イギリスの音楽産業について考えるブログ
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2011/01/29 11:12
Nokia Comes With Music comes end.
ovi-music-unlimited.png

Changes to Ovi Music Unlimited to make way for new services - The Official Nokia Blog (17/1/2011)
Nokia’s ‘Comes With Music’ Disappears In 27 Markets - paidContent:UK
Nokia to scale back free music service - FT.com (17/1/2011)
Nokia drops free downloads service in UK - The Guardian (17/1/2011)

フィンランドの大手携帯電話会社Nokiaが展開している音楽サービスNokia Music Storeの一部である“Ovi Music Unlimited”が、昨年末をもってイギリスを含む27マーケットでサービスを停止。サービスを継続する国の情報が錯綜していますが、Nokiaの公式ブログによれば、中国とインドでは12ヶ月の、ブラジルと南アフリカでは6ヶ月の購読サービスを継続するとのことです。

このサービスは、元々“Comes With Music”と呼ばれていたもの(そういえば名称が変わったことをすっかり忘れてました)。2008年のローンチ時、“all-you-can-eat”型サービスとして大変注目を集め、4大メジャーも、アップルの市場独占を打ち崩す期待のサービスとして全面バックアップ。現在の音楽ストリーミング・サービス隆盛に繋がる重要なサービスだったと言っていいと思います。さて、そのOvi Music Unlimitedのサービス内容は以下の通り:

- Nokiaの特定の機種を購入することで、1年間無制限且つ無料で300万曲以上のカタログから音楽をDLできる。
- DLしたファイルは携帯本体の他、Nokia Ovi PlayerをインストールしたPCでも聴ける。
- 1年間の契約を終えた後も、契約期間中にDLした音楽ファイルは、そのNokiaのデバイス上で引き続き聴くことができる。
- DRMフリーではないので、限られたデバイスでしか音楽を聴くことが出来ない。
<参考>
Ovi Music Unlimited公式サイト(accessed on 29/1/2011)
今週の英音楽ニュース(4/09/2008) - Green Sound from Glasgow(5/09/2008)


2008年のローンチ時はとてもセンセーショナルでしたが、2年経った今見ると、決して優秀なサービスではなくなっていることに気付きます(たった2年にも関わらず、といったところではありますが)。冒頭のニュース記事をざっくりまとめると、このサービスが失敗した主な要因として考えられるのは:

- Nokiaの一部機種でしかこのサービスを受けられない。
- DRMフリーではないので、他のデバイスでOvi Music UnlimitedからDLした音楽を聴けない。
- 独自の音楽サービスを運営している一部携帯会社が、Ovi Music Unlimitedのサービス開始に消極的であった。


Music Allyが伝えたところによれば、同サービスの利用者は2009年10月の時点で全世界でたったの10万7千人(詳細はMusic Allyのこちらの記事を参照)だったようで、FT.comも指摘するように、マーケティング不足をサービス停止の一要因と捉えている人も多いようです。ただ、携帯音楽配信マーケットではむしろ成功している方ではあったと思います。Music Allyが昨年5月に伝えたデータによれば、Oviを含むMP3ストアとしてのNokia Music Storeは、アップルがマーケットシェア28%で1位だったのに対し、Nokiaはマーケットシェア22%で第2位。「携帯音楽配信に力を入れ、広告を有効的に打ってきた結果だ」といった旨のコメントも記事では紹介されています。(詳しくはMusic Allyのこちらの記事を参照。拙ブログでもこのエントリーで取り上げました。)。しかしながら、日本とは違い、特にNokiaがベースとするヨーロッパでは、携帯で音楽を“聴く”ことはあっても、“購入”する人は非常に少ない。同記事内で紹介されているヨーロッパ5カ国を対象とした調査では、携帯から直接音楽を購入する人は僅か1.9%。今はSpotifyもWe7もスマートフォンで聴けるし、PCから携帯にファイルを移して聴く人もやはり多い。今回のOvi Music Unlimitedのサービス停止は、サービス内容にももちろん問題はあったと思いますが、(少なくともヨーロッパにおける)携帯音楽配信市場の開拓の難しさも、やはり大きな要因として考えられるのではないかと思います。ただ、Nokiaが今回サービスを中止したエリアには中東や南米(ブラジルは除く)も含まれるので、本来はそれらエリアでは携帯から音楽を購入するのがどれほどポピュラーなのかも考慮すべきですが、それを検証できるデータが見つからず・・・。

また、paidContent:UKにもあるように、中国、インド、ブラジル、南アフリカでサービス継続となった背景も明らかではありません。これらの国では運営がうまくいってるから継続なのか、今後重要なマーケットとなってくるために敢えて継続にしたのかは、今後のNokiaの動向を見ながら考えるしかないようです。
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anno69(@yano)

  • Author:anno69(@yano)
  • イギリスの音楽産業、特にデジタル・ミュージックと音楽産業における環境問題対策に関するブログ。スコットランド大学院留学記も。
    管理人は、スコットランドのグラスゴー大学大学院ポピュラー音楽学コースを修了し、帰国。音楽好きの普通の会社員をしています。お問い合わせは cielo0818_ls [at] hotmail.com までお気軽にどうぞ。
    A blog dedicated to topics of the UK music market in particular digital music, copyright and environmentalism in pop music.

    ●Twitter:http://twitter.com/anno69
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