けた盛り上がりを作る”というプロモーション方式がもはや意味をなしていないのは明確です。ライト・リスナーや新しいファンを掴むのであれば、(イギリスではまだ影響力の大きい)ラジオのオンエア数を増やすことの方が大事。youtubeやsoundcloudのリンク付きでのネッ上のバズもしかり。となれば、世界初解禁は、プレスのピックアップさえとれれば(「あの大物の新曲が遂に解禁!」的な盛り上がり)役目は全うしたと言え、解禁後のアルバムへ向けた盛り上げというのは、正直“on air on sale”にはあまり関係ないのかな、と。むしろ、解禁のタイミングで盛り上がったところで、すぐにファンがシングルを購入できる環境があり、それによりiTunesチャート上位獲得のニュースの方がよほど重要なプロモーション・ツールになるのではないかと思います。

また、アーティストとしても、音質の良いものを聞いてもらいたいという思いはあるでしょう。昨年のレコード・ストア・デイでブラーが“Fool's Day”を7インチで限定リリースした時、7インチはもちろん即完しましたが、ラジオでオンエアされてしまったが故、ラジオからリップした(ものすごく音質の悪い)音源が大量に出回り、結果、その日のうちにブラーの公式サイトにてMP3とWav音源を無料配布したという出来事がありました。もはやファンは“待てない”のですね。それで悪い音源が出回るなら、そしてまだシングルをちゃんと買うファン層が残っているのであれば、彼らがオフィシャルな音源にリーチできるように準備してあげることがファンにとっても優しいのではないかと思います。

ちなみに、イギリスのクリエイティヴ産業大臣Ed Vaizey氏も、この“on air on sale”方式を支持するコメントを発表しています。詳しくは以下のMusic Weekの記事を参照のこと。

UK Government gets behind on air/on sale - Music Week (18/1/2011)
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anno69(@yano)

  • Author:anno69(@yano)
  • イギリスの音楽産業、特にデジタル・ミュージックと音楽産業における環境問題対策に関するブログ。スコットランド大学院留学記も。
    管理人は、スコットランドのグラスゴー大学大学院ポピュラー音楽学コースを修了し、帰国。音楽好きの普通の会社員をしています。お問い合わせは cielo0818_ls [at] hotmail.com までお気軽にどうぞ。
    A blog dedicated to topics of the UK music market in particular digital music, copyright and environmentalism in pop music.

    ●Twitter:http://twitter.com/anno69
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