イギリスの音楽産業について考えるブログ
--
--/--/-- --:--
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告 トラックバック(-) | コメント(-) | Page top↑
--
2011/05/22 13:09
The Hargreaves Review発表
11-5-22.jpg
この度、イギリスにおいて、いかに知的財産(IP)のフレームワークが関連分野の成長と革新性をサポートしていくべきかについてまとめたレビュー『Digital Opportunity -A review of Intellectual Property and Growth』 が発表されました。デイヴィッド・キャメロン英首相に依頼され執筆を担当したのは、カーディフ大学のイアン・ハーグリーブス教授。レポートはこちらからダウンロード出来ます。Call For Evidenceはこちら。パッと見て頂ければ分かるとおり、音楽を含めた様々な知的財産に関してのレポートで、量もかなり多く、音楽という切り口で見ても全部まとめるとかなりの量に・・・。ということで、ここでは、paidContent:UKのスッキリまとめられた記事にそって内容を軽く紹介します。

UK Digital IP Review Wants Easier Licensing, Format-Shifting, No Fair Use - paidContent:UK (18/5/2011)

発表されたレビューで提案された事項としてpaidContent:UKがまとめたのは全部で7点。以下引用:

- Create a Digital Copyright Exchange
(Digital Copyright Exchangeの設置)
- Enable automatic licensing of orphan works
(著作権者不明の作品に対して自動的なライセンス契約を可能にさせる)
- Decriminalise format shifting
(フォーマット・シフティングの非犯罪化)
- No U.S.-style Fair Use
(USスタイルのフェア・ユースは採用しない)
- Back EU’s cross-border licensing drive
(EU圏内における国を超えたライセンスを認める動きを支持する)
- Use EU copyright exceptions on format shifting, parody, non-commercial research, and library archiving.
(フォーマット・シフティング、パロディ、非営利の研究、図書館のアーカイブに対して、EUの著作権の例外を適用する)
- Build flexibility in to the system
(柔軟性をシステムに組み込む)


以下、他の報道記事も参考にしつつ、いくつか補足を加えていきます。参考にした報道記事はブログ記事の最後に記載しています。

- Digital Copyright Exchange(DCE) (Chapter 4)
DCEは、レビュー内では"a network of interoperable database(相互運用可能なデータベースのネットワーク)"(Chapter4, 4.31)として説明されているもの。“One-stop shop(なんでも屋)”のようにDCEの一元管理のもと、権利者やライセンスを得たい企業や個人がよりシンプルなプロセスで事が行われるようにするとされています。レビューは、2012年末までに、DCEのデザインや実行に向けてシニア・レベルの人物に監督を依頼することを提案しています。ただし、TelegraphやThe Guardianが指摘するように、政府はこのレビューが示した提案に従う必要はないので、果たしてDCE設置に向けて政府が動くのか、動くとしたらどのように実現させていくのかは不透明と言えます。

- Decriminalise format shifting (Chapter 5)
例えば、合法的に手に入れたCDから、コンテンツである音楽をPCやデジタル・ポータブル・プレイヤーなどに移す行為は、イギリスでは違法とされています。"private copying"と言われるものです。ただ、誰でも日常的に行っている行為で、政府も音楽業界は実質これを容認してきました。2005年のGower's Reviewでもこの点は指摘されながらも結局非犯罪化されなかったのですが、この度再び提言として、フォーマット・シフティングの非犯罪化が取り上げられています。CMUはこの件について、これが認められれば、イギリスの現行法では正確には違法とされている音楽ストレージ・サービスにも門戸が開かれるのではとしています。

- No U.S.-style Fair Use (Chapter 5)
イギリスでは"Fair Dealing"という言葉で語られるもので、著作権法で認められた、許諾がなくても利用できる範囲や用途を示しています。今回のレビューでは、EUにおいて”USスタイル”のフェア・ユースを取り入れるのは難しいとしています。しかしながら、EUの認める著作権の例外をUKでも認め、プラスαで例外の適用範囲を広げることで、USスタイルのフェア・ユースを実現させることができるのではないかとしています。

- EU’s cross-border licensing drive (Chapter 4)
EU内で著作権を一元管理していくべきという話は以前から出ているものです。プロセスの簡素化や効率化を狙ったもので、結果的に小規模、もしくは新しいビジネスのマーケットへの参入を促したり、権利者や消費者等へのベネフィットにも繋がるとしています。


<参考記事>
Hargreaves to propose parody and private copy right - CMU Daily (17/5/2011)
What does the Hargreaves report mean for me as a songwriter? -The Guardian (18/5/2011)
UK copyright review's brightest idea 'doomed to fail' - Telegraph (19/5/2011)

====

他にも、著作権保護期間延長(copyright term extension)やパイラシー対策に関する項目もあるので、興味のある方はレポートをご覧になることをオススメします。

ちなみに、同じく知的財産のフレームワークについてまとめ、2005年12月に発表された『Gowers Review of Intellectual Property』というレポートもあります。必読のレポートですので、お時間ある方はサマリーだけでも是非ご覧下さい。ダウンロードはこちらからどうぞ。
スポンサーサイト
音楽ニュース トラックバック(0) | コメント(0) | Page top↑
『第3回 音楽コンテンツや音楽ビジネスについてざっくばらんに語る会』開催します | Home | 続・Music Beta by Googleが米国でスタートしたので、少しまとめてみた
-
コメント
-
コメントの投稿











管理者にだけ表示を許可する

-
トラックバック
トラックバックURL
-
プロフィール

anno69(@yano)

  • Author:anno69(@yano)
  • イギリスの音楽産業、特にデジタル・ミュージックと音楽産業における環境問題対策に関するブログ。スコットランド大学院留学記も。
    管理人は、スコットランドのグラスゴー大学大学院ポピュラー音楽学コースを修了し、帰国。音楽好きの普通の会社員をしています。お問い合わせは cielo0818_ls [at] hotmail.com までお気軽にどうぞ。
    A blog dedicated to topics of the UK music market in particular digital music, copyright and environmentalism in pop music.

    ●Twitter:http://twitter.com/anno69
-
最近の記事
-
最近のコメント
-
最近のトラックバック
-
月別アーカイブ
-
カテゴリー
-
ブログ内検索
-
RSSフィード
-
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。