![]() ●Google I/O: オンライン音楽ストレージ、Music Betaをお披露目〔当面、米のみ〕 - TechCrunch (11/5/2011) ●グーグルが明日(5月10日) 音楽サービスを公開、ただし大手レコード会社とライセンス契約を結ばずにスタート - jay kogami's posterous (9/5/2011) Amazonが開始したストレージ・サービスと音楽プレイヤー、Amazon Cloud Drive&Playerに続き、Googleも噂されていた音楽サービス“Music Beta by Google”を公開しました。基本的な内容はAmazonと同じで、既に個人で所有している音楽ファイルをクラウド上にアップロードし、PC、Android携帯、タブレットにストリーミングさせて楽しむことができます。また、ライブラリーが自動的に同期される他、最近再生した楽曲は貯められたキャッシュよりオフラインで再生することも可能とのこと。 ちなみに、Amazon Cloud Drive&Playerについては以前拙ブログでも取り上げております。参考までに: ○私がAmazon Cloud Drive&Playerにものすごくエキサイトしているわけではない理由 (5/4/2011) 同様のクラウド型音楽サービス開始が噂されるAppleを残した状態ではありますが、GoogleとAmazonが音楽サービス開始ということで、今の時点で気になる点を2つ挙げてみます。 ===== (1) 競合サービスとの差別化が出来ているかどうか 本題に入る前に、GoogleとAmazonのサービスは、音楽自体というより音楽を置く場所にお金を払ってもらうものなので、他のストリーミング・サービスとの比較は必ずしも適切ではないかもしれません。恐らく、元々両企業ともストレージ以外に音楽のストリーミングや販売が噂されていたので、SpotifyやMogのようなサービスと同じコンテクストで語られている面もあるかと思います。しかしながら、よく考えてみれば、やはり同じコンテクストで語って比較しても良いのかな、と。というのも、今回のGoogleやAmazonのような音楽ストレージ・サービスは、“自分の持っている音楽”が“どこでも”聴けるというのが大きな魅力。ただ、AmazonがAmazon Cloud Playerをローンチするはるか前に、ストリーミング・サービス各社は携帯でのサービス提供を開始し、今やTVやゲーム機、自動車にまで広がっています。サービスにもよりますが、基本これらは“どこでも”聴ける状態にあり、ものによっては実質“自分の持っている音楽”も“どこでも聴ける”(Spotifyとか)ので、わざわざクラウド・サービスに申し込んでアップロードする手間をかける必要がない。となると、GoogleやAmazonの強みは何かという話になりますが、正直、利便性以外個人的には思いつく点がない。 「新しい音楽との出会い、発掘」は、音楽のストリーミング・サービスが最も得意とする分野の1つ。積極的に新人発掘するとか、親が好きだという過去の大物の作品に触れるとか、ふとジャズっぽい音楽が聴きたくなったけどCD持ってないから何か良さそうなのを適当にかけるとか何でも良いのですが、ストリーミング・サービスならではの音楽の楽しみ方に価値を見いだして、ユーザーはお金を払っているのだと思います。ただ、現状のGoogleやAmazonのサービスだと、下記のCNNの記事のように「In any case, do you really want to pay for the privilege of accessing something you already paid for? (とにかく、何かにアクセスするという、あなたがお金を払って既に手に入れた特権を(訳注:音源購入で得た特権、の意)、あなたはもう1度お金を出して本当に手に入れたいですか?)」と言われるのも理解出来るかな、と。 ●I'm not buying cloud-based music as the future ... yet - CNN.com (13/5/2011) そんなことを考えている中、上記で紹介したブログ「jay kogami's posterous」の@jaykogamiさんとツイッターでやりとりする中で以下のリプライを頂きました。
まさにその通りだと思います。今後、これらサービスに対してユーザーにどう受け取りどう動くか、引き続き見ていこうと思います。最後に、こちらの記事もオススメなので合わせてどうぞ: ●Google Makes Lemonade from Lemons: Music Beta by Google - Mike McGuire, Gartner (10/5/2011) (2) Appleの独占状態変わらず? Amazonは元々MP3ストアを持っており、そこで購入した音楽がそのままAmazon Cloud Playerで聴けるようになっているのですが、GoogleのMusic Betaの場合、iTMS等の音楽配信サイトで購入した音源をアップロードする形になります。となると、「デジタルで音源買うならばやっぱりiTMSだよね」という話になる。iTMSの独占が変わらないのであれば、噂されるAppleのクラウド型音楽サービスがスタートした時、音楽の購入から再生までApple1本で通した方が断然便利だし、ローンチしたときのインパクトの大きさもMusic BetaやCloud Player以上になるでしょう。予てより「Googleが主要レーベルとのライセンス契約に向けて動いているものの難航しているらしい」と報道されていましたが、果たして、どのようなディールで交渉していたのかは分かりません。しかし、結果的にライセンス契約が結べず、実質“音楽を保存し、様々なデバイスで再生するためのクラウド上のスペースを提供”しているだけの現状では、今最もホットなオンライン系音楽サービスの世界で、もしかしたら・・・な展開もあるのではないかと個人的には考えています。 そうなると、残るAppleの動向が気になるところですが、既に多くのレーベルや音楽リスナーとの信頼とコネクションを持つ彼らへの期待は俄然上がっている様子。下記のMusic Allyの記事はオススメなので是非ご一読頂きたいのですが、「最近は、他企業よりも遅めに参入して、他のどの製品より優れたものを発表してきたApple」のこと、今回も時期を見計らって敢えて他企業と時間を空けているのではないか、と。そして、GoogleとAmazonがライセンスなしでクラウド型音楽サービスをローンチしたおかげで、Appleは両者を土俵から吹き飛ばすようなクラウド型のサービスにはまさにライセンスが必要であると見せつけることになるのではないか、としています。 ●Google and Amazon’s cloud lockers may play into Apple’s hands - Music Ally (11/5/2011) Appleの新サービスのローンチも間もなくと噂されていることですし、果たしてどんな一手を売ってくるのか、楽しみに待つことにします。 スポンサーサイト
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