イギリスの音楽産業について考えるブログ
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2008/09/17 09:41
スーパーでCDを買いますか?
アメリカやイギリスでは、売上高で比べた場合、CDを最も売り上げているのはCD屋さんではなく大型スーパーであることは業界本なんかでも読めば出てくるかと思いますが(このブログではこの記事でちらっと取り上げました)、なんとも嫌なニュースを見つけてしまいました。

レディオヘッド、希少DVD付属『イン・レインボウズ』をTSUTAYAでリリース - Barks News(7/9/2008)

注目すべきは、Radioheadの話ではなく以下の引用部分。

ポール・マッカートニーが米スターバックスからCDをリリースし、それに続くようにジョニ・ミッチェルもスタバと契約、先日はザ・イーグルスの新作『ロング・ロード・アウト・オブ・エデン』がウォールマートのみでの発売であったことは記憶に新しい。続いて10月リリースのAC/DC『ブラック・アイス』も米国はウォルマートのみでのリリースだ。こういった大手スーパーチェーンやコーヒーチェーンが有名アーティストのアルバムを独占販売する流れが、ここ日本にも確実に押し寄せていることを思わせる取り組みだ。


TSTUTAYAはもといレンタル店と言えど、現在はCD屋さんと数えても差し支えないと思うのでここでは無視します。また、スタバでの独占販売についても詳しくないのでここでは触れません。私が気になったのは、ウォールマートでの独占販売。日本ではHMVやタワレコをはじめとしたCD屋さんでCDを買う人が多数だと思いますが(それかAmazon)、特にアメリカは状況が全然違うようです。

デジタル音楽の行方(著:David Kusek、Gerd Leonhard;翻訳:yomoyomo、津田 大介)」によれば、アメリカのCDセールスの50%を占める大型スーパーチェーンは、客寄せに音楽を利用しているとのこと。特定のCD(しばしメガ級に売れるCD)をしばし原価割れの格安で売って客寄せに使っているそう。大型小売店の場合、CDセールスは全体の収益のわずか数パーセント、米国スーパーチェーン最大手のウォールマートにいたってはわずか0.1%以下のため、原価割れしようが何だろうが関係なし。その上、ウォールマートの場合、通常わずか750以下のタイトルしか取り扱っていないにも関わらず、アメリカのCDセールス全体の20%以上を占めている。これに目をつけた大手レコードレーベルは大型小売店の思うツボにちゃっかりはまって大型スーパーチェーンと手を組み必死に売上拡大をねらうようなったとのこと。結果、多数の中小CD小売店が店を畳まざるを得なくなり、また大型CD小売店も、CD以外の商品(DVD、ゲーム、Tシャツなど)に力を入れざるを得なくなったようです(pp.130-132)。

CD小売店数の減少は日本でも見られることですが、その原因をCD売上の減少だけに押しつけるのは明らかに間違いと言えると思います。この記事と上記の本を読めば、レコード会社が小売店を圧迫するようなことをやっているから、中小の、それもそれなりこだわりを持った面白いCD屋さんがどんどん消えていくのだと考えるのが普通ではないでしょうか。しかも、大型小売店が取り扱うのはアイドルなどの“確実に売れる”と思われるようなごく限られたアーティストのCDのみ。日本だったらディスク・ユニオンみたいにインディに強い大型CD小売店があるけど、中小CD小売店が減れば、インディ・バンドがCDを出す場所がなくなってしまいます。「CDという形態の再イメージ化が必要」というのが私が賛同する考え方なので、イコールCD小売店の再イメージ化も必要ということにはなるのですが、音楽の多様性という点から考えた場合、現時点においては、まだCD小売店は必要不可欠な存在だと思います。利益に重きを置きすぎた大手レーベルの戦略は私は到底受け入れられません。

個人的に、大型スーパーチェーンの独占販売がより一般的なものになってきているというのは残念です。日本でアメリカのようなことが起こるとは到底考えられませんが、遠い未来日本もそうなる可能性はないわけではなく、人ごとではありません。

今後もこの手のニュースは取り上げていこうと思います。
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anno69(@yano)

  • Author:anno69(@yano)
  • イギリスの音楽産業、特にデジタル・ミュージックと音楽産業における環境問題対策に関するブログ。スコットランド大学院留学記も。
    管理人は、スコットランドのグラスゴー大学大学院ポピュラー音楽学コースを修了し、帰国。音楽好きの普通の会社員をしています。お問い合わせは cielo0818_ls [at] hotmail.com までお気軽にどうぞ。
    A blog dedicated to topics of the UK music market in particular digital music, copyright and environmentalism in pop music.

    ●Twitter:http://twitter.com/anno69
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