![]() ●Spotify says hello to the iPod - Spotify official website(4/5/2011) ●Spotify takes on Apple's iTunes with iPod syncing - The Telegraph (4/5/2011) ●Spotify takes on iTunes with new music downloads store and iPod syncing - Music Ally (4/5/2011) ●Spotify revamps download service, adds iPod syncing - CMU Daily (4/5/2011) ●Spotify aims to take market share from iTunes - BBC News (4/5/2011) 現地時間の6日より、Spotifyが新サービスをスタートさせました。先月、Spotifyは無料ユーザーに対し、使用制限時間を月10時間に短縮するなどリミットを強化した新システムを発表したばかり(詳しくは公式PRや北欧Techさんの“クラウド音楽サービスのSpotifyがフリーミアムモデルから撤退”を参照)。この変更はユーザーから大きな反発を生みましたが、それもこの新しいサービス開始のためだったと言えそうです。 今回のアップデート内容を見れば、各メディアが"Spotify takes on iTunes"、つまり"SpotifyがiTunes(もしくはApple)に挑戦状”と称する理由がとてもよく分かります。早速、上記の記事を元に、新サービスをまとめます。 ==== (1)SpotifyとiPodがシンク可能に Spotifyで購入した楽曲やSpotifyのライブラリーにインポートした楽曲を、iTunesを経由することなく、お手持ちのiPod(classic, nano, shuffle)に直接シンクさせることが可能になりました。シンクにはUSBケーブルが必要で、接続すると自動的にシンクされます。つまり、iTunesがなくてもSpotifyのプレイリストをiPodに移動させることが出来るようになります。 (2)全く新しいSpotifyダウンロード・サービスの開始 新たなMP3ダウンロード・サービスを開始しました。Spotifyが既に契約しているメジャー4社とMerlin等大手グループが請け負うインディーレーベルの楽曲が購入可能とのこと。これまでも、Spotify上では7digital経由でお気に入りの楽曲を購入することができましたが、今回はSpotifyがin-houseで運営する配信サービスになります。1曲から購入出来ますが(£1.15)、バンドルで購入する方がお得。現在の料金設定は、10曲£7.99(1曲80p)、15曲£9.99(1曲67p)、40曲£25(1曲63p)、100曲£50(1曲50p)となっています。 ![]() Ne-Yoの「Closer」が好きなので試しに買おうと思ったら、こんな画面が出てきました。アルバム単位での購入の場合、12曲入りのアルバムなので「15 Downloads」に緑の印が表示されます。ともあれ、バンドルを使えば最安1曲50pという安値で購入出来ます。Spotifyとしても、in-houseでデジタル配信を行うことで配信からの収入も期待できます。 また、今まではばら売りしか行っていなかったプレイリストについても、まとめ買い出来るようになりました。ちなみに、現在7digitalでは単曲99pなので、10曲収録のプレイリストをフルで買う場合、従来だとおよそ10ポンドもかかる計算です。プレイリストのシェアはデジタル音楽の世界では非常に重要なファクターの一つということで、シンクの件もそうですが、ここでもプレイリストを楽しむユーザーにより優しい変更が加えられています。 (3)携帯用Spotifyアプリが全ユーザー使用可能に これまで、プレミアム・ユーザーのみが使用できたiPhoneとAndroid向け無料アプリが全ユーザー向けになりました。これにより、無料ユーザーでも、Spotify上で購入したり既に所有しているMP3を携帯のSpotify Appにシンクさせることが出来るようになりました。ただし、Spotify全カタログのストリーミングは従来通りプレミアム・メンバーのみに限られます。シンクさせるには、PCと携帯を同じ無線LANに繋がないといけないので、日本だとちょっとシンクしづらいかもしれませんが、少なくともイギリスはカフェや公共施設はもちろん家庭でもwifiを使っているところが非常に多いので、あまり苦労はないのかもしれません。 ==== Spotifyはこれまで、音楽をダウンロードではなくストリーミングさせることで、クラウド上にある1000万曲を超える膨大なカタログをいつでもスムーズに楽しむことを可能し、多くのリスナーに支持されてきました。しかし、プレミアム会員以外のユーザーには制限が多く、結局のところiTunesとSpotifyを使い分けていたユーザーも多いのではないかと思います。私自身もプレミア会員ではありますが、携帯だとローカルファイルが多すぎてシンク出来ないので(PCは大丈夫)、今でも両者使い分けてます。しかし今回、Apple製品やスマートフォンへのシンクやダウンロード・サービスの開始によりSpotifyがiTunesと似たような性質を持つようになり、さらにストリーミングと無線を使ったスマートフォンとのシンクというiTunesにはない機能を持つ音楽サービスとなりました。つまり、冒頭で述べた“SpotifyからiTunesへの挑戦状”は、iTunesの独占状態を打破し、Spotifyをメインの音楽プレイヤーにするためのSpotifyの戦略を表したものと言えるかと思います。 この度の変化に対するコメントとして、BBC Newsには、アナリストMark Mulligan氏のコメントが紹介されています。彼の評価は決して良いものではなく、曰く、価格設定もものすごく良いわけではなく、プレイリストのまとめ買いならiTMSで既に可能なものである、と。私個人の意見を申し上げると、やはり、SpotifyがどこまでiTunesの独占を打ち崩せるかまだ見えない部分の方が大きいかな、と。現在、iTunesで とは言いつつも、イギリスもそれ以外のヨーロッパも、最新の音楽配信がどのような状況かが分からないので、ちょっと様子見したいというのが正直なところだったりして。少し長い目で見ていこうと思います。 スポンサーサイト
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